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July 02, 2006
ビクター・マトムさんの会
南アの写真家ビクター・マトムさんが9年ぶりに来日され、その報告会やスライド上映会に
参加してきましたので報告します。 (米山 周作)
○6月11日(日)12:10-14:00 於)明治学院大学
《参加者:野田・浅見・西村・米山》
日本平和学会の分科会の1つで、参加者は大学等の研究者が多く、マトムさんが写真を撮る時に
心がけていることを中心に話が進められました。
写真は自分を写し出す鏡であるということ、撮る相手には地位、学歴、肌の色に関わらず
常に敬意を払うということ、こちらが敬意を示さないと相手もこちらに敬意を示さず、
そのような信頼関係のない写真は、いい写真にはならないとのことでした。
また、写真に国境はなく、言語を介さずにメッセージを伝えられるので、世界に変化を
もたらすことができると信じているということです。
○6月13日(火)19:00-20:30 於)ピースボート・センター東京
《参加者:米山》
客層は、広く国際交流に関心があるという学生や若い方が多かった。
「アパルトヘイトとは」、「ソウェト蜂起とは」といった話を中心に、ご自身がソウェト蜂起に参加した
非常に生々しい体験を交え、友人の中には、殺されたり、拷問の末に気がおかしくなってしまったものも
いるということ、、自分の太腿には未だに銃弾の後が残っているが、そのような弾圧に自分達の運動がひるむ
ことはなく、むしろ一層戦う姿勢を示していったということ、また多くの友人が犠牲になっていたので、
いつか自分の番が来たらそれを受け入れる覚悟もできていたという内容を中心に紹介して下さいました。
新生南アの歴史はまだ10年で、それまでの長い歴史を考えれば、状況改善にはまだまだ時間がかかるとのことで、
「希望には忍耐が必要だ」と締めくくっていました。
マトムさんと間近にお会いすると本当に温かい人なんだなぁと感じます。多くの友人を失い、多くの人間を
見てきた(撮ってきた)からこそ、人に対する愛情も滲み出るんですね。
マトムさんの大きくて長い腕。TAAAメンバーの4人を包んでくれます。
握手をする と、びっくりする程の力強さ。マトムさんの温かさが伝わってきます。
マトムさんのなんと優しくてフレンドリーな笑顔でしょう。
野田代表と懐かしいお話しをしているのかな?
マトムさんと野田代表、9年ぶりの再会!!本当に素晴らしい写真となりました。
4年前、TAAAが10周年記念誌を作った際に表紙に使わせていただいたマトムさんの写真です。
少年の真剣な眼差し。きりっと結んだ口元。とても強い意志が感じられ、マトムさんのメッセージが
伝わってきます。NEW SOUTH AFRICA と書かれたカバンには、少年の希望がたくさん詰まって
いるので しょう。撮影後、10数年が経ち、この少年が立派な青年へと成長していることを期待し
てやみません。NEW SOUTH AFRICA のカバンの中には、更に多くの夢を詰め込んで、大切に
していてほしいと願います。
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Victor Matom(ビクター・マトム) プロフィル
1959年、南ア最大の黒人居住区ソウェト生まれ。
南アを代表する写真家の1人として、多数の雑誌、新聞などにドキュメント写真を発表する一方で、
黒人の日常生活の中での「人間の尊厳」をテーマに写真を撮り続けている。
また、十分な教育を受けられないスラム地区に住む子供たちに「創造する喜びを知ってほしい」と写真を教える活動をしている。
個展、グループ展、著作など多数。マザー・ジョーンズ国際賞を受賞。
●南アで起きていること、人間としての尊厳を、黒人自身が記録すべきだと考えた。
だから、僕は写真家を目指した。~ビクター・マトム~ (札幌でのイベントへのメッセージより)
投稿者 sekine : 10:15 AM | コメント (1)
July 01, 2006
山下さんの南ア訪問記(2005年9月)
左から、仲野さん、サンディーレさん、山下さん、平林さん(ダーバンの平林さん宅にて)