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TAAAの活動日誌

2018-10-14 南アフリカ

大学生の現地訪問記② 自然とともに生きる人たち


 今回、初めて南アフリカに訪れ、また農業塾や学校、周辺コミュニティへの訪問をする機会をいただきました。

 小学校や、農業塾では野菜の栄養に関するセッションを行いました。農業塾ではそれに加えて料理教室を行いました。栄養セッションでは、難しいビタミンなどの話を極力省いたため、とても面白かったなどの感想をいただきました。また、料理教室ではほうれん草の卵炒めと、ミネストローネを作りました。炒めるという調理法があまりメジャーではないため、その布教と、普段手に入れやすいトマトサーディン缶に野菜を加えることで栄養を摂れるようにする、また化学調味料を使用しないという目的でありました。美味しい、レシピを知りたいなどの声が聴かれたため、これからはなるべく化学調味料を使わないで料理ができるようになれば良いと思っています。

 また、私は農業大学生として、何ができるのかという思いを抱いていましたが、実際は私の方が学ぶことが多くありました。
 私は農業をビジネスとして学んできましたが、農業塾スタッフや卒業生、学校菜園にかかわる生徒たちは農業をまさに生業としているのだと感じました。生きるために作物を育て、またこれから先も自然とともに生きるために土を育てている彼らを見て、非常に感動しました。農業はビジネスではなく、人と人が助け合い、生きるためのものだと思い出しました。
 小学校菜園を耕している子供はすでに農業者であり、土を悠々と耕しておりました。農具が十分ではないため、小さなスコップで畑を掘り起こし、新たな苗を植え…。



しかし、もちろんビジネスとしての農業も重要になってくるだろうと思います。農業塾では実践的な有機農業を教えていますが、ビジネスコースでの授業をそろそろ展開しても良い頃合いだと思います。きっとこれからも良い農業者が生まれてくるのだと思うと、非常に胸が高まる時間でした。


(東京農業大学 3年 今別府映理)


2018-10-13 南アフリカ

大学生の現地訪問記① 食育の重要さ


現行のJICA草の根技術支援事業のプログラムとして、8月下旬~9月上旬にかけて東京農業大学の学生さん2名が現地を滞在し、農業塾卒業生や地域住民に交流を楽しみながら栄養指導をしてくれました。その訪問記を2回に分けて掲載します。


 今回の南アフリカ滞在では現地の方と共に交流することを通して農業と食に対する興味や関心をお互いに高めたいと思い参加を希望いたしました。

 8月の南アフリカ滞在に向けてどのような企画をしたら現地の方にとって充実した時間になるのか春から同じ東京農業大学の今別府さんとTAAAの久我さん、大友さんと平林さんと話し合いを進め、滞在への準備をしました。そして、現地では栄養に関する知識と野菜の調理法に関する知識を持っている人が少ないということで、栄養に関するワークショップと料理のセッションを行うことが決まりました。

 滞在4日目に農業塾MOATSで栄養のワークショップと料理のセッションを行いました。料理のセッションではにんじん、じゃがいも、たまねぎ、にんにく、トマトと現地で人気のトマトベースの鯖缶を使った野菜スープとほうれん草の卵炒めを作りました。どれも今別府さん、平林さんと一緒に現地の人が簡単に作れて、煮たり炒めたりと様々な調理法を紹介できるということで、この2つのメニューを農業塾で紹介しました。参加してくれた生徒も積極的に質問をしてくれました。また、味も気に入って下さり、私たちが紹介した料理に興味を持ってくれました。後日、調理法をまとめたレシピを渡しました。

 今回の活動を振り返って、栄養など食に関する教育の重要さを感じました。自分の食生活を管理することは病気のリスクを減らすことに役立ちますし、訪問した地域のように大きな病院がない環境では必要なことであると感じました。また、彼らが野菜など食べ物の栄養を学ぶことは野菜や家畜を育てることに対してモチベーションにもなりますし、農業で生計を立てる際に、消費者に野菜の健康への効果を伝えることで多くの人が食生活や野菜など食べ物に対しての意識が変わると思います。自分だけでなく多くの人が改めて自分の食や健康について考えられるいい機会になると思いました。ですから、今回の滞在で行ったように、現地の人たちが食や栄養に関する知識を得られる機会が増えると、現地の人の生活はより良くなると感じました。


(東京農業大学 4年 丸山真由)


2018-9-17 南アフリカ

南アから学ぶこと「ほんもののrespect」


 図書プロジェクトの現地スタフのモンドリ・チリザさんは、「図書活動命」の22歳だが、近所の学校の生徒達にサッカー遊びを呼びかけ、友達が友達を誘い、とうとうチームを編成できるまでの人数があつまって、始めてから1年でサッカークラブの「オーナー兼監督」にもなってしまっていた。6月視察訪問滞在中の土曜日の午後、他の地元チームとの試合を見に来て欲しいと言われ、ガラスビンの破片やゴミが散らかっていたコミュニティーサッカーフィールドだったがほぼ全員が裸足で活躍する素敵なプレイと引き分け試合を楽しませてもらった。

 試合中・試合後のモンドリ監督とクラブメンバーの小中学生たちのやりとりを見聞きし、子ども達がモンドリさんをとても尊敬しているようだったので、久我さんが「子ども達はあなたのことを尊敬していますね」と声をかけると、モンドリさんは「はい、そうです。私も彼らを尊敬していますから」と即答。担当の図書プロジェクトでは、「図書司書の先生方の生徒に対する信頼が十分でないことが一番の問題だ」と訴えていたが、それに通ずる「相手に対する尊敬は双方向であるべき」との考えで、これは日本へ持ち帰るべき最大のおみやげだと思ったのだった。

 1955年の「自由憲章」、アパルトヘイト廃絶のための民衆闘争、新憲法制定、真実和解委員会などからも多くを学ばせてもらった南アの人々からは、これからも学び続けることになることを実感する現地訪問となった。
(大友)


2018-8-22 南アフリカ

アパルトヘイトで寸断された農業を「生きなおしている」人たち②


 一番印象に残ったのは、やはりMOATSの卒業生でダーバンの学校に通いながら、普段はお母さんに任せ、休みの時だけ畑をやっているという28歳の女性。訪問時には丁度お母さんと二人でお母さん自作の織機の前に座って、注文を受けたマット(ゴザ)の製作中だった。

 私たちの訪問に、その手を止めてやや重たそうな腰を上げ、家の前に広がる彼女の畑を案内してくれた。急坂を30分ぐらい下ったところに竹やゴザの材料になる葦のようなものも繁茂する川がありそこから水を汲んで来ているという。お父さんに手伝ってもらって作ったという動物よけの竹を支柱に枯れ木で編まれたフェンスに囲まれた8畝ぐらいの畑には、ほうれん草、にんじん、タマネギ、キャベツの他に唐辛子とレモンの木が植わっていた。3色のビニールが風に舞って魅惑的な雰囲気を醸し出していた彼女お手製の案山子に注目した直後、畑を荒らしかねない山羊の小屋を畑上方に隣接させて、その底部から山羊の糞が自動的に彼女の畑のあぜ道に落ちるよう傾斜を付けたしかけには、思わず感嘆の声を上げてしまった。

 さらに私たちをうならせたのは、お母さんと兄弟と同居し、2人の子持ちのシングルマザーであるやや無愛想な彼女が、なんと、ダーバンでの経営・財政学を勉強がおわったら、地元で有機農業ビジネスをやるつもりだと言ってにっこり笑ったときだった。これから18ヶ月の実習があり、学校を終了したらいずれ右側の空き地にも畑を広げたいとも。



 再びお母さんとのゴザ編みに戻った彼女に別れを告げしばらく下ると、日用雑貨と日持ちする若干の食糧を揃えている小さなお店をみつけた。野菜の品揃えを確認したところ、持ちの良いジャガイモやタマネギ以外は、腐らせてしまったことがあるので置いていないと言われた。将来この店と彼女がタイアップして、新鮮野菜は彼女の家の畑で直売する仕組みをつくれないだろうかと勝手ながら夢が膨らんだ。


(大友)


2018-8-11 南アフリカ

アパルトヘイトで寸断された農業を「生きなおしている」人たち①


 MOATSのトレーニングコースの卒業生や先行プロジェクトのモニタリング先で個人であるいはコミュニティーで有機農業を続けている方たち、MOATSで育てた有機苗の買い手としてファシリテーターの一人であるナチさんがリクルートした家族やグループなどを訪問する機会に恵まれた。画才があれば、思わず肖像画を書きたくなるような魅力を放っている人たちであったが、ここでは特に印象に残った何人かをそれぞれ簡単に紹介してみたい。

 JICA先々行事業の対象コミュニティー菜園グループのメンバーで一時中断していたが、自分たちが死ぬ前に、子どもや孫達に自分たちの農法を伝えておきたいという思いで2018年4月に再開させていた年配グループがいた。種は農業省からもらっていたが、届くのが遅いし、キャベツはうまく育たなかったので、Coastal Farmers から買うようになったとのことだった。訪問時MOATSに注文したほうれん草の苗3箱をうけとり、若い男性3人に苗を運ばせ、牛糞を取りに行かせ、畝を作らせていた。MOATSのものは良質なので、採種するつもりだと言っていた。若者達は失業したから親・祖父母の畑に戻ってきたのかもしれない。先々行プロジェクト以来つけているという帳簿・記録も、この若者達に引き継がれて行き、自給用に販売用も若干加えながら生産を持続させていけることを期待したい。



 思うところあって学校勤務から早期退職したという小学校の元校長は、MOATSの出張(オンサイト)トレーニングで有機農法を学んだ仲間といっしょに地域のシングルマザーを集め、計7人で、自宅の農地でのグループ菜園(エソムーサ=ズル語でgraceの意味)を始めていた。収穫を自家消費用としてグループ内で分けても販売用が残るだけの規模になっていた。冬期の水確保が課題、鶏糞確保のためにも養鶏を学びたいと女性達は張り切っていた。彼女らに賑やかに歓迎され、振る舞われたキュウリ・ブロッコリー・ほうれん草で青みがつけられたヨーグルトバナナジュースの美味しい味は忘れられず、日本に帰って再現して広めている。


(大友)


2018-7-7 南アフリカ

農業塾卒業生へのアンケートとインタビュー


 2016年8月に始まった有機農業塾MOATSは8コースを終え、若者を中心に112名の地元住民が卒業しました。今年4月に1コースから5コースまでの卒業生77名に対し一斉アンケート調査を実施し、6月の視察訪問では、その回答を基に卒業生訪問インタビューを行いました。 アンケートとインタビューの回答から、卒業生たちがMOATSから何を学び取り、大切にしているのかを聞くことができました。

 回答から真っ先に感じ取れたことは、彼らの環境意識の高さでした。「MOATSで学んだことで一番大切なことは」との問いに対し「有機農業が土壌にやさしいこと」「土壌の微生物を殺さない農法であること」という声があり、「化学肥料を使って菜園をやっている友人には有機に切り替えるように説得している」と答えた若い女性もいました。

 今後のMOATSへの要望に対しては「MOATSの野菜を孤児に配給してほしい」との声が多く挙がり、卒業生が弱い立場にいる地域住民を大切に思う気持ちが伝わると同時に、地域の厳しい現実を知らされました。ほとんどの住民が祖父母の僅かな年金に頼って生計を立てている地域です。しかし、命綱ともいえる社会保障にカバーされない層の子どもや大人は、食べていくことがきわめて厳しい。そのような層にこそ、MOATSは配給だけでなくトレーニングの場として手をさしのべていけたらと思いました。

「今後あなたは卒業生としてMOATSにどのような貢献ができますか?」との問いには、「初心者に技術を教えたい」「ボランティアワークをしてもいい」「有機農業の知識を地元住民に広めていきたい」「苗を買うことで貢献したい」などの声がありました。

 MOATS卒業後、卒業生たちは各自で家庭菜園をすることになっていますが、継続していない卒業生の中断理由は、水不足、種が確保できなかったこと、獣害、就職・入学など具体的なもので、非継続者の全員が、「有機野菜は体にいいから」「家計を助けるから」との理由で、再スタートしたいと回答していました。
 彼らが続けられなかった理由から地域の具体的な課題が明確になり、それらの課題対策として、今後は卒業生への再トレーニングに注力することになりました。

 回答から、全継続者も非継続者もオーガニックのコンセプトをバランスよく包括的に習得していたことが分かりましたが、収穫物の販売となると、継続している卒業生でも、販売意慾はあるものの躊躇している姿が見えてきました。特に、販売のネックとして移動手段を挙げる声も目立ちました。
 しかし、実際に販売している卒業生のほとんどが車はなく、地域住民に自分たちの菜園に来てもらったり、売り歩いて売っています。今回の訪問インタビューでは、車に頼らずに販売活動をしている卒業生の一覧表を見せながら、躊躇している卒業生たちに、歩ける距離での地元マーケットの可能性を考えてもらいました。
自分と同じ環境にいる卒業生たちの地元での成功事例は、大いに刺激になったようで、食い入るように一覧表を見ていました。

 また「収穫物を販売したいけれども、地域住民が野菜やオーガニックの知識がないので難しい」との声も多く聞かれ、今後は生産者だけでなく消費者を増やすためにも地域住民全体へのオーガニック教育や食育が普及への鍵になるのではと思いました。 そのためにも、MOATSで有機農業の基礎知識を得た卒業生たちが、再トレーニングで野菜の栄養やクッキングを学び、その知識を地域住民に分かりやすく積極的に伝えていってほしいと思います。

 彼ら卒業生は、生産者、消費者、またMOATSと有機野菜のプロモーターとして、今後地域の有機農業の普及を支えてくれる大切な資産だと、ぎっしり書き込んでくれたアンケート回答を読んで思いました。

(久我)


2018-7-18 日本

7月14日TAAA講演会レポート


 2018年7月14日(土)、幡ヶ谷の「JICA東京」でTAAA講演会が開催されました。かなりの猛暑でしたが、14名の方に参加いただきました。 2時間という限られた時間の中、内容は、野田さん(事務局長)による挨拶、平林さん(南アフリカ事務所代表)による菜園支援活動事業の報告、大友さん(理事)による現地視察報告、平林さんによる学校図書支援活動事業の報告という流れで行い、盛りだくさんで質疑応答の時間がとれないほどでした。

 菜園支援活動事業は「JICA草の根技術協力事業」として実施していますが、農業塾を中心にトレーニングや育苗にも注力しています。 地域の家庭菜園も支援していますが、距離の関係から指導員が出向いています。最近は、従来参加に積極的でなかった男性が少しずつ携わるようになり、喜ばしい傾向となっています。また、リソースセンターは教室の1つを改装してつくられましたが、本の多くはTAAAから寄贈し、農業に関する本は現地で購入しています。近隣の生徒も利用しており、放課後に本を借りにやってきます。

 昨年度の学校図書支援活動事業は「外務省 日本NGO連携無償資金協力」、「ひろしま・祈りの石国際協力交流財団」の支援を受けて実施しました。 菜園支援活動事業と同様、こちらも元々シャイな男子生徒が徐々に参加するようになってきました。 先生の熱意がキーの1つとなっており、先生の指導によって図書室が良く使われるようになると、成績が上がるという傾向も見られるようになってきました。 継続して算数セットが役立てられており、またパソコンを活用したIT指導も行われています。

 平林さんの講演の間に行われた大友さんの視察報告は、とても具体的なエピソードから大局的な視点まで、コンパクトかつ幅広いものでした。菜園支援活動事業では、有機農法の条件が良質な種の確保と採種・育苗技術の習得であること、収穫物は自家消費と近隣販売を優先して車に頼らないこと、事業終了後は本プロジェクトを州環境省の監督下で地域組織が行うこと、という見解が示されました。また、学校図書支援活動事業では、司書と生徒の関係を改善して近隣学校で図書情報共有・ブックボックス交換・イベント開催を行うこと、州教育省との連携を強化するとともに新規支援校を検討すること、IT教育の仕上げや算数セットを活用した授業を継続することがポイントとしてあげられました。

 講演会は今後も毎年定期的に開催していく予定です。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。 今回予定が合わなかった方も、次回お会いできることを楽しみにしております。今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。


(丸岡)


2018-7-7 南アフリカ

2018年6月(17日~25日)現地プロジェクト訪問報告


 今年の久我さんと大友での現地プロジェクト訪問は、JICA草の根技術支援事業「有機農業塾を拠点とした農村作り」の最終年度視察に重点を置いたものでしたが、学校図書プロジェクトの状況確認なども行ってきましたので、私はその部分の報告を行いたいと思います。

 昨年設置され、2人の司書担当教員に出迎えられたFundeduze Primaryコンテナ図書室は中も美しく、使いやすく整備され、州教育省図書部門(ELITS)から配布されたものも相当数入っていました。訪問時にはコンテナの左右の角2箇所に設けられた椅子と机にそれぞれ生徒が3人ずつ座って、ブックレビューを作成しているところでした。ElITS配布図書が充実しているように思えたので、確認してみると、地域の学校の図書担当教員が集まって選書したものが配られているという、うれしい話が聞けました。

 図書室・書棚・生徒の図書活動そしてそこそこの蔵書という基盤が整えば、それが呼び水となって州教育省の本来の仕事も進むのだということ、そして対象地域の学校へのTAAAからの配布が不要になる日が近いことを実感しました。今後TAAAからの本の配布は、農業塾のリソースセンターや、いままで対象としていなかった近隣地域の図書室のない学校への支援を中心に考えて行くことになるかと思います。


 今回の訪問では、今後そのような対象になりそうな小学校を訪問しました。そこでは、校長の熱意で各クラスにコーナーライブラリーなるものが設置されていたものの、中身は古い、あるいは余った教科書類だったので、この学校にもELITSの本が届くように、誘い水になる日本からの本をモンドリさんが数冊ずつでも各クラスに届けることもありではないかなと思いました。現地での検討を期待します。


(大友)


2018-5-19 南アフリカ

パソコン・プログラムのリーダーたち


 外務省日本NGO連携無償資金協力事業「ウムズンベ自治区の学生の経済・社会参加に向けた学力向上と基礎技能習得(第2年次)」(2017年3月~2018年2月)では、図書事業の一環として20校(プライマリー8校、セカンダリー12校)を対象にパソコン基礎技能習得プログラムを行いました。

 パソコン指導といってもパソコンルームにたくさんPCを並べて一度に大勢を指導するのではなく、各校にノートパソコンとプリンターを一台ずつ配置し、図書委員会生徒を中心に基礎操作を指導していきました。全対象校で940名が受講し、そのうち732名が技能テストに合格し修了証書を手に入れました。

 技術を習得した生徒たちは、本の貸し記録やポスター作りなど図書委員会活動に応用し腕を磨きながら、他の生徒たちに習得した技術を教えていきました。事業終了後も、このような生徒同士で教え合うピア教育を通じて活動が学校全体に普及し根付いてきています。


 一校にパソコン一台では限界はありますが、パソコンが大好きで他の生徒たちを熱心に指導する生徒たちが育ってきました。山岳地域の学校には、スティーブ・ジョブズを彷彿とさせる才能あふれるパソコン少年も現れ、指導者として大活躍しています。

「教わる側だった生徒たちが、限られた教育リソースを最大限に活用しながら、教える側になり、いつのまにかプロジェクトリーダーとして成長していった」プロジェクトで、パソコン技術だけではなく、生徒同士で教え合う習慣も育まれました。


事業終了後、対象校にアンケート調査を行いました。ご覧下さい。
>> 2017年度図書事業 パソコン基礎技能習得プログラム対象校のアンケート結果一覧表(PDF)


(久我)


2018-3-6 南アフリカ

2月22日図書研修会イベント


 2017年度の外務省日本NGO連携無償資金協力事業の「ウムズンベ自治区の学生の経済・社会参加に向けた学力向上と基礎技能習得(第2年次)」が2月28日に終了となることから、2月22日に地域内ホールで最終教師研修会および図書イベントを開催しました。当日は2校が学校の都合で欠席となったが、28校から89名の教師及び生徒が出席、ゲストやスタッフを含めて計100名が参加するというビッグイベントとなりました。


 プレトリアの在南ア日本大使館より経済開発担当の有馬一等書記官が出席くださり、教師や生徒に向けて心強いメッセージ、貴重なアドバイスを頂きました。クワズールーナタール州教育省からはELITS(学校図書部門)アドバイザーのンベレ氏と、トゥートン教育センターのンクマロマネージャーが出席して読書の大切さを力説し、継続して図書活動を進めていくようにとアドバイスがあり、また日本外務省とTAAAに対する謝辞がありました。前半のイベントでは、各対象校の生徒から本の朗読や紹介、感想文や詩の発表、事業に対する印象や感謝の言葉などがありました。


 余興として、ホール敷地内にあるエシバニニ小に依頼して、
男子生徒によるズールーの戦いの踊りを披露してもらいました。生徒たちのダイナミックな踊りは、会場を沸かせました。

 後半の研修会では、対象校の教師が校内でどのような図書活動を進めているかを発表し、事業終了後の活動継続に向けて、教師間での情報交換を行いました。プロジェクトマネージャーと図書スタッフはあらかじめ各部門の最優秀校を決定し、当日表彰を行いました。出席した教師全員に本の寄贈、生徒には本とペンを授与して最後にみんなでランチを取り閉会となりました。対象校の教師や生徒が一同に集まる機会はあまりないため、当日は出席者にとって他校の図書活動を見聞し、学び合い、刺激を与え合う貴重なイベントとなりました。



(TAAA南ア事務所 平林薫)


2018-1-28 南アフリカ

学校菜園のアンケート調査を行いました


 2013年8月~2016年1月の期間に実施したJICA草の根技術協力パートナー型事業「学校を拠点とした有機農業促進のモデル地域作り」では、地域の学校40校(小学校、中学校、高校)を対象に学校菜園を作り、生徒と教師に有機農業の指導をしてきました。

 それから2年が経ちましたが、学校がどのように菜園活動を継続し役立てているのか、地域への有機栽培の普及に、学校が拠点としての役割を果たし続けているのかを確認するために、一斉にアンケート調査を行いました。

 今回のアンケートから分かったことを一部紹介いたします。

  回答があった学校数: 38校(40校中)
  • 種は学校菜園から採種している
  7校
  • 収穫物を学校給食に利用している
16校
  • 収穫物を孤児・貧困家庭の生徒に配給
17校
  • 収穫物は教師や地元住民に売り、その収益で種や菜園活動に必要なものを購入している
12校
  • 学校菜園を授業に活用している
33校
  • 菜園委員会生徒は、後輩や委員会メンバーでない生徒に技術指導をしている
33校
  • 菜園委員会生徒たちのほとんどが、家庭菜園も行っている
35校
  • 菜園委員会は活動記録を付けている
33校
  • 学校側は、菜園委員会以外の生徒たちにも家庭菜園を始めることを奨励している
37校

 活動を続ける上での問題として多かったのは、水不足、近所の家畜や野生動物の侵入でしたが、採種ができていないこと、思うように時間がとれないことを懸念する声もありました。菜園は、理科や生活科などの日常の授業に精力的に活用しているようで、その質問項目の箇所には、ぎっしり具体的に書かれた回答が多かったのが印象的でした。

 また、菜園委員会教師たちは、技術指導だけでなく、栄養や健康などの有機農業や野菜のコンセプトをしっかりと伝えている様で、その箇所も情熱的に書かれた回答が多かったです。委員会生徒以外でも学校で習った菜園技術を家庭菜園に活かして家族に技術指導をする生徒たちが増えていることや、地元自治体から種を配布されている学校もあり、地域全体で菜園活動が普及している様子が、アンケートからは読み取れました。

 一方で、採種を続けていない学校が多かったことが気になりました。今後は、現行事業の農業塾からも学校側に働きかけて、採種指導をする機会を作っていきたいと思います。 また、家庭菜園ではしっかりと採種をしている生徒たちが、自家採種した種を学校に寄附するなど、家庭菜園から学校菜園への還元の可能性も探れないだろうかと、アンケートを読んで思いました。

(久我)


2017-11-30 南アフリカ

農業塾でニワトリを飼い始めました


 農業塾でニワトリを飼い始めました。エナレニ農場で育てられたKoekoek(クークック)は南アで交配された鶏で、お肉がおいしく、卵の質もよく、きれいな羽も利用できます(飼い始めるとしめるのはつらいですが)。Koekoekはおとなしく賢い鶏で、夜は鶏舎の中で寝ますが、昼間は敷地内を自由に走り回っています。


 鶏舎の建設やマニュアル作成等の準備が整ったところで、11月7~9日と13~15日に養鶏トレーニングコースを開催し、有機農業コースの卒業生19名が参加しました。3日間のコースでは自然養鶏(半放し飼い)の例としてKoekoekの飼育方法を指導し、またブロイラー鶏の飼育方法の講義も行い、違いを理解してもらいました。
 ブロイラー鶏舎も建設しましたが、少し前に鳥インフルエンザが蔓延したことからいまだに飼育が制限されています。ただ、ブロイラー鶏の飼育にはコスト(餌や予防接種等)と労力(常時鶏舎の管理が必要)がかかり、小規模では収益を出すことは難しそうです。菜園と同様、Koekoekはオーガニック、ブロイラー鶏は大規模商業用という感じです。

 農業塾には現在雄鶏2羽、雌鶏4羽がいて、年明け位には卵を産み始めるとのことで楽しみです。クリスマス休暇中は農業塾が閉まるので、地元のスタッフの家で預かってもらうことにしました。

(TAAA南ア事務所 平林)


2017-10-3 南アフリカ

2017年8月(12日~20日)現地プロジェクト訪問報告
その4 最後に南ア訪問こぼれ話


 学校図書室で話し込んだ司書教員だけでなく、当会支援プロジェクトに興味を示した現地のアフリカ系の方々何人かに、日本の教員との交換・交流計画などはないのかとか、日本で研修できたらきっといろいろ学べるのにといった日本、特に教育分野への期待を聞かされ、今日本社会、教育政策、学校現場からは反面教師的にしか学ぶことはないことを分かってもらうのに苦労しました。 一方宿泊先だったロッジのオーナーの白人女性とは、3日目朝ベッドサイドテーブルに 「連泊客の私に石鹸など洗面具の機械的追加は結構です。資源節約のために!」 と私が残したメモをきっかけに話をするようになり、プロジェクトについても聞かれて図書室と菜園作りだと話すと、 「食べ物と本は何よりも大事ね。私も食べ物と本さえあれば生きていけると思うわ」 と話がはずみ、アパルトヘイトによって奪われ続けてきた人たちの飢餓感をあらためて実感させられました。

 しかしこのアパルトヘイトとの闘いの中で、そしてさらに絶対的貧困との闘いの中でこそ培われてきたと思える区レベルの常設のWar Room (戦略室)なるものの存在を知り、やはり南アからの学びは欠かせないと思いました。それは、ベキシズウェ小学校の校長さんとの話の中で出てきたものです。 「省をまたがるような問題、当該省の役所がちっとも取り組んでくれない問題を地域が抱えたような場合は、War Roomへ持っていって、そこ(構成メンバーがどのように選ばれるのか訊きそびれてしまいましたが、政府関係者、民間団体、酋長、校長、宗教関係者、一般住民からなっているようでした)で話し合って解決策を練り、タスク・チームが関係者と連絡をとりすぐ解決に動き、モニタリングも行う。私もそのWar Roomのメンバーなのよ。今度シポンギーレ(プロジェクトマネージャー平林さんのズル名)にもオブザーバー参加して欲しいわ」と。例えば、ある子どもがAIDSを病む父親のDVに苦しむ母親を抱えて学校に来れないでいるという事態を察知したら、そのことを、本人でも、近所の住民でも学校でもこのWar Room に持ち込んで、議論の俎上にのせて、いろんなところを巻き込んで解決にむかって協力するというしくみだというのです。 私的な問題から公的な問題まで、持ち込めるようなのです。市役所、福祉事務所、保健所、教育委員会をたらい回しされたり、加害当事者による隠蔽や関係者の事なかれ主義、~いじめ問題特別調査委員会の設置・審議待ちで解決が遠のきがちな日本の現状では考えられない仕組みですが、常設のWar Roomは、地方分権、直接民主主義、住民自治の貴重な仕組みの一環として検討の余地があるのではないでしょうか。

以上南アの人たちの苦しみの深刻さと豊かな知恵にも出会えたという追加報告でした。

(大友)


2017-9-29 南アフリカ

2017年8月(12日~20日)現地プロジェクト訪問報告
その3 過疎地域の誇りあるリトルファーマーたち




 2016年7月より実施中のJICA草の根技術協力事業「有機農村塾を拠点とした農村作り」は、クワズールーナタール州ウグ郡ウムズンベ自治区内の2地域で行っています。ウムズンベ自治区を地形的に分けると、沿岸部、山間部、山岳部からなりますが、さとうきび畑が広がる山間部のコロコロ地域と山岳部で過疎化が進んでいるトフェット地域が事業の対象地域です。

 トフェット地域に足を運ぶと、一種独特のゆったりとしたやさしい空気に包まれます。 この地域も他地域と同じく仕事がなく、多くの住民は家族の老齢者の年金に頼って暮らしていますが、小動物やイノシシの狩りが行われ、また細々とですが豆類、芋類、トウモロコシなどを栽培している家庭も多く、比較的自給自足度の高い地域といえましょう。 

 最初の訪問先はトゥルベケ小学校。 先行JICA草の根事業の「学校を拠点として有機農業のモデル地域作り」では、優秀校の一つに選ばれるほど、菜園活動が盛んです。学校で菜園技術を学んだ生徒たちは、家庭菜園を始めるなど、文字通り学校を拠点に生徒たちがリーダーとなって、地域に有機農業技術を普及してくれました。 現行事業では、生徒たちの保護者に本格的な有機栽培技術を教え、親子による家庭菜園をさらに普及しています。親子といっても多くの生徒は親が不在で祖母に育てられているので、「おばあちゃんと孫による家庭菜園」の方が正確です。

 学校菜園を訪れると、休み時間の生徒たち何人かが水やりなどの世話をしていました。 生徒全員が参加しているという立派な菜園です。「協同組合を作りました」と数人の生徒が近づいてきて、苗床を披露してくれました。自分たちで苗を育てて、地域住民や教師に売り、収入は設備充実のためにと学校に寄付するのだそうです。しっかり書かれた帳簿まで見せてくれました。 彼らが大人になったとき、この地域の有機菜園はどのように広がっているのだろう。とても楽しみになりました。 

 山々が連なるのどかな風景の地域ですが、ここ数年、多少余裕がある住民は、少し開発が進んできた沿岸部へと移住するようになったため、過疎化が進んでいます。少しでも就職のチャンスがある地域へ、少しでも豊かな地域へ、と移ろうとする流れを止めるのは難しく、トゥルベケ小学校でも、すぐ隣になるシボングジュケ高校でも、生徒と教師が激減し、校長は頭を抱えている状態です。

 移住する余裕のない住民たち、生徒たちの間には、ある種の「取り残された感」があるかもしれません。このような地域だからこそ、有機栽培技術は、人々の生活を支えていく大きな力になり、また精神的な支えにもなると思います。トゥルベケ小の生徒たちは、誇りあるリトルファーマーとして、学校と地域で有機農業を普及し根付かせています。彼らは、地域の大人たちに、菜園技術を伝えるだけでなく、菜園活動を通して、地域のよさや可能性も伝えているのではないでしょうか。

(久我)


2017-9-18 南アフリカ

2017年8月(12日~20日)現地プロジェクト訪問報告
その2 居心地も良く芸術性溢れる図書室


 少なくとも今回訪問できた18校(30校中)の図書室の3年前とは見違えるような変化は、蔵書の増冊に加えて、重宝されていることが分かる空気感でした。
 増冊は、日本から届いたものだけでなく、TAAAのオフィスから車で40分近く南に下ったところにある現地唯一のショッピングモール内にある本屋で平林さんがスタフと一緒にみつくろって購入してきたもの、そして、州教育省図書部門のELITSから配布されたものによりました。 訪問した複数の高校では、図書委員と図書司書から、もう少し易しめの読み物(小説)と辞書(英・英とズル・英の両方)が欲しいと、小学校では、薄くて小型で字の大きい本がもっと欲しいと言われました。 日本でももう少し頑張りたいですが、このショッピングモール内の本屋(学校で必要とされているような読み物類がバーゲンにもなっていた)の第1位のお得意さんの座をTAAAからELITSに譲れる日ができるだけ早く来くるように、教育省にさらに働きかけていく必要を感じました。


 図書室では、TAAAスタフによるPC基礎講座がおこなわれていたり、理科の担当で図書司書でもある教員が、参考書を紹介でき、本に囲まれた環境に慣れてもらいたいとの思いで、自分の授業を図書室で行っていたり、生徒が共同発表の作品を作っていたり、一角で百科事典を使って黙々と宿題をやっていたり、脇目もふらずに読書に耽っていた男子が、司書の教員に「あんたは本をたくさん読んでるけど、ブックレビュウが一つも出ていない」と文句を言われていたり、近所に住む本好きな保護者がボランティアで蔵書登録・書棚整理を手伝いに来ているなど、有意義な使われ方を目の当たりにし、学校内の文化的拠点のような役割を果たしている図書室が少なくないことが確認でき、これこそ図書支援が各校の持続的努力で地についたものになりつつある証として評価できるのではないかと思いました。

 まだ整備の余地がある学校もありましたが、幾つかの学校では、図書司書や図書委員会のメンバーが、その個性的な芸術性を発揮して、壁、棚、窓、カーテン、ドアなどに図書室らしい創作物をあしらって、思わず見とれてしまうような観賞し甲斐もあり、居心地も良い素敵な空間に仕立て上げていました。司書免許を持つTAAA図書スタフのントコゾさんは、各校の図書司書や図書委員会には、「子ども達が入ってきたくなるような、入ってきたらいつまでもいたくなるような空間にしよう」と声をかけていると熱く語ってくれました。



 菜園プロジェクトの一環として元学校を使って設置されていたリソースセンターで、高校生が調べものをしていたり、TAAAスタフからPC作業の手ほどきを受けていたり、コピーサービスを受けるために列を作っているのを見て、図書プロジェクトの経験が生きている事を実感しました。各学校でのPC基礎授業の上級クラス編をここで開設できたらいいし、学校図書室にはないような専門書も借りに来れる地域図書館の役割を果たせる場所として充実・発展していってくれると良いなあと思いました。日本で寄付協力者の皆さんが届けて下さる専門書的なものは、今後はこのリソースセンター用として分類することも検討したいと思います。

(大友)


2017-9-3 南アフリカ

2017年8月(12日~20日)現地プロジェクト訪問報告
その1 算数セット授業


 8月12日から20日まで、久我さんと大友で現地プロジェクト視察訪問を行ってきました。

 久我さんは、JICA草の根技術支援事業「有機農業塾を拠点とした農村作り」の視察を担当し、私は日本NGO連携無償資金協力事業の「ウムズンベ自治区の学生の経済・社会参加に向けた学力向上と基礎技能習得(第2年次)」の方を担当いたしました。

 2014年3月以来、3年半ぶりの現地訪問で、とにかくうれしかったのは、3年前ルテューリ高校の図書委員会活動を引っ張っていた3年生、2015年からTAAA図書プロジェクト現地スタフとして大活躍のモンドリ・チリザさんと学校回りができたことでした。 彼の図書委員会指導の場面に立ち会えなかったのは残念でしたが、回った小学校での低学年対象の彼の算数セット授業には魅了されました。



 該当校に到着し、職員に挨拶を済ませた彼が算数セットの収納倉庫に向かうと、上級学年の生徒3~4人がほぼ自発的にかけ出てきて、その倉庫から授業対象の下級生の1クラス分のセットを教室へ運んでくれたのです。算数セットがクラスに行き渡ると、モンドリ指導員は時間を惜しむように、すぐにその日使うプレート(数の勘定に使う磁気付「すうずブロック」が張り付く薄い金属板)とブロックの入った箱を高く掲げるように指示しました。全員が用意できたことを確認すると、“Two + two”と3度ぐらい大声で繰り返し、教室中を回り、2個ずつ2箇所に並べてある事が確認できると“two +two is ?”とクラスに投げかけ、生徒各自が自分のプレートのブロックを触りながら、“one, two, three, four”と声を出して数えるのを見届け、ついてこれていない子には、みんなに数えて聞かせるように促し、全員ができるようになるまで、“two + two is?”(モンドリ指導員)、“one, two, three, four”(生徒全員)が繰り返されるのでした。一つの足し算作業なりが終わる度に、次の作業のためにプレートが空になっていることを確認するために全員にプレートを挙げさせ、それがつぎの作業へ進むぞという合図になっていました。全員の動きを視野に入れ、子ども達が数かぞえに集中できるように、余計なことは言わずに淡々と進めながら、遅れがちな子への配慮が実に自然、しかも丁寧なのに好感が持てました。



 授業の一部を割愛して彼に算数セット指導をさせてくれている本来の担任の対応は、それぞれ個性的で面白かったです。 間違っている子のプレートに手を出して直してしまったり、作業指示に従うのが遅れがちな生徒をしかるような口調でせかす教員もいれば、チーム・ティーチング的な感じで彼の指示出しを繰り返したりする教員がいるかと思えば、全く手出しせず、教室の後ろで自分の仕事を黙々とやっているかと思っていたら見学中の私と目があって「彼やってくれるでしょう!」と言わんばかりにウインクしたりと多様でした。そんな年上の担任たちとのいかなる場面にも上手に対応していたモンドリー指導員の柔軟性が心地よく、生徒としても同僚としても彼のような指導者はいいなあと思える有意義な体験となりました。

 算数セット一クラス分は支援対象校すべてには行き渡っていないので、一クラス分のセットを渡せていない学校での授業の場合は、モンドリさんが、TAAAのオフィスから一クラス分を車に乗せて持参していました。授業で有効活用され始めているこの算数セットは、英語図書とちがっていずれ現地調達へと引き継いでいってもらえるものではないので、日本で眠っているものをこの1年ぐらいでできるだけ集めて、支援対象各校の倉庫に一クラス分が収納され、いつでも授業で活用できるようにできたらと思います。

(大友)


2017-7-29 日本

7月15日TAAA講演会レポート


 2017年7月15日(土)、市ヶ谷の「JICA地球ひろば」でTAAA講演会が開催されました。 日差しが厳しい中、初めての方も含め、17名の方に参加いただきました。2時間という限られた時間の中、 内容は、久我さん(代表)による挨拶、平林さん(南アフリカ事務所代表)による菜園支援活動事業の報告、津山カヤさんによる現地ボランティア報告、 平林さんによる学校図書支援活動事業の報告、質疑応答と自己紹介という流れで行い、盛りだくさんでしたがアットホームな雰囲気の会となりました。

 菜園支援活動事業は「JICA草の根技術協力事業」として実施していますが、 現在のプロジェクトははからずもこの日でちょうど1年の節目を迎えました。 2月には農業塾の開校式典を行い、講義室・図書室などからなるリソースセンターも立ち上がりました。 また、トレーニングコースが開催され、今までに過去4回実施し、64名の卒業者を輩出しています。 学校の生徒たちがこのコースを選択することで、自信をつけたり、就職など次のステップにつながっているようです。 活動全般については、自主的に継続するところが出てくるとともに、保育園での活動など新たな取り組みという広がりも出てきています。



 学校図書支援活動事業は「外務省 日本NGO連携無償資金協力」、「ひろしま・祈りの石国際協力交流財団」の支援を受けて30校にて実施しています。 同じ本がたくさんある場合はまとめておき、学校訪問の際に持っていくことで、1人1冊ずつ貸し出し、一緒に授業を行うことが可能となっています。 また、本に加えて算数セットも好評で、メーカー別にして配付しています。先生と使い方について検討するとともに、 州教育省にもアドバイスをもらっています。さらに、ICTの支援も順調で、1校あたり約2台(1台は生徒用、もう1台は指導者用)のPCを設置して進めています。



 平林さんの講演の間に行われた津山カヤさんの報告は大変コンパクトにまとまっており、平林さんとはまた異なる視点での感想・報告になっていました。図書については かなりの本が届けられている一方、整理整頓など運営には学校によって課題があること、サッカーを通じて言葉の壁を越えたつながりを持つことができ、運動する大切さ も理解できることなど、示唆に富むものでした。

 講演会は今後も毎年定期的に開催していく予定です。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。今回予定が合わなかった方も、次回お会いできることを楽しみ にしております。今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。

(丸岡)


2017-7-20 南アフリカ

南アフリカでTAAAのボランティア活動に参加して得たこと


 私は、2017年2月に「トビタテ!留学JAPAN高校生」の国際ボランティアで、南アフリカに行き、3週間TAAAの活動に参加しました。それはこれまで自分が知らなかった南アフリカの農村地域の現実を知り、TAAAのスタッフや学校の先生・生徒とかけがえのない時間を持つことができた経験でした。そして、日本と南アフリカのつながりを知り、その両方にルーツを持つ私には、本当にうれしいことでした。長年にわたり、たくさんの人の努力で築いてきた信頼関係の深さを感じました。

 TAAAでは、日本から届いたたくさんの本、サッカーボール、ユニフォームを整理し、学校に届けることをしました。TAAAスタッフのモンドレさんと毎日3~5校の学校を回り、「ブックボックス」を届け、図書室の様子を調べました。それらの学校は、自分が知っている日本やジョハネスバーグの学校のように設備が整っているわけではありませんが、先生と話したり、図書室をみて、子どもたちのために学校をよくしようとどれほどみんなががんばっているかがわかりました。その一方で本の数が足りないという問題もまだ大きいようでした。



 東京で浅見さんと一緒に受け取りに行ったアメリカンスクールの本も、無事に学校に届けられ、本だけでなく、本を大事にする両方の気持ちがつながっていることを感じました。本を読み自分を高めていこうとする子どもたちもたくさんいて、自分が学ぶことも多くありました。

 私は南アフリカで生まれ、10歳までジョハネスバーグに住んでいました。その後、日本に来て、東京の公立学校に通い、今年3月に高校を卒業しました。ジョハネスバーグと東京も大きな違いがありますが、ジョハネスバーグとTAAAの活動する地域は同じ国でも全く違っていて、アパルトヘイトがあったことの影響が残っていることや、勉強やスポーツをする環境の格差の深刻さを目の当たりにしたことのショックは大きかったです。

 サッカープログラムでは、まず全部のボールに空気を入れ、ユニフォームを整理し、トレーニングの内容を考えました。サッカーは私も大好きで、ずっとプレーしてきたので、とても楽しみにしていたのですが、思っていた以上に楽しく充実した時間でした。子どもたちの話すのはズールー語なのでわからないこともありましたが、サッカーをやっている時は言葉の壁も感じず、あっという間に時間が過ぎていきました。サッカーをするような平らな場所がなく、でこぼこの斜面でサッカーを している学校もありました。そして、そのように劣悪のコンディションでも、みんなが一生懸命練習し、うまいです。何より本当にサッカーが好きで、みんな生き生きとプレーしていました。他にスポーツ施設や道具もない地域で、サッカーの果たす役割は、日本で考えるよりずっと大きいです。ボールやユニフォームがまだまだ足りないので、これからも日本で集めて、支援していければと思います。練習メニューを教えたり、一緒にプレーしたことは自分にとってとても貴重な経験でした。



 また、ダーバンで、サンディレさんが活動しているNGOで、「ストレートチルドレンではなくサーファーだ!」の活動にも参加し、サーフィンの大会の準備をしたり、子どもたちの練習を手伝ったりしました。そこでは、また全く違った子どもたちがおかれている現実に気づかされ、その子どもたちのための活動の大切さを知りました。

 今回のボランティアを通して、平林さんやモンドレさん、他のTAAAのスタッフの方たち、サンディレさんや仲間の人たちが活動する姿をみて、一緒に行動し、いろいろなことを話せたことは、南アフリカのことを理解したり、これから自分がどう生きていくかを考える上でも、本当にたくさんのことを得ることができました。この機会を与えてもらえたことに感謝し、南アフリカと日本の両方にルーツを持つ自分として、これからも自分のできることを考え、行動していきたいと思います。日本では、AJFのアフリカンキッズクラブでも活動し、アフリカにルーツを持ち日本に住む子どもたちのためにイベントを行ったり、自分たちの気持ちを発信したりしています。その活動の中でも、今回のボランティアの経験について話し、他の子たちにも自分がルーツを持つ国に行くことを勧めたいと思います。その国の人々と過ごし、社会や生活を知ることで、自分のもう一つのルーツを理解し、好きになり、自分にもっと自信が持てると思います。

(津山家野)


2017-5-31 南アフリカ

地元文化を醸し出す生徒たちの図書活動


2016年度の学校図書支援活動を振り返ると、教師の異動や図書室のスペース不足によって活動が停滞した学校もありましたが、「全体的に生徒主導の図書委員活動がしっかり根付き、それぞれの学校のやり方で発展してきた年度だったな」という実感があります。 ほとんどの学校に図書室や図書コーナーができ図書環境が整ったことや、校長、先生、生徒と学校全体で学校図書の大切さを認識してきたことが、委員会生徒たちのイキイキとした活動を後押ししたのだと思います。

ジュニアプライマリ以外の多くの学校では、図書委員会生徒たちが、朝会や休み時間に全校生徒へ本の紹介や本の読み聞かせを行うようになりました。 特に高校での図書委員会生徒たちのリーダーシップは頼もしく、たとえ司書教師が不在や多忙でも、またはやる気が足りなくても、図書委員会生徒たちだけで活動が継続できるようになりました。なかには、ディベートやプレゼンテーションなどのアクティビティを生徒たちが自主的に企画した高校や、「今後は生徒対象の司書研修をしてください」と司書教師から依頼があった高校もありました。

昨年度末に対象校30校(プライマリ16校、セカンダリ・高校14校)の司書教師にアンケート調査を行いました。アンケート項目の一つが「図書委員会生徒の役割と活動内容」でしたが、回答をみると、本の貸し出しや図書室の整理整頓などの管理・運営活動だけでなく、他の生徒に積極的に読書を推奨したり、積極的に音読やリーディングコンテストなどのアクティビティをしている学校が多いことが分かりました。

特にアクティビティのなかに、ドラマ、ストーリーテリング、クイズなど、地元の伝統文化や娯楽文化を取り入れた活動があったのが印象的でした。日常生活のなかに歌や踊りがある地域です。私自身、生徒たちの図書活動の成果発表を何回も披露してもらったことがありますが、小学校低学年の音読も棒読みではなく、引きつけられるジェスチャーをまじえたリズム感あふれるものだったり、歌やドラマ仕立てで一冊の本を皆で暗誦したりと、学校視察ではなく、「ここは劇場かしら」と錯覚に陥ることがしばしばありました。

生徒たちの活動が浸透するにつれて、自然と地元の豊かな文化が学校図書活動に反映されてきているような気がします。もしかしたら、この地域独自の学校図書文化が育まれる過程にいるのかもしれません。このプロセスはとても興味深く、大切にしていきたいと思います。

(久我)


2017-4-29 南アフリカ

先行プロジェクト卒業生菜園グループと繋がって


2016年1月に終了した先行プロジェクト(JICA草の根技術協力事業「学校を拠点とした有機農業促進モデル地域作り」)では40校の学校菜園の他に4つの卒業生菜園グループを支援してきました。3月の視察訪問で私が一番嬉しかったことは、4つの卒業生グループを訪問し、すべてのグループが活動を継続していることを確認できたことです。彼らが自立して有機農業を続けていることは、対象地域における有機農業の可能性を物語っているといえるでしょう。

仲良しの若い女性たちが率いるトゥルベケ小卒業生グループは、各自家庭菜園をしながら、小学校敷地内のグループ菜園も地道に継続し、地元住民や青空マーケットで余剰作物を販売しています。

インプレメロ・グループはそれぞれの家庭で畑作りをし、リーダーのロンディは地域内で販売も行っています。沿岸地域で土壌があまりよくないため、換金用の作物は、タマネギとホウレン草に特化していました。 インプレメロ小学校の卒業生であるロンディは3人の子のシングルマザーで、畑仕事の他はほとんど仕事をしていません。「野菜の売り上げは生活にとても役に立っている」といいますが、比較的都心に近いこの地域の問題は、牛糞不足です。彼女の菜園を訪れるやいなや、TAAA菜園スタッフのボングムーサは早速畑の状態を確認しアドバイスを行いました。 ロンディからは、美味しいサツマイモをお土産に頂きました。

ロゼッタンヴィル・グループは、様々な理由で一度活動が途絶えましたが、今年の1月に再開していました。「子ども達にいいものを残したい」を強調するリーダーのワイズマンは、地元の給食配給業者に健康によい安心な有機野菜を卸すことを目指しています。

活動、販売量ともにダントツなのは、なんといってもムタルメ・グループです。ムタルメ小学校敷地内で、一人畑を守ってきたリーダーのンギディ氏は、今は農業塾内で自分自身の畑作りの他に、コース参加生徒への指導も行い、現行プロジェクトでも大活躍をしています。また、青空市場やクリニックなどで精力的な販売活動も行い、地元では野菜作りの有名人になっていました。 年金支給日にできる青空マーケットでは、少し前までは、缶詰など保存食がほとんどだったのですが、ンギディ氏の影響もあり、今でも新鮮な野菜や果物も並ぶようになりました。

地元でイキイキと自活生活をしている大人が圧倒的に少ない対象地域では、ンギディ氏をはじめ卒業生グループたちは、失業中の若者たちに希望を与える大きな存在になりつつあります。 4つのグループすべては、今年度に有機農業塾で始まる上級コースへの参加を希望していますが、これからも彼らとしっかりと繋がっていくことが、人を育てながら農村作りを目指す現行プロジェクトの根付きに繋がるのだと、改めて思いました。

(久我)


2017-3-29 南アフリカ

バンギビーゾ小学校訪問


3月10日~18日まで、現地のプロジェクト・サイトを訪問しました。今回の訪問の主目的は、JICA草の根技術協力事業「有機農業塾を拠点とした農村作り」の進捗状況のモニタリングでしたが、図書事業対象校のバンギビーゾ小学校にも訪問する機会がありました。

有能な司書教師であるザマ先生のがんばりで、活発な図書活動をしていたバンギビーゾ小学校ですが、新入生が増え続けた結果、深刻なスペース不足となり図書室として使っていた部屋を教室として使うことになり、図書室がなくなってしました。 このため、昨年の春、(一財)ひろしま・祈りの石国際教育交流財団様から助成金をいただき、コンテナ図書室を寄贈しました。

小学校の敷地に入ると、すぐ目についたのは、そのコンテナ図書室でした。休み時間に生徒達が時間に自由に出入りできるように、ドアが開いていました。「学校の中心は図書室」といった存在感です。

中に入ると、小学生が魅了されるようなステキなデザインが施されていました。
本棚の上には日本からの算数セットが置かれていました。 子供たちが座って本が読めるように、椅子とテーブルのコーナーもあります。

現地図書スタッフのモンドリと一緒に、改めて算数セットの使い方を先生たちに詳しく説明しました。 南アの学校では、小学校4年からすべての教科が英語で行われます。それまでに英語と算数がついていけてないと、ここで大きくつまずいてしまいます。実際にそういう生徒がとても多く、小学校の先生たちは頭をかかえています。
日本で多くの方々から中古の算数セットを寄付していただいているお陰で、この小学校には3年生の算数の授業で、一人一人に算数セットを配ることできるようになりました。基礎的な計算力を身につける上で画期的なツールとなるでしょう。

先生たちとのミーティングが終わると、数人の生徒たちが部屋に入ってきて、音読を披露してくれました。大勢の聴衆の前に立つ舞台俳優のように、大きな響く声で正々堂々とした発表ぶりです。「バンギビーゾ小出身の生徒は、上級生より英語力がある」と、進学先の高校の先生がいっていましたが、それを裏付けるかのような音読発表でした。
私達は、大勢の聴衆になったつもりで、先生たちにも生徒たちにも惜しみない拍手を贈りました。

(久我)


2017-2-27 南アフリカ

有機農業塾の開校式典


2016年7月にJICA草の根技術協力事業として開設した有機農業塾は、2回の基礎コースが終わり、41名の卒業生を輩出し、現在3回目のコースが行われて18名が受講中です。

この度、JICA東京国際センターの佐々木所長と服部氏が事業モニタリング調査としてプロジェクトサイトを訪問していただき、ご訪問中の2月14日に、有機農業塾の開校式典を行いました。
当日はコロコロ地域のインコシ(チーフ)であるンザマ氏、各地区のリーダーであるインドゥナ各氏が参加くださり、また、カウンターパート団体である州経済開発・観光・環境省、州教育省、州農業省の代表者、および地域NGOウルドのメンバーの出席があり、それぞれ事業への感謝と協力を表明しました。
また、ゲストスピーカーとして、有機農業指導者であり、エナレニ農場経営のリチャード・ヘイグ氏が激励の言葉をくれました。



日本側からはJICA東京国際センターの佐々木所長と服部氏、JICA南アフリカ事務所の木野本所長と水野氏、在南ア日本大使館から菱沼書記官が出席くださり、参加者へのあたたかいメッセージをいただきました。 菱沼書記官のズールー語でのスピーチには、出席者はみな感動していました。

最後にTAAAからプロジェクトマネージャーの平林が出席してくださった方々への感謝の辞を述べました。式典の途中、ムタルメ小学校およびムタルメ高校の生徒が歌や踊りを披露。また、州教育省ムタルメ学区マネージャーのクル氏からTAAAおよびJICAへの感謝状が授与されました。式典終了後、校舎の壁に設置したプレートの除幕式を行いました。
現地のカウンターパートとスタッフが短期間で力を合わせて準備をし、また、ゲストの皆さまからたくさんのあたたかいメッセージをいただいたお陰で、式典は盛会に終わりました。

皆さまが大変お忙しい中、遠くから開校式に出席くださったことは、カウンターパート団体関係者、地域住民、農業塾卒業生や受講生、TAAAスタッフにとって大きなモチベーションとなりました。ありがとうございました。

(TAAA南ア事務所 平林薫)


2017-01-15 南アフリカ

保育園で菜園活動が始まりました


昨年の7月から始まったJICA草の根技術協力事業「有機農村塾を拠点とした農村作り」では、地元の5カ所の保育園も指導対象にしています。
昨年秋に、基本的な農具、種、苗を配布し、それぞれの園内に小さな菜園ができました。

園児たちは、土壌作りから関わりました。小さな手で農具を持ち、一生懸命やりました。やさしいTAAAの指導員のお兄さんと保育園の先生たちに支えられて、種まきや水やりが上手になってきています。
「僕にも種ちょうだい」「どんな野菜ができるのかな」毎日ワクワクしながら楽しく学んでいます。

先行の学校菜園プロジェクトでは、小学校で菜園活動にかかわってきた生徒が、中学校や高校で継続して菜園活動を行い、実力を発揮する姿が見られました。
彼ら「菜園男子」「菜園女子」たちは、学校の菜園委員会を盛り上げるだけでなく、家に帰れば家庭菜園も始めて、お母さんやおばあさん、近所のおじさんやおばさんに有機農業を紹介するなど、プロジェクトリーダー的存在になっていきました。
このような菜園生徒の一部は、卒業後、有機農業を将来の仕事として真剣に考え、現在、有機農業塾“MATS”で菜園技術と知識を高めています。

その一方で、今まで土いじりをしたことがなく高校生になって初めて菜園活動を始めた生徒のなかには、最後まで農業になじめず積極的に取り組まなかった生徒もいました。

「畑仕事は男がやるものではない」「家庭菜園はおばあちゃんの仕事」と、小規模な農業に関して偏見やネガティブなイメージが残っているこの地域では、固定観念のない年少児の頃から、男の子と女の子が一緒に土地いじりに馴染ませて楽しみながら菜園活動を行うことが大切です。また、幼児の栄養改善の面からも保育園での野菜作りはとても有意義です。

自由時間の多い保育園は、楽しく菜園活動をする時間がたっぷりあります。菜園で遊びながら、たくさん学んでたくさん栄養も採っていってほしいです。かれら小さな菜園男子・女子たちが卒園して小学生になったら、地元の学校菜園をどんどん盛り上げていってくれることでしょう。そう願っています。

(平林、久我)


2016-12-21 日本

今年最後の作業と忘年会&ミニ報告会


12月作業報告 (横山晃祐) 年内最後の作業日となった17日は天気にも恵まれ本の仕分け作業と事務所の掃除、その後はささやかな忘年会と平林さんによる現地報告会と盛りだくさんの内容でした。

津山さんの息子さんのカヤ君(来年の1月から南アフリカに出発)と現地から到着された平林さん。更には浦和学院から初のリピーターである川上君に加えて久我さん、野田さん、大友さん、浅見さん、丸岡さん、横山で作業を開始。直後にアフリカ日本協議会(AJF)の横田事務局長にもお越しいただき総勢10人の大所帯となりました。

年内の出荷作業は完了しているため仕分け作業は簡単に。裏で報告会用にPCとプロジェクターの準備をするも肝心の接続用コードがないという一幕も。。。

作業後には忘年会の買い出しでロジャースへ。巨大なスーパーでカヤ君ややハイテンション。お寿司を見つけて平林さんもご満悦。接続用コードも無事に丸岡さんが調達してくれました。

午後から鍋を囲んで忘年会を開始。晴れとはいえ肌寒い日が続いているだけにとても温まりました。横田さんからAJFの今後について今までよりも団体同士の繋がりを強化していきたいとの言葉もありました。 浦和学院は1学年2800人いることに衝撃を受けるカヤ君。駐輪場はどうなっているのだろう?との疑問も。確かに。ストリートビューで調べてみよう。
野田さんからはTAAAの歴史のさわりをご教授いただきました。
来年はワインオープナーを持参したいと思います!

満腹になった後は平林さんによる現地の報告会。農業塾の方々、本を受け取った子供達。皆生き生きとしていて何よりも笑顔がとても素敵でした!シャッターチャンスを逃さない平林さんの腕前にも感服です。

かなり盛りだくさんになった17日。とても楽しく、時間が経つのもあっという間でした。カヤ君来年の南ア渡航楽しんで!
皆様も今年の作業大変お疲れさまでした。寒い日が続きますので風邪にはお気をつけ下さい。また来年もよろしくお願いいたします!

横山 晃祐


2016-11-29 南アフリカ

生徒たちが教え合うパソコン教育


 2016年3月に始まった外務省NGO連携無償資金協力事業「ウムズンベ自治区の学生の経済・社会参加に向けた学力向上と基礎技能習得」では、英語教育だけでなく、高校生対象に基礎的なIT教育を行っています。 高校10校の図書室にノートパソコンとプリンターを1セットを設置し、現地パソコン指導員が巡回指導をしています。

 南アフリカの社会では、仕事だけでなく生活の様々な場で簡単なパソコン操作技術が必要とされています。 求職や進学の申請書にも、手書きではなくタイピングされた履歴書が求められます。対象地域のような遠隔地の若者たちは、家にも学校でもパソコンに触れる機会がないため、就職や進学において、申請時点で不利な立場に立たされます。ここをなんとかクリアして進学や就職ができた優秀な若者も、パソコン基礎技術の不足によって、職場や学校で、都心部の若者と比べて、大きな遅れをとってしまっています。
 また、対象地域は、テレビや新聞の普及率が低いため、都心部の若者との著しい情報格差があります。学校に1台パソコンを導入するだけで、高校生の情報量は飛躍的に増えます。

 パソコン指導員のクラニさんは地元出身の若者で、ここの生徒達が社会に出たときのハンディを熟知しているため、日々精力的に指導をしています。 1校につきパソコン1台では限界はありますが、紙にキーボードを描いてタイピングの練習をさせたり、先に指導を受けた生徒たちが他の生徒を指導するなど工夫しながら進めています。

 事業終了後は、パソコン指導員がいなくても、自分たちの力でパソコン教育を続けていけるようにしなければなりません。資金、人材、管理体制、スペースなどあらゆる面でキャパシティが乏しい対象校では、パソコン教育を図書活動の一環として組み込み、図書室で図書委員会生徒たちが中心に行っていくことが、無理なく続けていける形ではないかと考えています。 このために、今クラニさんは、司書教師と図書委員会生徒たちが他の生徒に指導できるレベルになるまで、彼らの操作技術と指導力を磨くことに注力してくれています。

(久我)


2016-10-24 南アフリカ

地域住民のための有機農業塾“MOATS”


7月15日にJICA草の根技術協力事業「有機農業塾を拠点とする農村作り」が始まり、TAAAの支援対象校であるムタルメ小学校の敷地内に有機農業塾ができました。塾の英語名は“MTHWALUME(ムタルメ)ORGANIC AGRICULTURAL TRAINING SCHOOL”で、“MOATS(モアッツ)”の愛称で地域に知れ渡るようになってきました。 農業指導員は、知識と経験のあるシニアファシリテーターのムファナ、先行事業で農業指導員だったボングムーサ、農業塾のすぐ近くに住む地元の若者ムコリシに決まり、3人が協力してコースの内容や期間の決定、マニュアル作成等の準備をしました。

農業塾の生徒募集用にフライヤーを作成し、指導員たちが地域の病院や学校を回って張り出したり、手渡しをした結果、第1回コースには、27名の若者が登録しました。
最近、地域の若者の間で「自分たちの手で何かを始めなければならない」という意識が高まってきていることに加えて、先行事業で地域内の学校ベースに有機農業を指導した結果、生徒家庭に野菜作りが普及したことが、積極的な参加につながったのだと考えています。

27名中男性は9名と圧倒的に女性の参加が多いのですが、「菜園はおばあちゃんの仕事。男がやるものではない」といった偏見がいまだに残っているこの地域で、若い男性が有機農業を将来の仕事としてとらえて真剣に勉強し、活動している姿はとても頼もしい! 男性メンバーの1人は、先行の学校菜園事業で菜園委員会メンバーとして活動していた卒業生でした。卒業後に進学も就職もできず、有機農業を仕事にしたいと考えていたところに“MOATS”の話を聞いたとのこと。

コースが進むうちに、授業で学んだことを家庭で実践し始め、家庭菜園を始めた生徒も出てきました。 また、ある女性メンバーは「畑作りをしながら収穫物を利用したケータリングがしたい」という将来の夢を語り始めました。協同組合設立の計画を始めるグループも出てきました。

9月は春で植樹の時期だったので、実践授業としてバナナの木を10本植えました。木が育ってバナナがたわわに実る頃、MOATSの第一回コース生たちは、MOATSで学んだことを生かして、彼ら自身の畑から、日々の生活から、どのような収穫を得ているのでしょうか。今からとても楽しみです。

(平林、久我編集)


2016-09-21 南アフリカ

「ブックボックス」大活躍!


現地で8年間も活動し学校図書活動の基盤を作ってくれた移動図書館車「イテンバ号(希望号)」が、とうとうリタイヤする時期にさしかかっています。 今まで、故障につぐ故障にも負けずに、なんとか修理を重ねてがんばってもらいました。リタイア後は、適切な場所で、固定図書館として活躍してもらうことを計画しています。

代わりに登場したの「ブックボックス」です。学校のレベルや需要に合わせた本をクリアボックスに容れて、一定期間各校に貸し出して、対象校間を巡回していきます。 ただ貸し出すだけではなく、返却時には、本を借りた生徒からブックレビューを提出してもらうことを義務づけています。 読解力だけではなく、書く力も養っていくのが狙いです。 ブックレビューは、低学年は文字よりも絵が中心のカードですが、高学年となると、レポート用紙数枚にしっかりとしたあらすじや感想文を書いてもらいます。 今年度から本格的に始めましたが、驚くことに、レビューの提出率はほぼ100%です。 これは、移動図書館車による長年の巡回貸し出しにより、いかに彼らが図書に慣れ親しみ読書習慣が身についたかを物語っていると思います。 この基盤があったからこそ、すんなりと移動図書館からブックボックスへと貸し出し方法を移行できたのです。

ブックボックスは、学校図書室の一角に置かれ、各校の蔵書不足を補っています。学校図書室の貸し出し記録とは別に、ブックボックス専用の貸し出しノートがあり、TAAAの図書スタッフは返却時にチェックします。 「今度はどんな本が来るのかな」 定期的に入れ替わるブックボックスは、大人気になりました。

支援方法としてのブックボックスの魅力は何でしょうか。それは低コストで簡素なので、現地の人たちが「これなら自分たちでもできる」と思ってもらえること。 教育省図書部門担当者に紹介したところ、「これは、お金がかからないいいアイデアだ」と感心してくれました。

移動図書館車からブックボックスへの移行は、対象地域におけるTAAAの現地の関わり方の移行ともいえるでしょう。 現地の人たちが自分たちの力でコストをかけずに創意工夫でできるやり方を、彼らと一緒に考えていく。そういう協力が、これからの私たちの役割になっていくのだと思いました。 ここを焦らずにしっかりやっていきたいと思います。

(久我)


2016-09-07 南アフリカ

読書文化が育ってきた


猛暑の日本から逃げるように、8月20日から28日まで、南アフリカへ視察訪問に行ってきました。
今回の訪問で実感したことは、学校の図書活動が根付き、それに伴って、確実に読書習慣が根付いてきていることです。対象学区全般において「学校図書室を拠点に読書文化が着実に育ってきた」といっても言い過ぎではないでしょう。

対象校間で、図書活動に対する理解とサポート、司書教師の熱意や力量に差があり、図書活動が遅れ気味の学校もありますが、すくなくともどの学校も「学校に図書室や図書コーナーがあって、本はいつでも手に取ることができる」状態になりました。まだまだ蔵書も図書環境も不十分ですが、TAAAが対象地域に入る数年前の「本といえば教科書だけで、読書のための本が一冊もない状態」からは大きな進展といえるでしょう。

2013年から支援を始めたカンヤ高校をアポなしで訪問しました。 昨年、高校卒業試験の合格率を前年から21%も引き上げた高校です。
コンテナ図書室を訪問すると、3名の生徒が黙々と読書をしていました。図書委員会の生徒たちです。「彼らは休み時間になるといつも図書室にきて、本を読んでいるの」と図書担当の先生は「いつも」を強調しました。 私の突然の訪問にも気づかないほど集中ぶりです。こういう本の虫の生徒たちや勉強に参考書が必要な生徒たちのために、この学校は土日にも校長先生がきて、図書室を利用したい生徒たちに鍵を渡しているそうです。

ゲームもテレビもない地域です。あれこれと楽しいことがありすぎて、読書だけに集中していられない都市部の生徒たちよりも、ここの読書好きな生徒たちの方が読書量が多いかもしれません。

私がそう思っていると「やさしい英語の本が少ないことが悩みの種です。優秀な生徒たちはどんどん自分で難しい本を読んでいける。でも、読解力に遅れのある生徒たちは、図書室に来ません。彼らが読書好きになるように、小学生用の易しい英語の本がほしいです」と先生にいわれました。
こういう生徒思いのすばらしい図書担当教師がいるからこそ、この地域で着実に読書文化が育っているのだな、と改めて思いました。 あとで、TAAA図書スタッフから、この図書担当教師も「いつも」コンテナ図書室にいることを知りました。

(久我)


2016-07-31南アフリカ

有機農業塾を拠点とする農村作り

  7月18日に、JICA草の根技術協力事業「有機農業塾を拠点とする農村作り」が実質的に始まりました。この日は故マンデラ氏の誕生日で、南アでは彼が67年かけて自由を勝ち取ったことから「67分何らかのボランティアをしよう」という呼びかけがありました。 私たちはちょうど事業地であるムタルメ小学校を訪問したので、敷地内のゴミ拾いを行いました。 こうして新規事業は、「名誉ある67分ボランティア」でキックオフとなりました。

 2016年1月に終了した先行事業「学校を拠点とした有機農業促進のモデル地域作り」では、地域の環境に合った有機農業を学校菜園を中心に促進してきました。その結果、学校菜園活動は定着し、生徒のなかには家庭菜園を始める子供や、卒業後に就農を目指す若者が育ち、彼らが牽引役となって、学校から地域へと有機農業を普及してくれました。 
 しかし、基礎技術をしっかり学んだ生徒たちを将来の有機農業リーダーとして育成していくためは、学校を拠点とした指導には限界がでてきました。長い休暇期間には学校が閉鎖されるため、彼らを指導することができませんし、学校のある日も指導をする時間はどうしても制約されます。
 また菜園をより広く地域社会に普及して地域の食糧自給率を上げるためには、活動拠点を学校から、地域に開かれた「学びの場」に移し、様々な年齢層の住民への指導が必要になってきました。 

 2年9ヶ月間の現行事業「有機農業塾を拠点とする農村作り」では、対象校の一つであるムタルメ小学校の敷地内に有機農業塾を設立(使われなくなった教室を改装)し、そこを拠点に生徒や保護者を含めた幅広い年齢層の住民を育てながら農村作りを目指していきます。 学校の休暇中は、いくつかの学校から学ぶ意欲の高い生徒たちが集まって、本格的な技術指導を受けられるようにします。また、家庭菜園を始めたい住民のグループには、農業塾から指導者を派遣して指導を行っていきます。 皆様からの暖かいご支援、ご協力をどうぞよろしくお願い致します。

(平林、編集:久我)


2016-06-22 日本

浦和学院高校の生徒さんと作業

TAAA事務局の野田千香子です。
昨日は、浦和学院高校から大勢の生徒さんがボランティアで 手伝いに来てくださると、安達先生からご連絡御受けていました。

TAAAは成立してから24年、かつて若かった私たちも1年1年、 当たり前のことですが、歳を重ねていきます。きょう、見える生徒さんは 高校3年生。TAAAが南アに英語の本を送り始めた時から数年経って 生まれた方ばかりです。

TAAAの中でも大きい人と思っていた丸岡さんも小柄に見えるくらい、背も 体格も立派な男女9人の方々が正確に10時に入って来られ、作業場はいっぱいにりました。
丸岡さんから作業の手順を説明してもらい、さっそく仕事に掛かっていただく。 数人の生徒さんには交代で隣の部屋で、「ぐりとぐら」の絵本に現地語(ズールー)の ラベル貼を西村さんの指導で行なっていただきました。 

柔道部から見えた 体力のある生徒さんには、隣の倉庫から、山のような段ボールを作業場へ 運び込む仕事をお願いしました。 「柔道部の練習よりきついなあ」・・。

皆さんがせっせと働いてくださり、昼近くには、新段ボールが底をついてしまった。 作業場の半分くらいを天井近くまで高々と積まれた輸送用ラベルを貼り終えた段ボールの山を 背景に記念撮影。

南アに住んで現地の活動のコーディネーターをしている平林薫さんが一時帰国していて 作業に参加。最後の10分間、平林さんを囲んで南アの特徴や現地の学校の図書活動について お話を聞きました。

午前の作業に参加したTAAAスタッフは、丸岡、大友、野田、浅見、西村。 午後はTAAAの総会。参加者は、久我、浅見、丸岡、大友、平林、野田、高野、茂住。

浦和学院高校の皆さん、ありがとうございました。

(野田)


2016-06-16 日本

6月4日TAAA講演会レポート②


休憩の後は、JICA青年海外協力隊として南アフリカに渡り、ムプマランガ州の保育園にTAAAの絵本を寄贈してくださった三浦さんにご挨拶をいただきました。スライドも数枚用意していただき、ご自身の南アでの活動と、絵本を手にして喜ぶ子どもたちの写真をみせてくださいました。

第二部は図書支援についてです。現在は43校を対象としており、3月まではボランティア貯金に支援いただいて活動を展開し、それ以降は外務省の日本NGO連携無償資金協力で現在も実施中です。

従来、移動図書館車をフル活用してきましたが、だいぶ古くなってきたため故障がちであり、修理しながらの運営は限界に近付いています。また、学校側も移動図書館車だけだとそれに依存がちとなってしまいます。したがって、移動図書館車による活動は3月末でいったん終了し、4月からは学校への本の寄贈と図書指導に力を入れています。

日本で集められた英語の本は、商船三井さんの支援で毎年1回南アフリカへおくられます。前回は昨年10月に届き、おかげさまで特に高校生向けの本はだいぶ充実してきました。しかしながら、小学生向けの本が不足しており、今後も比較的易しい英語の本を増やしていきたいと考えています。現地では、小学校4年生までズールー語で授業をしていますが、シニアプライマリーの5~7年生は英語になるため、ちょうどこの学年の本が求められています。

また、今年の新しい取り組みとして、10校のセカンダリースクールを対象に、ラップトップPCを1台ずつ配付し、IT支援を行っています。先生による生徒への授業の内容としては、PCの基本的な使い方、マイクロソフトのWord、Excelの使用方法、インターネットなどになります。生徒1人1人にPCを配付する余裕はありませんが、私たちの支援としては、物をあげれば良いということではなく、1つのモデルや仕組を提供することで、あとは現地で実行・横展開できることをねらっています。

なお、スポーツ支援につては、できる範囲でサッカーボールの提供を行っています。体育の授業がないので、生徒たちは休み時間や放課後に活き活きとサッカーを楽しんでいます。これは、菜園支援による給食の提供と同様、生徒たちが学校へ通うモチベ―ションにもなっているため、今後も継続していきたいと考えています。

質疑応答も含めて3時間すべて南アフリカづくしの時間となりました。ご来場くださった皆様、ありがとうございました。今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。

(丸岡晶)


2016-06-10 日本

6月4日TAAA講演会レポート①


6月4日(土)13:30~16:30、さいたま市の武蔵浦和コミュニティセンターにて、TAAA講演会が開催されました。今回は平林薫・南アフリカ事務所代表が「南アフリカの現状と学校・コミュニティー支援の状況について」というタイトルで、多数のスライドや写真を用いて講演いたしました。

最初に浅見会長から、TAAAの事業が近年でもっとも充実している旨の挨拶があった後、第一部は平林さんから菜園支援に関して話が進められました。
TAAAの事業は、クワズールーナタール州ウグ郡ムタルメ・トゥートン学区の小学校~高校の40校で展開されています。この地域は失業率が50%以上と高く、学校・地域で技術習得の機会が少ない状況です。また、困窮家庭が多いことから十分な食事をとれていない生徒が多く、歴史的背景から農業が活発ではありません。

このような状況の中、TAAAは「ウグ郡内に有機農業が定着・発展することで地域が活性化され、住民が地域内で自活できるようにする」という上位目標をかかげ、プロジェクト目標、各種指標に落とし込み、菜園支援活動を展開してまいりました。

その結果、アウトプットとしては以下6つを出すことができています。
1.対象校における菜園委員会の設立
2.対象校から保護者家庭への有機菜園活動普及の基盤作り
3.有機菜園活動普及へ向けた人材育成
4.卒業生グループと学校・地域との協力体制 確立とメンバーの経験・スキルの向上
5.学校間のネットワーク構築
6.事業対象者とカウンターパートの協力体制確立

これらの事業を通じて、持続性の観点から対象地域には有機農業が最適であることがわかりました。有機農業は食糧保障となり、自分の手で育てた作物を食べる喜びにもつながっています。また、菜園委員会という仕組み・システムづくりをすること、学校教育の一環として農業を指導すること、できるだけ早い時期に身につけて継続 することがポイントであると整理できました。

(丸岡晶)


2016-05-20 南アフリカ

小4の壁を乗り越えよう!


南アフリカでは、小学校4年から全ての教科の授業が英語で行われます。このため低学年のうちに英語の基礎力が身についてないと、その後の学力の積み重ねができなくなってしまいます。「小4の壁」問題です。

母語が英語でなく日常において英語を使うことのない地方の子供たちへは、この小4の壁を乗り越えるために、本来ならば特別なバイリンガル教育が施されてしかるべきです。
しかし、私たちの対象学区のように、予算不足のなか、特別支援はおろか、教材も英語教師も不足している環境下では、多くの生徒たちが、英語の基礎力がないまま小4に進み、その後の授業についていけない状況におちいっています。
日常会話が英語の都市部の生徒たちとの低学年での英語力格差は、その後の著しい学力格差につながります。そして、学力格差は、将来の希望格差、収入格差につながっていきます。

この状況を少しでも改善していくため、今年は、株式会社三井住友銀行様よりボランティア基金をいただき、低学年を対象とした「南アの子供たちの読書力を育むための学校図書支援活動」を5つの小学校で行っています。
基金により、学校にスペースがないため図書室を作れずに長年困り果てていたエシバニニ・ジュニアプライマリ(写真右)に、コンテナ図書室を寄贈することができました。また、絵本や低学年用の小説を5校に配布することができました。

図書環境改善だけでなく、小さいうちから読書習慣と英語力を育むために、TAAA図書スタッフや教師が本の読み聞かせをしたり、音読会をするなど、彼らが本とお友だちになる様々な活動を行っています。
各校で図書クラブも設立しました。今後は、高学年が低学年に本の読み聞かせをするなど、TAAAスタッフや教師の監督の下で、生徒どうしが教え合ったり励まし合える活動も始めていきます。
みんなで小4の壁を乗り越えていってほしい、そのためには先ずは本とお友だちになってほしいと願っています。

(久我)


2016-04-18 南アフリカ

ムプマランガ州保育園に絵本を届けました


この度、青年海外協力隊として南アフリカ共和国ムプマランガ州に派遣されていた三浦良祐さんから依頼があり、ムプマランガ州の小さな保育園に英語の絵本を 郵送しました。三浦さんからご報告をいただきましたので、ご紹介いたします。

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この度は突然のお願いであったにも関わらず、快く多くの本をご寄贈いただき誠にありがとうございました。お送りいただいた英語の絵本37冊を本日Hungani crecheという保育施設の子供たちに無事届けることができました。絵本に馴染みがない子供たちでしたが、皆興味深々に絵本を広げていました。

英語を習いたてのため、読解力がおぼつかないところもありますが、絵本を使って読み聞かせをできるようになったと、職員の方々も大変喜んでいます。本当はこの本がどれだけ活用されるか追って報告をしたいと考えていましたが、任期の都合で間もなく日本に帰国するため十分なモニタリングができないことをお許しください。

帰国した際には皆さまの活動について詳しいお話しをお聞かせいただけたらと存じます。また、南アフリカ共和国の地方の実情を知っている身として何かお力になれればと考えています。
簡単ではございますが、これを報告とさせていただきます。

寄付依頼者:三浦 良祐(青年海外協力隊 平成25年度4次隊 南アフリカ共和国派遣)
2014年4月より南アフリカ共和国に派遣され、現地NGOのThe WDB (Womens Development Businesses) Trustに配属。Mpumalanga(ムプマランガ)州のAcornhoek(アーコンフック)にあるオフィスを活動の拠点として、ITエンジニアとして現地業務をサポート。配属先のNGOでは貧困地域のコミュニティー支援を行うZenzeleプログラムを実施しており、住居、生活インフラ、家庭問題、教育支援など多岐にわたる課題を現地関係者と連携しながら解決している。(WDB website: http://wdbinvestments.co.za/)

寄贈先:Hungani Creche (フンガー二クレッチ)
Mpumalanga(ムプマランガ)州のCottondale(コテンデール)という村にある保育園で、3歳から6歳の子供が預けられています。Cottaondaleをはじめこの地域一帯には本屋がなく、周囲の学校にももちろん図書室はありません。WDBスタッフの一人がこの施設がある村で活動を行っており、昨年に園長先生と共に子供たち向けの図書室を作りたいと相談があり、南アフリカ協力隊員のOBより紹介いただいたTAAA野田様に本の寄贈をお願いした次第です。

寄贈日:2016年3月10日
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2016-03-13 南アフリカ

図書イベントを開催


 3月末に終了する国際ボランティア貯金寄附金配分事業「基礎教育支援のための学校図書室の配備と巡回指導」の一年間の集大成として、公共ホールで大きな図書イベントを開催しました。約100名の出席があり、各対象校生徒の発表は、詩や朗読、読書感想など様々で本当に素晴らしかったです。ドラマ仕立てで日頃の図書活動の成果を発表する学校もありました。

 ゲストスピーカーである州教育省図書情報部門(ELITS)のシズウェ・ンベレ氏はスピーチの中で、「日本の学校には必ず図書室があり、読書習慣をきっちりとつけることで教育の基礎ができ、それが国作りにつながっている。南ア政府も予算の問題があるとはいえ、何とかしてすべての学校に図書室を設置しなければならない」という話がありました。

 また、TAAAがこの地域の学校への支援を継続して行っていることに対して、「アフリカでは泥で家を建てるが、人々が力を合わせて少しずつ泥を塗って築き上げる。TAAAの活動は、私たちの家作りのために一緒に泥を塗ってくれているようなものだ」という印象的なスピーチ、「TAAAのサポーターの皆さんに、いただいた本は学校で有効に利用されており、皆感謝の気持ちでいっぱいです、と伝えてください」というメッセージをいただきました。

 対象校の図書委員会の活動や移動図書館の利用状況など総合的に判断して小学校トップ5校、中高校トップ3校を選び、イベントの最後に表彰式を行いました。
中高校の部1位はコンテナ図書室を寄贈したカンヤ高校です。活動開始当初は、図書室の存在意義を理解しておらず、寄贈したコンテナ図書室の本棚にいらなくなった古い教科書を積み重ねて倉庫状態にするなど、「どうなることやら」という場面も多々あったカンヤ高校でしたが、今では笑い話になっています。
 指導や研修を通して、司書教師も図書委員会生徒たちも大きく成長し他校の見本になるほど、しっかりした図書運営を行うまでになっています。コンテナ図書室は、放課後や休日も開放され、卒業試験を控えた12年生や地域住民にも利用されるようになりました。

 イベント会場の準備から開催まで図書スタッフ2名と菜園スタッフのボングムーサにヘルプを頼んで4人で行い、当日の司会はボングムーサにお願いしました。 彼は「やったことないけど・・・がんばってみます」と言い、結果的には完璧な司会をこなしました。
 本当に、地元の若い人たちの能力の高さに改めて感嘆しています。

(プロジェクトマネージャー 平林)


2016-02-17 南アフリカ

JICA菜園事業が終了しました


 2013年8月に開始したJICA草の根技術協力事業(草の根パートナー型)「学校を拠点とした有機農業促進のモデル地域作り」は2016年1月末に終了いたしました。 対象地域を2つの学区(ムタルメ学区とトゥートン学区)に限定し、2学区内の62校のうち、小学校から高校までの40校を対象校とし、学校以外にも学区内の4つのコミュニティー菜園グループも指導してきました。
 対象地域を限定したことから、訪問指導の頻度が高くなり、密度の濃い指導を行うことができ、教師、生徒、コミュニティーメンバーとの強い信頼関係を築くことができました。

 対象校40校には、菜園委員会を作り、引き継ぎを含めた活動システムを確立し、学校菜園活動が継続し根付いていくための運営基盤を整えました。全対象校生徒18,100人のうち2,060 人の生徒が菜園活動に参加しました。そのうち448人の生徒が家庭菜園を始め、 212人の保護者が学校菜園を手伝いなかで有機農業を学んでいきました。

 食糧自給率が低く子供たちが必要な栄養が取れていない地域で、微力ながら学校を拠点に生徒や保護者を通じて有機農業を普及できたことを嬉しく思っています。 生徒たちは、菜園委員会活動を通して、有機栽培の技術や知識だけでなく、帳簿付け、管理、協調性、リーダーシップなど、本当に多くのことを学び取っていきました。

 事業終了前に、対象校の校長や教師にアンケートやインタビューを行ったところ、以下のような多様なコメントがあり、改めて学校菜園事業が、学校や生徒達、そして地域に様々なインパクトを与えていたことが分かりました。

・菜園活動により家庭で食糧確保ができるようになったため、町に引っ越した家族が戻って きて生徒数が増加した。(山岳部、過疎地域の小学校)
・菜園プロジェクトは学校全体を蘇らせてくれた。(事業当初、学校運営に問題があり、 荒廃がみられた高校)
・普段教室内では勉強が遅れがちな生徒が、熱心に菜園活動を行う姿が見られた。
・中学生で素行が良くなかった生徒が、菜園活動に取り組むようになってから生活態度が 変わり、家庭菜園も始めた。
・生徒が畑作りに“愛情”を持つようになった。
・困窮家庭の生徒に新鮮な野菜を持たせられるようになったのは大きな成果である。
・給食材料が不足した時に畑の収穫物を使えて本当に助かった。
・収穫を販売して学校のファンドレイジングとなった。
・生徒が責任感や自主性を身につけた。
・菜園委員会の生徒は自分たちで時間や役割を決め自立して活動を行い、乾期には率先  して川へ水汲みに行き菜園を支えた。
・菜園事業で学んだ生徒たちが将来農業を専攻し、地域住民に教えるリーダーになってほ  しい。
・家庭菜園を始めた生徒のなかには、すでに地域住民に作物を販売している生徒もいる。
・自分の手で食糧を作り出すことの喜びや意義を学んだ。
・菜園委員会メンバーは、地域住民に収穫物を販売し、会計作業をすることで、農業がビジ  ネスになることを学んだ。
・安全で栄養価の高い収穫物は地域住民に喜ばれている。
・農業科学専攻の生徒の成績が良くなった。


 JICA事業は終了しましたが、TAAAは、菜園事業対象校へは引き続き図書活動支援を継続して行っていきますので、今後とも菜園活動の進捗を確認しフォローしてまいります。

(平林、編集:久我)


2016-01-18 南アフリカ

生徒が育つ図書室作り


 TAAAが支援している学校の図書室は、どこもアレンジが個性的で手作りのぬくもりが感じられます。それは、先生と生徒達が「ああでもない。こうでもない」と試行錯誤して作り上げていくものだからです。 長いこと図書室がなかったハラバ小学校も、先生の指導のもと、生徒たちが、初期の段階から図書室作りに参加しました。分類した本をせっせと本棚に並べ、カラフルな啓蒙ポスターも壁にかけて、自慢の図書室ができました。
 図書室完成後には、保護者も招待しての図書室のオフィシャルオープニング式典が開催されたそうです。

 こうして、図書室を作り上げる段階から、生徒達が積極的に関わると、図書に関する興味、本を大切にする気持ち、そして皆で学校をよくしていこうという心が育まれます。

 今年もTAAAは「生徒が主役」をモットーに、彼らが積極的に関わることで成長していくプロジェクトを目指していきます。引き続き、皆さまの暖かいご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

(久我)


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