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TAAAの活動日誌

2021-06-09

低学年生の読書習慣をはぐくむFrankland小図書室


Frankland小コンテナー図書室

Frankland小図書委員会生徒への研修

 今学期より正式にFrankland小学校がN連事業(日本NGO連携無償資金協力事業)対象校となり、IT指導が開始された。昨年度からの対象校であったCophela小は“TAAA支援校”として、継続して図書活動へのサポート行うこととなった。 Frankland小は対象校であるNani高校の近くにあるが、初年度のN連事業対象校選考の際に12校枠から外れてしまった。Nani高を訪問するたびに同校の前を通り、何となく申し訳ない気持ちになっていたので、同校の図書支援の必要性を探るため訪問してみると、やはり“何故うちの学校は含まれなかったのか”と感じていたという。教師たちはNani高に設置された図書室を見学に行き、羨ましがっていたとのこと。それほど図書室設立を望んでいたのだった。


 昨年度、校内に空きスペースのない同校への支援を探っていたところ、ひろしま・祈りの石国際教育交流財団から助成をいただき、コンテナ図書室を寄贈することになった。
 コロナ禍のため、多少の遅れが出たが、昨年末までにコンテナ配備、本棚の設置が完了し、少しずつ蔵書を揃えて行った。新学年が始まり、すぐに図書委員会メンバーが選出され、研修を行った。学校全体で生徒の本への興味が大きく、早速活発に図書室利用が始まった。同校は未舗装道路の遠隔地域にあるため、周りに刺激となるものが少ないことが本好きになる一つの要因かもしれない。同じ学区内でも前述のCophela小はタウンシップのような環境にあるので、テレビやゲームの方が楽しいという生徒もいるのだろう。


Frankland小本の寄贈

熱心にIT指導を受ける図書委員会生徒たち

 Frankland小は校長の活動への理解とサポートが大きく、司書教師とも常に話し合いを持ち、活動を向上させる努力をしている。今学期からは低学年の生徒を週2回授業時間内に図書室を訪問させ、本に親しませている。先日は2年生の感想文を受取った。正直なところ、何を書いているか十分に理解ができなかったが、生徒たちの感動が伝わってきた。他校でも中高学年がクラス単位で図書室を利用する姿が見られるが、今後、低学年の図書室訪問を推進・強化しようと考えている。


 図書活動をしていて日々感じるのは、読書はやはり小さい頃からの習慣なのだということ。5-6年生になると“読む・読める”生徒と“読まない・読めない”生徒がはっきりとしてくる。様々なことに興味・好奇心を持つ低学年のうちに“本が好き”になることが何よりも大切なのだ。一方で、“読まない・読めない”生徒を置いてきぼりにはできないので、対応策として、マンガ本やパズルの導入などを進め、だれもが訪問したくなる“楽しい図書室”作りを目指している。


(TAAA南ア事務所 平林薫)


2021-04-12

司書教師のアンケート回答(2) 中高校編


Duduzile中 朝会で図書室利用を
呼びかける図書員会生徒たち

Mangquzuka高
コンテナー図書室

Mgamule高
図書委員会生徒の実践テスト

 2月16日に小学校の司書教師アンケート回答をご紹介し、「次回は中学、高校の回答をご紹介します」とお伝えしてから、だいぶ間があいてしまいました。すみません。

 今回は、中学校1校、高校4校の計5校からの司書教師アンケート回答をご紹介します。

質問: 生徒たちに図書室利用や読書を促すために、図書委員会生徒たちとどのような活動をしていきましたか。
回答: 朝会で朗読、朝会で本の紹介、ブックレビュー、スペリング・朗読・スピーチコンテスト、ブックレビューコンテスト、各教室内で図書室利用の呼びかけ、ストーリーテリング、バレンタインデーなど特別な日に図書室でイベントを行う
質問: 学校に図書室ができて図書活動をしてきたことで、生徒たちにどのような変化がありましたか。また第2年次に向けてTAAAへのリクエストはありますか。
回答:
  • 生徒の読書への興味が深まってきた。
  • 図書委員会生徒たちは、自分たちの力でブックレビューコンテストを推し進めた。
  • 生徒たちの読解力が向上した。
  • 図書委員会生徒は自主的に活動を進められるようになった。
  • 図書委員会生徒が中心となって行う図書活動を行ったため、校内で多くの生徒が参加するようになった。
  • プロジェクトが始まってから図書室を訪問する生徒の数が増加した。
  • 特に言語の授業で成績が上がってきている。
  • プロジェクトで購入した学習参考書が大変役に立ち、生徒の図書室利用につながった。
    第2年次も参考書の追加配備をして欲しい。
  • 生徒たちが図書室を利用して、リサーチができるようになった。
  • 生徒たちは英語スピーチやストーリーテリングの準備に図書室の本を利用することで、語彙力を身につけた。
  • 歴史選択の生徒が図書室にある歴史の本をとても良く利用している。
  • 第2年次はズールー語の小説を揃えて欲しい。

アンケート結果から、コロナ禍下で活動が大幅に制限されているなかで、図書委員会生徒たちが、主体的に活動に取り組んできた姿がうかがえます。また彼らをそのように指導してきた司書教師たちの力量も素晴らしいと思いました。

中学校、高校では、図書委員会生徒たちが図書室をしっかり管理運営していくスキルを身に付けているかが、TAAAの支援が終わったあとの活動継続と発展につながっていきます。
そこでN連1年次事業が終了時に、図書委員会生徒たちに図書管理運営の実践テストを行いました。その結果、テストに参加できた生徒(コロナ禍の影響で参加できない生徒もいました)は全員合格となりました。
コロナ禍のなか比較的スムースに第2年次事業に進むことができましたが、それは彼らの頑張りによるものが大きいのだと思います。


(久我祐子)


2021-02-16

司書教師のアンケート回答


ELTS担当員とTAAAプロジェクトマネージャーに図書活動状況を伝える
Umalusi小の司書教師

コロナ対策として訪問時に
質問票に記帳させる司書教師

9月の研修会でグループワークをする
司書教師

 昨年9月に、新しく支援するようになったトゥートン学区で12校を対象に学校図書支援活動を開始しました。地域には、本屋さんや図書室がなく、生徒たちの家にも本はありません。TAAAの活動を通して、生まれて初めて読書のために本を手に取った生徒が多くいました。

 学校に図書室が設置された後は、コロナ禍の影響で活動は難航した部分もありましたが、「この時期こそ本を読んでもらいたい」との願いでなんとか図書支援を継続することができました。
読書に馴染みのない地域で、しかもコロナ禍のなかで、生徒たちが図書室を利用して読書習慣を育めた背景には、TAAAの図書活動に賛同して司書教師になってくれた先生たちの頑張りと熱意がありました。

10月末に対象校全12校の司書教師にアンケートを実施し、全校から回答をもらいました。
今回、うち小学校7校のアンケート回答を一部ご紹介いたします。

質問: 生徒たちに図書室利用や読書を促すために、図書委員会生徒たちとどのような活動をしていきましたか。
回答: ブックレビュー、スペリングコンテスト、ストーリーテリング、図書室を楽しく装飾する、生徒たちによる図書推進ポスターの作成、各教室内で図書室利用を呼び掛ける、図書委員会生徒が朝会や集会で図書室利用を呼び掛ける、クラスごとに図書室を訪問させる
質問: 学校に図書室ができて図書活動をしてきたことで、生徒たちにどのような変化がありましたか。また第2年次に向けてTAAAへのリクエストはありますか。
回答:
  • 生徒が本を借りて読後にブックレビューを書けるようになり、ストーリーテリングもできるようになった。
  • 少しずつ生徒の読解力がついてきた。
  • 第2年次は蔵書を追加してほしい。
  • 生徒たちは図書室に興味津々で、率先して訪問するようになった。
  • 生徒が読書習慣をつけ、授業にも好影響が出ている。
  • 生徒の読書への興味が深まった。今年はコロナ禍により活動が滞ってしまったが、来年はより活発に行いたい。
  • 頻繁に図書室を訪問して本を借りる生徒が出てきて、読書を楽しむ姿が見られるようになった。第2年次は蔵書の追加配備をして欲しい。
  • 生徒が本への興味を示し、自主的に図書室を訪問して本を借りるようになった。
  • 生徒が率先して図書室を訪問し、本を借りるようになった。
  • 生徒の語彙力が高まった。
  • ロックダウン中も本を借りて読んだ生徒が、教師にストーリーを伝える姿が見られた。

次回は中学校と高校のアンケート回答をご紹介します。


(久我祐子)


2021-01-16

ご寄付・ご寄贈のお願い


Cophela小学校 感染防止を徹底した
図書室利用を指示するTAAA図書指導員

Umalusi小学校の読書好きの生徒たち

 昨年はコロナ禍の影響により活動が大幅に制限されてしまいましたが、皆さまの温かいご支援と励ましのお陰で、無事に継続することができました。
本当にありがとうございました。

 今年も感染防止を徹底しながら、出来ることを無理せずに、でも諦めずにやっていきたいと思っております。「諦めない」理由は、私たちが支援している生徒たちが、コロナ禍の影響で大きな教育損失を被っているからです。

 学校は再開しましたが落ち着かない状況は続いています。そのような中で、くつろいで勉強したり読書ができる図書室は生徒たちにとってとても貴重なスペースになっています。また、何人かの生徒にとっては「精神を落ち着かせるより所」になりました。

 今年も多くの本や教材を送ることで、彼らの教育と気持ちを支えていきたいです。
皆さま方からの温かいご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。


  • 活動維持のため、ご寄附は大変ありがたいです。どうぞよろしくお願い致します。
  • 英語の本、算数セット、サッカーボールのご寄贈をどうぞよろしくお願い致します。
  • 教材・教具を送る郵送料を賄うために、書き損じ葉書と切手を集めております。
    余った年賀状葉書も、ご寄贈いただけると幸いです。

    書き損じ葉書・切手の送付先:
    「アジア・アフリカと共に歩む会」事務局 野田方
    〒338-0012 さいたま市中央区大戸5-17-1 
    TEL: 090-9957-2256

 どうぞよろしくお願い申し上げます。


(久我祐子)


2020-12-26 南アフリカ

ブックレビューコンテストおよび読書推進ポスターコンテストを実施


Duduzile中
ブックレビューコンテスト優秀生徒

Mehlomnyama小 読書推進
ポスターコンテスト優秀生徒

Mehlonmyama小 読書推進
ポスターコンテスト低学年の部優秀生徒

N連図書事業は、コロナ禍の影響により2ヶ月間の延長の後、10月末に第1年次が終了となった。事業後半は、南ア国内の全面的なロックダウンで活動が滞り、学校再開後も生徒の登校制限や冬期の感染拡大など、一進一退の状況が続いた。そのような中でも対象校では生徒の図書室利用の重要性を認識し、感染予防に努めながら活動を行い、小学校では読後のブックレビュー(感想文)を書いたり、読書推進ポスターを制作する等、少しずつ図書活動が定着してきた。高校では図書室に各教科の参考書を配備することで、生徒が自習できるようになり、図書室を利用した生徒の成績が向上しているとの報告もあった。

これはもちろん各対象校の校長の協力や司書教師の努力によるものであるが、何より図書委員会生徒の図書室と読書への興味、活動への積極的な取り組みによるものが大きい。残念ながら学校再開時に退学したり、委員会から離れた生徒も見られたが、多くの図書委員会生徒が、制約のある状況下で委員としての任務を果たし、校内で図書室利用推進のリーダーとして活躍したことは頼もしい。

図書活動では圧倒的に女子生徒の参加が多いのだが、各対象校には必ず少数の“本好き”の男子生徒の姿が見られる。南アの学校では“読書は女子のもの”という風潮が見られるが、彼らは1人でも図書委員会に参加したり、図書室にやって来たりする。そのような時、若い男性で自身も図書委員会を経験しているモンドリが指導員でいることは、彼らにとって心強いことだろう。次年度は彼らと共に男子生徒の読書促進“Boys can read(男子も本を読める)”を行いたいと考えている。

11月には事業で書籍の購入を行っている現地の大手書籍販売店Bargain Booksより新品の本430冊の寄贈があり、次年度各対象校に配布を予定している。一部はブックレビューコンテストを行ったDuduzile中の優秀者に賞として贈呈した。現地の企業が事業への認識とサポートをくれたことは喜ばしく、書籍販売店と学校をつなげられたことは、今後の図書活動の広がりに向けた学校への情報提供となった。次年度は蔵書の補充や本の貸出しを継続して行うと共に、各対象の図書室にパソコンとプリンターを設置し、委員会生徒がパソコンを活用しながら図書活動を推進する。


(TAAA南ア事務所 平林薫)


2020-10-26 日本・南アフリカ

コロナ禍におけるTAAAの活動と意義について


本を整理整頓する図書委員会生徒たち

10月18日梱包作業の様子

マスクをして読書タイム
Imbalancane小コンテナ図書室

会員の皆さま、支援者の方々には、南アフリカの子どもたちのためにいつもあたたかいサポートをいただき、ありがとうございます。 おかげさまで当会は長年にわたり無理なく、しかしながら着実に活動を進めてきましたが、今回のコロナ禍は私たちの活動にも大きな影響をおよぼしました。 

日本においては、今年3~5月、毎月定例の梱包作業を中止としましたが、6月からは作業場の換気を良くし、お互いマスクを着用しながら、活動を再開しております。 ただ、今後も状況を注視しながら、柔軟な判断をしていきたいと考えております。

一方、南アフリカにおいては、急激に感染者が増え、学校での図書活動ができなくなるなど、大きな影響が出ました。 弱い立場にある方がますます困難な状況に陥ることは、日本も南アフリカも同様です。 したがい、こういう時こそ、感染対策と教育支援 活動を両立する必要があり、強い志を持ちながら工夫して活動していくことが求められていると感じております。

会員の皆さま、支援者の方々におかれましては、まずはご自愛いただきつつ、南アに 温かい眼差しを向けていただければ幸いです。


(副代表 丸岡 晶)


2020-9-5 南アフリカ

引き続き、コロナ禍影響下での図書支援活動


チョペラ小図書委員会生徒が本の貸出し

司書教師と図書委員会生徒が本の貸出し

前回の記事でお伝えした通り、ドゥエシューラ学区の対象校は、ロックダウンによる長い閉鎖期間を経て6月に再開し、準備が整った学校から図書室利用と本の貸し出しを再開しました。
TAAAは図書室利用再開にあたり、各対象校に殺菌消毒剤、箒とハタキを配布し、消毒と掃除などの感染予防対策を呼び掛けました。また、TAAA図書指導員のモンドリさんは学校巡回訪問をする際、感染予防用返却箱に返却された本を一冊一冊丁寧に消毒してから本棚に戻す作業を行ってきました。


図書室入室時に手の殺菌消毒

返却箱

返却本を殺菌消毒

12校の対象校のなかには、準備が整わないため図書室を閉じたままの学校もありましたが、図書室利用を再開した学校のなかには、「待ってました!」とばかりにやってくる生徒たちがいて、そのような学校では図書委員会生徒たちが頼もしく、彼らのリーダーシップの下で、入室前の手の消毒、マスク着用、「ソーシャルディスタンシング」等、感染予防対策が徹底して行われていました。しかし、タイミングの悪いことに南アでは6月~8月はウイルス感染が拡大しやすい冬にあたるため、7月後半から全国的に感染状況が悪化してしまいました。対象校でも教師を中心に感染者が見られるようになったため、7月24日から1ヶ月再度閉鎖に追い込まれました。図書活動も再度中断となりました。

8月24日から基本的に全校生徒が再復帰となりました。しかし、学年ごとにローテーションにして登校しているため、未だに完全な復帰には至っていません。生徒たちは間隔をあけて授業を受けるため、教室はスペース不足となり、同じ日に全生徒を登校させられないのです。また、基礎教育省の指示により、感染の有無にかかわらず高齢または持病のある教師を自宅待機にさせているため、授業を行う教師の数が不足し、生徒は登校しても自習というケースも多く見られます。

このような落ち着かない状況ですが、生徒たちが再復帰するやいなや、TAAAは対象校への巡回訪問を再開しました。図書室利用の進捗状況確認を続け、引き続き返却された本の消毒を行い、生徒たちに感染予防対策指導を行っています。

感染の不安が完全になくなるまでは、TAAAも巡回指導訪問と図書活動を中断するという選択もありますが、登校しても授業が受けられず、自宅にいても読む本が一冊もないという状態のなか、「本が読みたい!」という生徒たちの切実な声を無視する訳にはいきません。

長びくコロナ禍の影響下でドゥエシューラ学区を含めた遠隔地の生徒たちは、学業に大きな遅れをとっています。 楽しみながら読解力を身に付けられる「読書」は、今、生徒たちにとってとても貴重な学習時間になっています。また、前代未聞の不安な環境のなか、いっとき日常から違う世界に連れて行ってくれる美しい絵本や小説にふれることは、子どもたちの心のケアにも大きく役立っているのではないでしょうか。

自身も元TAAA対象校で図書委員だったモンドリさんは、読書が生徒たちに与える精神への栄養を十二分に理解しているのでしょう。 難しい舵取りが迫られている中で、感染予防策を取りながら丁寧な学校図書活動を維持してくれています。本当にありがたいです。

早く日常に戻って、各対象校で笑い声があふれるマスク・フリーの図書委員会活動が再開されますようにと祈っています。 しかし、焦ってもしかたがありません。 本をかりにくる生徒には、今だからこそ心に浸みる深みある読書を楽しんでもらえたらと思っています。


(久我祐子)


2020-7-12 南アフリカ

コロナ影響下での図書支援活動


カラフルなマスク着用で本を取りに来る生徒たち

入室時の手の消毒と記帳を徹底させる

  「今思うと、なんという神業的タイミング!」 3月上旬に一緒に視察訪問をした大友さんと会う度に出てくる言葉です。 現行の学校図書支援活動(日本NGO連携無償資金協力事業「ドゥエシューラ学区の生徒の経済・社会参加に向けた学力向上と基礎技能習得」)における私たちの視察訪問のタイミングがほんの少しずれていたら、南アに入出国できない可能性がありましたし、もっとずらしていたら視察訪問そのものが出来ませんでした。事業の進捗状況そのものも、今思うとあたかもロックダウンに備えていたかのように、学校閉鎖前に図書活動基盤をしっかりと整えた感があります。全ての対象校(12校)で図書室が設置され、蔵書が整い、図書委員会生徒たちが活動を開始し、図書の貸し出しや図書室利用が始まり、「さて、これから図書利用を全校生徒に広めよう」と腕まくりをしていた矢先に、学校閉鎖となりました。3月16日で、私たちの出国日の5日後でした。

 日本の自粛要請と異なり、南アのロックダウンは、庭にいるだけでパトロール中の警官に「家に入れ」と叱られる厳しいもので、この間は学校巡回訪問ができませんでした。平林プロジェクトマネージャーと現地スタッフのモンドリさんは、TAAA南ア事務所で本の整理や分類、各対象校への配布準備をして学校再開に備えていました。

 6月8日にようやく学校が再開となりましたが、6月中に登校できる生徒は、小学校は7学年生、高校は12学年生とそれぞれ最終学年生に限られました。 他学年生徒は引き続き自宅待機です。 このような中途半端な状態であっても、学区長のザミサさんから、「TAAAの図書支援活動は是非すぐに再開してほしい」との強い要望もあり、TAAA南ア事務所は、各対象校の図書室用に消毒液と返却ボックスを用意して、図書活動を再開しました。 図書室利用時は、1.一度に入室する生徒の数を制限する、2.手を消毒して入室する、3.利用者ノートに名前を記入する、4.返却時には直接本棚に戻さず必ず返却箱に戻し、TAAAスタッフが巡回時に箱の中の本を消毒して棚に戻す、というルールを作り、各校に徹底させました。

 校長と司書教師には、登校できる生徒には、感染予防のルールに基づいて図書室を積極的に利用するように呼び掛けるよう願いし、また、本を借りにくる生徒たちには、自宅で待機中の他学年の兄弟姉妹用にも本を借りて帰るように伝えました。 登校できない学年の生徒たちは、せめて家で本を読んでもらいと思っています。

 また、学校に行けない生徒のために、地域のコミュニティーセンターで毎週水曜日に本を寄贈する活動もしました。6月中に3回行いましたが、累計180人以上の生徒たちの他、約80名の近所の大人が本を取りにきてくれました。

 対象地域からそれほど離れていなくても都市部となると、オンライン授業を行う学校もありますし、なくても親から勉強をみてもらえる生徒もいるでしょう。 私たちの対象地域を含め、学校からのサービスも家庭での教育リソースも乏しい遠隔地域の子どもたちは、ロックダウン期間は平常時以上に取り残されました。 国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」のモットーの一つに、「誰一人取り残さない」がありますが、南アの遠隔地域のように地域ごと取り残されている場合、そこに住む子ども達の大多数は取り残されます。

 TAAAのような小さなNGOは、大きなことはできないかわりに、根ざしている地域内では状況に応じて小回りに対応できます。今回のように状況が刻一刻と変化する緊急事態時にこそ、学校や行政が迅速にできないことを比較的自由にできて、手が届かないことを創意工夫でリーチできるNGOの柔軟な体質を活かして、地域で「取り残されている大多数の子ども達」に図書活動を通して、手をさしのべていきたいと願っています。

 しかし、コロナ禍は収束の兆しが見えず、先行き不透明な厳しい状況が続きいており、当分は不安を抱えながらの活動となります。南アにおいても国内の活動においても、予防・安全を第一に考えて、無理をせずに出来ることをしていきたいと思っています。 引き続き、皆さまの温かい応援やサポートをどうぞよろしくお願い申し上げます。


(久我祐子)


2020-6-20 南アフリカ

コロナ禍における南アのロックダウン(3)
 ~有機農業塾周辺の人々の動き~


アボカド売りの少年たち

ンギディさんの畑

 ロックダウン中、農業塾も基本的には閉鎖となったため、日頃農業塾で畑仕事をしている地域住民は、家の敷地内で畑作りをしたが、ンギディ氏や一部の近隣住民は継続して農業塾敷地内で畑作りを行った。農業塾メンバーたちは、レベル3に引き下げられた6月初旬から敷地内の草刈りや清掃を行い、再開の準備を進めている。 農業塾の中心メンバーであるボングムーサ、ンコリシがダーバンに短期契約の仕事に行っている間、近くに住む卒業生のトラさん(女性)が農業塾の管理をしてくれた。敷地の清掃の際にはトラさんのお父さんまで手伝ってくれたと言う。農業塾が地域の人たちに守られ、大切に使われていることをうれしく思った。

 卒業生のチリザさんはムシカジ山のふもとの広大な畑でバターナッツを生産し、ロックダウン中も継続して収穫、販売を行った。その後、家の周りの土地を利用して豆の栽培を行っており、すでに販売も始まっている。車を持たないチリザさんは、家からムシカジ山のふもとの畑まで徒歩で片道3時間かけて通っていた。もう少し近くに十分な広さの敷地があれば、と探していたところ、以前州農業省のコミュニティー菜園として使われ、現在は利用されていない土地を紹介され、地域の若者7名と活動開始の準備を進めている。

 政府は大統領を筆頭に農業省、遠隔地域開発省、経済開発省など各省が“食糧生産は重要な産業であり、雇用促進にもつながる”と明言しており、また健康志向などで有機作物の需要も高まってきていることから、チリザさんが有機農業のロールモデルとして、地域で広く認識されることを期待している。チリザさんの畑には近所の人たちが収穫物だけでなく苗も買いに来て畑作りをしていると言う。彼の活動は多くの人々に影響を与えており、農業塾の“アンバサダー”として活躍してくれている。


「これからどう生きていけばいいのか」を考え何かにトライする時間

 ロックダウン直前に農業塾で開催された研修会に参加した若者たちは、この期間を利用して家庭菜園の実地を行った。6月初めからはザマ氏が時間を見て彼らの畑を訪問し、サポート・アドバイスを行っており、小さなグループでの活動も見られるようになった。山間部地域住民も畑作りを継続して行っているが、レベル5、レベル4の期間には、家の敷地内で畑仕事をしていて警察官に“家に入れ”と怒られた事例もあったと言う。ロックダウン中は南ア全土でこのような軍や警察による威圧的な取り締まりが見られたが、それでも全体的に遠隔地域は町中よりも緊張感が低かったと言えるだろう。

 ロックダウンレベル5と4の際には、スーパーに買い物に出かけてもさすがにぶらぶらしている子供たちは見かけなかった。6月に入り学校も2学年(7年生と12年生)が再開となって、すでに休みに飽き飽きしているといった感じで子供たちの遊ぶ姿が見られるようになった。先日農業塾を訪問した際、農業塾近くの未舗装道路の坂の上に、カートを押した2人の男の子の姿が見えた。近づいてみるとカートの中には大きなアボカドがたくさん入っており、売り歩いているのだった。値段を尋ねると2個で5ランド。家の庭で自然になっているのでコストはかかっていないとは言え、安い!私は20ランドで8個購入した。おそらく家族が近所の人たちに販売する姿を見ていたのだろうが、ロックダウン中ぶらぶらせず、時間を有効に使って商売を学んでいる子供たちを逞しく思った。

 農業塾からの帰り道、トゥートンの交差点に戻って来た時、ピックアップトラックにホウレン草を積んで販売している若者たちを見かけた。すぐうしろにボクサーという大きなスーパーマーケットがあるが、ここならレジで並ぶ必要もなく、人々が購入する姿が見られた。地域の若者たちが、誰かに言われるのではなく自分自身で何ができるのかを考え、行動する時が来たのだと感じた。コロナ禍はまだまだ続いており、社会がどうなって行くのか先行き不透明ではあるが、ロックダウンが私たちに“これからどう生きて行けばいいのか”を改めて考え、何かにトライしてみる時間をくれたのではないかと少し前向きな気持ちになった。


(TAAA南ア事務所 平林薫)


2020-5-23 南アフリカ

コロナ禍における南アのロックダウン(2)
 ~ロックダウン・ガーデニング~


MOATS敷地内

コミュニティー菜園

 今日の時点でも国内の感染者数、死者数は確実に増加しており、ロックダウンをしなければもっと大変なことになっていた可能性がある。“ウィルスから人々を守ること”と“経済を維持すること”の相対する難問に立ち向かうため、政府は大変難しい選択、対応をしなければならないことは理解できるが、南アのような社会状況の場合、ロックダウンが経済格差を浮き彫りにし、弊害を大きくしてしまったともいえる。

 コロナ禍は人種や性別、社会的地位等に関係なく、人々にとって“公平”に脅威であり、そのことが社会の連帯を深めたとはいえるだろう。テレビ局が募集した基金には視聴者から多くの募金が集まり、各地域のNPO等を通して食糧配給が行われている。現時点で食糧配給は最優先・最重要活動であると言えるが、気になるのは、政府も大企業・富裕層もいまだにハンドアウト(施し)で問題を解決しようという意識が強いことだ。何故“自分たちの手で作ろう”と言うメッセージを送らないのだろう。人々の自立に向けた技術習得や実践の機会を何故もっと増やさないのだろう。穿った見方をすれば、この大多数の人々には“労働力”として存在していて欲しいということなのだろうか。

 このような非常事態に少しでも自分たちの手で食糧を生産している人たちは強い。TAAAは2010年から2019年まで、JICA草の根技術協力事業として、学校や農業塾を拠点に有機菜園の普及活動をしてきたが、有機農業事業に携わった先生方から“ロックダウン・ガーデニング”というメッセージや写真を受取った。ムナフ小のルコジ先生はお孫さんと一緒に畑作りをしており、“TAAAの菜園プロジェクトで多くを学べたことに感謝し、今、周りの人たちに伝えている”と話す。

 昨年4月に地元に引き継がれた農業塾MOATSの敷地内では、農業塾の番人と呼ばれているンギディさんと地域のお母さんたちが継続して畑作りをしており、農業塾卒業生のチリザさんは、自分の畑で採れた収穫物をどんどんスーパーマーケットに販売して事業を拡張している。
 今回のコロナ禍は、世界中の人々にとって苦難となっているが、同時に私たち一人一人の生活、社会について改めて目を向け、少し立ち止まって考える機会となったのではないだろうか。“少しでも自分の手で食べ物を作る”ことの意義が深まってきたように感じている。

 前述の通り、学校はイースター休暇直前に突然の長期閉鎖に入ってしまい、休暇中に生徒に読書をさせるための本の貸出し等、十分な準備ができなかったことが残念である。現時点では6月1日より7年生と12年生が復帰し、その後段階的に他学年も復帰する予定であるが、再開後すぐに外の団体が学校訪問することを許可されるか、また図書活動を行う時間が十分に取れるか等は不確定である。現在は昨年末に日本から到着した本や算数セットを仕分けして、対象校別に箱作りを行っている。万一、しばらく学校訪問が難しいようであれば、対象地域のコミュニティーセンターに本を届けて、近くの生徒や住民に自由に読書をしてもらう等の活動を計画している。


(TAAA南ア事務所 平林薫)


2020-5-17 南アフリカ

コロナ禍における南アのロックダウン(1)
 ~最大の問題は食糧確保~


 3月27日から始まったロックダウンは、必需品購入以外“外出禁止”のレベル5が4月30日まで続き、5月1日からは少し緩和されてレベル4となった。レベル5の際には散歩も許されなかったが、現在は朝6時から9時まで限定でエクササイズが許可されている。買い物は近くのヒバディーンのスーパーで済ませていたが、レベル4になってからやっと少し先のショッピングセンターに行かれるようになった。以前、南アでは病院関係者以外マスクをする姿は全く見られなかったが、現在は外出時にマスク着用が義務付けられている。当初は医療用や建設作業用マスクをつける人が多かったが、手作りマスクから始まり、今では多様なマスクが販売されている。特にアフリカンプリントや南ア国旗のマスクはカラフルで洒落ていて、アフリカ人のアートセンスを感じさせる。

 南アのロックダウンでは酒・タバコの売買が禁止で、飲酒・喫煙者の多い南アでこの措置は人々にとってかなり厳しいものとなっている。集まって飲んだり、酔ってうろうろする人たちが“うつる・うつす”可能性が最も高いからで、タバコは紙巻きをして唾をつけたり、回し吸いや拾いタバコをする人もいるため禁止となった。ただ、どちらも闇取引が横行しているようで、警察の取り締まりも厳しい。皮肉にも“酔っ払い”がうろうろしなくなったことで犯罪は確実に減少しており、また、外出禁止で車の往来が減ったことから、交通事故も大幅に減少している。

 もちろんロックダウン中も老齢年金や子供の養育支援金等、社会保障の支給は継続しており、非常事態への対応として支給額の上乗せも決定した。加えて失業者保険として、月R350を半年間支給する制度もでき、連日登録希望者が長い列を作っている。スーパーの入り口でもそうだが、この長蛇の列はあちこちで見られ、つくづく“今の世の中、ソーシャルディスタンスは難しい”と感じる。特にタウンシップやインフォーマル(違法)居住地の人たちの多くは密集した形で生活しており、“トイレが外にあるのに外出しないわけにはいかない”“一部屋に家族全員が生活していて隔離など無理”と訴えている。

 ロックダウン中の最大の問題は人々の“食糧確保”である。レベル4になり、少しずつ仕事を再開する業界も見られるが、いまだにスーパー以外の小売店、飲食関係、娯楽、観光業界は滞っており、それらの業界を支えている多くの人たちが今後不安定な状況となっている。タウンシップやインフォーマル居住地ではこのような業界の、底辺ではあるが最も重要な仕事をしている人が多く、かつまた家庭での唯一の収入源である場合が多い。もともと失業率がとても高い南アでは、家族の社会保障金や、運よく職に就けた家族のそれほど多くない収入に頼って何とか生活している家庭が多く、ロックダウンによってこのバランスが崩れてしまったと言える。

 学校は3月20日から30日までイースター休暇の予定だったが、コロナ禍が広まり、早めに18日(実際には16日)から臨時休校となったままロックダウンに入ってしまった。世界中の国々で学校閉鎖による学業の遅れや再開に向けて混乱が続いているが、南アで学校閉鎖が長引くことは生徒の死活問題につながりかねない。前述のような環境で生活している子供たちは、学校給食が一日のうちで一番しっかりとした食事であるケースが多い。家族全員がおばあちゃんの年金に頼って生活している家庭の子供たちがお腹をすかせているのではないかと気がかりだ。ニュースの報道で、ケープタウンのタウンシップの女性が、“私たちはコロナではなく飢えで死んでしまう”と訴える姿に心が痛んだ。(続く)

(TAAA南ア事務所 平林薫)


2020-4-19 南アフリカ

現地で得た情報を紹介します<報告 その4>


Imbalecane小
コンテナ図書室

Mehlomnyama小でムタルメ学区インプレメロ小(元対象校)のンソミ先生と再会!

Umalusi小
図書室の時間割表

 図書プロジェクト訪問報告最終回では、日本での本の収集・種分けの際に役立ちそうな情報や現地でのミーティング等で知り得た情報を羅列的に紹介しておくことにします。

こんな本が欲しい
生徒・教員を含めてもっとあったらいいとしてあげたのは、絵本、世界地図、やさしめな読み物、算数・数学参考書、経済学、物理学、会計学、文学、聖書関連読み物、百科事典、詩集、演劇脚本、歌(特に霊歌)、現地語ズールー読本、教科書に沿った参考書で、最後の2種は、現地で調達してもらうものです。また、農業塾MOATSではリソースセンターに来る近くの大学生・専門学校生用に工学、ビジネス関係のものもあるとありがたいと言われました。
注目すべき運営アイデア
  • 図書委員会にSGB(School Governing Body)から保護者が参加している学校があった。
  • 図書室利用を年会費制とし、年1回5ランドを払って、会員証を受け取り、利用時に提示するというシステム導入(1校)。
    (会費は、日本からの支援終了後、自立した図書室維持費に充てる)
  • 学校が休みの土曜日に特に12年生用に開室時間を設定(高校中心に複数校)
要対応事項
  • コンテナ図書室の暑さ、寒さ対策
  • 必ずしもうまくいっていない複数の司書教諭の連携体制改善
    対応策: 図書委員会の会合やTAAA現地スタフ巡回訪問の際には全員の参加要請を!
  • 図書室に入ると「気取り屋」とみられるのを嫌って足が遠のきがちな高学年男子気風
    対応策:男性司書教員を増やすなど?
気になる南ア教育事情
  • 生徒が抱える生活苦は様々あるが、「妊娠」による学業の中断は深刻。学校教育では性教育が行われておらず、教員は妊娠する生徒への対応なども含めてソーシャル・ワーカー兼カウンセラーの役目を果たさざるを得ず、良心的な教員はオーバーワーク気味。
  • 今年は「読書年」と銘打たれ、就学前クラスから読書が奨励されているにもかかわらず、図書予算措置がない。今後さらに教育予算そのものが削減され、教員給与減額、生徒一人あたり×在籍者数で決まる各学校の予算も減額される見通し。使途別配分が決まっていて図書に流用するわけにもいかない。 (おわり)


(大友深雪)


2020-4-08 南アフリカ

図書委員会生徒も先生たちも頼もしく個性豊かだった
―2020年3月初旬の図書プロジェクト視察訪問報告その3―


平仮名に興味がある Umalusi小図書委員会生徒たちと

男子が積極的なMalusi高の図書委員会

 平林さんの発案で8つの小学校に配布され、比較的低めの目につきやすい本箱の上に立てかけられた「日本語・英語対照衝立」は、来室者に人気があり、そこに例示された日本語表現をすべて覚えて話しかけてくる生徒や、英和・和英辞典が欲しい、日本の料理・調理や着物に興味があると言ってくる生徒や、ひらがなの模写に挑戦してくれた生徒に出会えて、日本・日本語への興味の広がりとスポンジのような吸収力に驚かされました。


 図書委員会活動には8人のメンバーにボランティアが何人か加わっているところもあり、総じて女子の方が多いようでしたが、特に男性司書教諭がいるところでは、男子の活躍も目立っていました。図書委員会生徒12人中8人が男子で、今回の訪問時には男性の司書教諭と男子図書委員2名が居合わせたある高校図書室で印象に残ったのは、司書教諭からも頼られ丁度貸し出し帳の整理・確認に夢中だった小学生と間違うほど小柄な9年生委員に「もっと欲しい本のジャンルは?」と声をかけたところ、ほぼ反射的に「経済、物理、文学、小説」という即答が返ってきたことでした。またこの高校でも新聞がかなり貯めてあるので、司書教諭にその辺の事情を訊くと、新聞は古くてもよい教材になるので、地元で集めてくるとのことでした。新聞を手に入れられる家庭は殆どないでしょうから、新聞を学校で読めるのは貴重なことなのだろうと思いました。  



パワーと個性あふれるDuduzile中学
図書委員会メンバー

1ミリのズレも許さず本を並べる図書委員会生徒
"I like reading too much.”

 司書教諭の個性・実力にも負うところ大と感心させられたのは、3人(そのうち1人が男性)の司書教輸にも恵まれ、「言うことなし」の運営をしていたある中学校でのことでした。「8年生は一クラス60人で、3クラスあり、各クラスには5人以上『本来の分類』だとスペシャル・スクールに行く生徒がいて、とても大変だけど、なんとかやっていかないと。だから、この子たち用に読み易くて楽しい読み物が欲しいの」と話してくれた中年のベテラン司書教諭が中心となり、図書委員会が頻繁に開かれているとのこと、訪問時の図書室も休み時間にはごった返すほど満員になっていました。もう一人の若くて元気な女性司書教諭が、5月か6月に8年生各クラスを対象に、クラス訪問セミナーを自分の担当教科のライフ・オリエンテーションと図書プロジェクトをタイアップさせる形で実施する計画について平林さんと打ち合わせをしている姿はとても頼もしいものでした。  


 最後にこの同じ中学校でのすてきなエピソードを聞いてください。私たちがいる間ずっと他のメンバーとは少し離れて1人真剣に本の並びを整えている男子生徒に目をとめた久我さんが、 「何を読んでいるの?」と聞いたところ「動物」という答えが返ってきたので、久我さんは、「動物が好きなんだ」と応じると「いや、嫌いです」と。 「ではどうして動物の本を読んでいるの?」と久我さんならではの?再質問には、「本が好きでたまらないから」ということだったそうです。 図書室はこんな生徒にとっての大切な生活空間にもなっていたのです。(続く)  


(大友深雪)


2020-3-29 南アフリカ

名前のある図書室・絵やポスターで飾られた図書室
―2020年3月初旬の図書プロジェクト視察訪問報告その2―


Bright Future Libraryの委員会生徒たち

Dweshula小の図書室「Funda Natsi (read wih me)」

 校長さんが組合活動にも熱心で不在なことも多いという学校の図書室を訪問した時、一人の図書委員が新聞を抱えて図書室に入って来たので、どうしたのか聞くと、校長先生が図書室用に確保してきてくれたとのことでした。Funda Nathi(Read with usの意)と図書委員会が名付けたその図書室では、修理が必要な本を入れるBook Hospitalと可愛く名うたれた大きな箱が本棚の上に用意されているのが目にとまり、「なるほど」と感心しながらも、修理して送るべきか、送るのを断念するべきかで悩まされる日本での種分け・荷造り時のことが頭をよぎった瞬間でもありました。


 図書室に学校名ではなく独自の名前をつけているところが他にも2校あり、一つはBright Future Library、もう一つはVukukhanye(Wake up Brightの意)というものでした。私たち訪問者にズールー語の名前を付けて楽しませてくれる現地の人たちの豊かな言葉文化に通じるものを感じました。



生徒が壁に絵を描くNANI高の図書室

天井にも手作りの飾りが一杯

 文化と言えば、本棚の上方や間の壁に図書委員たちが描いた絵には見とれてしまうほど魅力的なものもあり、訪問した丁度その時に、コンテナ図書室の天井に色紙を切りぬいた動物や文字を楽しげに張り巡らしている図書委員たちにも出くわしました。



Malusi高の図書室に貼られたポスター

Malusi高図書室のジェンダー問題ポスター

Mgamula高の図書委員会体制一覧

 また、“It is my right to read” といった格調高い標語や、Children’s Rights and Responsibilities とか Gender Issues とかの表題のついた長文のポスターが所狭しと掲示してあり、どこから手に入れてくるのか聞き損ねましたが、日本の学校図書室には期待できなさそうなその啓発性に注目させられました。


Umalusi小図書委員会生徒たちと

Umalusi小図書室利用ルール

修理が必要な本を入れるBOOK HOSPITAL

 特に小学校では曜日毎に使用学年が振り当てられていて、教師付き添いで生徒に本を選ばせ、教室に持ち帰り、教室で読んで、返却するというシステムをとっていました。同じ本が数十冊あるワークブックやペーパーバック読み物は授業直前に教室に運んで副教材として使える制度としても活用できるものだと思いました。(続く)


(大友深雪)


2020-3-19 南アフリカ

学校図書室には個性豊かな「アナログ文化」が咲き誇っていた
―2020年3月初旬の図書プロジェクト視察訪問報告その1―

 2018年6月の現地訪問以来、1年半ぶりの南アでした。コロナ感染がアフリカにも広がり始めた時期で、3月1日の入国・11日の出国・帰国が心配され、断続的な「断水」と「計画停電」を経験して、南アそして地球の資源分配の行く末を案じながらの滞在でしたが、プロジェクト視察訪問は何とか無事に果たしてきました。

 今回の主な訪問先は、2013年から2019年3月までクワズールー・ナタール州ウグ郡ムタルメ・トゥートン学区で実施した図書プロジェクトの応用的継承をめざした隣接のドエシューラ学区の12校の図書室でした。日本NGO連携無償資金協力事業「ドゥエシューラ学区の生徒の経済・社会参加に向けた学力向上と基礎技能習得」 として2019年9月から開始し、校内に図書室を作るスペースがない4校にはコンテナ図書室を設置(うち1校へは(一財)ひろしま・祈りの石国際協力交流財団より寄贈)、スペースのある8校では、図書室確保のための空き教室・校内倉庫などの大掃除・改装作業や本棚注文・備品設置を行ったり、改善・全面的模様替えを経て、全12校でスペースとしての図書室を整えました。

 図書室の物理的セットアップと同時進行的に、図書委員会(図書司書教員2~3名と選出方法は各校一任の図書委員生徒原則8名で構成)の発足、委員会メンバーへの図書運営方法の手ほどき(蔵書受け入れ・記帳、図書分類法による蔵書整理、貸し出しルール等運営方針書作り、貸し出し帳・利用者記録簿作成、読書・自習スペース整備)、図書司書教諭への研修などが実施されました。

 12校中準備が遅れていた最後の学校で図書室お披露目テープカットや朝会での全校生徒への図書活動開始宣言イヴェントが行われたのが、2月末で、私たちの訪問時には12校すべてで、図書活動が始まっていたのです。

 12校に絞ったことで可能になった現地プロジェクトマネージャーの平林さんと現地図書指導員のモンドリさんによるこまめな巡回訪問支援の大きな効果もさることながら、学校によって温度差はありながらも、教科書以外本を見たこともなかった子ども達の並々ならぬ好奇心・学習意欲・芸術的表現力並びに図書司書教諭や管理職の知恵・熱意・協力が結実した姿をあちこちで実感できた図書室視察訪問となりました。

 <報告その2>では、そんな姿のいくつかを紹介したいと思います。


(大友深雪)


2020-3-7 南アフリカ

TAAA対象校を訪問 (2)


 最後に訪問したのが、MEHLOMNYAMA小で、サッカーボールが届いた先の学校である。日本の学校名が入ったボールでのサッカーの練習風景を見学させてもらった。ボールを寄付してもらったサッカー部の顧問から、私が出発する前にユニホームを預かった。そのユニホームをキャプテンの子が着てゲームをしている。約半年前に、我が家で空気を抜いたボールが、今は南アフリカの子どもたちに引き継がれ、子どもたちは笑顔で溢れている。とても感動的な瞬間だ。やっぱり世界はつながっているとつくづく思う。早く日本の子どもたちにも、この様子を知らせてあげたいと思った。

 アパルトヘイトが撤廃され、「これで南アフリカが変わる」と、誰もがそう思っていた。だが、どうなのだろうか。ダーバンの街中に行けば、ストリート・チルドレンを見かける。電気・水道の通っていない家。駐車場で声をかけてきた青年など。以前に住んでいた頃の南アフリカと比べ、何が改善されたのだろうか。夕方、ロッジのテラスで、一人の黒人青年がぼーっと大西洋を眺めていた。しばらくして、声をかけてみた。彼は笑いながら近くに寄って来てくれたので、「南アフリカは、どう」と、尋ねてみた。彼は、「政府は崩壊(collapse)している。あとは神に祈るだけだ」と答えた。彼は30歳代くらいで、子どもは5人いるが、仕事はあまりないと言う。「でも、マンデラは好きだ」と言ったのが、とても印象的だった。



寄贈されたサッカーボールと
ユニホーム(後ろ右から4人目)

 この訪問を通して、教育という視点から見ると、個性豊かな校長先生のマネジメントで、これほどまでに学校の雰囲気が変わるものなのかと少々驚いた。南アフリカでも、教育委員会に近い組織はあるものの、これほどトップダウンで進められてしまうと、教師のモチベーションは保たれるのだろうかと少々心配した。同時に、学校格差が広がることで、子どもたちがもっている本来の個性や適性、将来性の芽が摘み取られてしまわないかと不安を感じたことも事実である。最後に訪問した学校では、子どもたちが斜面になっている場所を利用して、空中前転をやっていた。ジャンプ台は石だ。きれいに宙を舞っている子。頭から落ちて痛そうにしている子などさまざま。日本では、100パーセントありえない光景だ。ただ、経験から学べる知識や技能もある。その線引きの違いは、国によってこれほどまでに違うものなのかと改めて思い知らされた、でも、私はこの南アフリカで見た光景、決して嫌いではない。むしろ、私が幼少期を過ごした頃と同じで、とても懐かしい感じがする。

 今回の訪問で、最も強く印象に残っていることは、子どもたちを直接指導する立場にある教員の育成だった。訪問したほとんどの学校で見られた教師の一方通行的な授業。換言すれば、子どもの主体的な活動があまり見られない授業マネジメントで、もっと子どもたちに考えさせたり、意見を交換させたりしながら、互いを理解し考えを深めていく場面が必要であると感じた。子どもたちの学ぶ意欲は高い。だからこそ、教師がもう一工夫できていれば、子どもたちの知識や経験はもっと深まり、主体的な生き方にもつながっていくはずである。

 また、訪問した多くの学校では、国の教育方針の下、数学(算数)と英語にかなりの重きが置かれているように感じた。確かに、将来の仕事を見据えれば、これらの教科が重要な役割を担っていることは理解できる。しかし、教育は人格の完成を目指すものである。一人ひとりの個性や適性が埋もれてしまわないようにすることも学校や大人たちの役割である。また、日本でも、「社会に開かれた教育課程」の必要性が叫ばれているが、まさに「学習は学校の中だけでは完結しない」という方向性をしっかりと打ち出し、家庭や地域を巻き込み、学校での学びを実際の生活や実社会とどうつなげていくか、そのような点を改革していく必要があると感じた。きっと、10年後、20年後には、違った国の姿が見えてくるはずだ。そして、それこそがSDGs(持続可能な開発目標)の目指す教育の姿ではないかと思う。

 日本人学校に勤務した時、マンデラ大統領の就任式が行われている広場に行ったことがきっかけとなり、学校に行けない子どもたちと出会うことにつながった。彼らとの出会いがあり、私はいつかこのような子どもたちの支えになりたいと思うようになった。30年にわたる日本での教職生活を終えても、それが私のゴールではなく、次の目標へのステップとなっている。今回の訪問は、その一段である。
 私は、この出会いにとても感謝している。


(原山浩司  編集:TAAA)


2020-2-29 南アフリカ

TAAA対象校を訪問 (1)


 この度、長年教師をされてきた原山浩司様がTAAAの対象校を訪問してくださりました。
 原山さんは今年8月にみどり市立大間々中学校に声をかけサッカーボールを集めてくださり、
今回、ボール寄附先の学校も訪問されました。2回に分けて、原山さんの訪問記をご紹介いた
します。(TAAA編者)



MBALENCANE小学校のコンテナ図書室

 今回、私のアフリカ訪問のきっかけは、南アフリカ共和国ヨハネスブルグ日本人学校に3年間家族とともに赴任した年に、ネルソン・マンデラ大統領の就任式が行われている広場に行き、黒人たちの歓喜の渦の中で一緒に喜びを分かち合った。これが私のアフリカとの出会いの始まりである。

 その後、学校に通うことのできない子どもたちとも僅かながら触れ合うこともできた。その頃から、私はいつかこの子どもたちのための支えになりたいと思い始め、今日につながっている。そして、自分の経験を生かすことのできる「教育」を視点に、現地に赴いて教育や子どもたちの支援にかかわる活動をしている日本人や現地の人たちと会い、それらの活動やそこに暮らす人々の生活を通して、具体的な問題点や自分にできることを探ってくることにした。

 2月11日、南アフリカに到着し、ダーバンからヒバディーンに向かう。 今回、縁あって私の地元の中学校から使わなくなったサッカーボールを寄付してもらい、それがヒバディーンから30キロ程奥に入った学校で使用されていることを知り訪問した。同時に、TAAAが日本で集めた英語図書を近くの小学校や高校に配布しているということなので見学させてもらった。地方の学校には図書室がなく、教科書以外の本はほとんど見当たらず、本屋などもない。そのため、本を読む習慣はないと言う。また、南アフリカで人気のあるスポーツの一つはサッカーである。しかし、地方の学校にはボールがない所もあると言う。犯罪やドラッグに巻き込まれやすい環境でも、ボール一つあればそれが楽しみで、学校に行くという子どももいるそうだ。



NANI高校の図書室にて

 TAAAの平林さんは、20年以上にもわたり南アフリカで活動をしておられる方で、今では日本と南アフリカをつなぐ存在である。大西洋岸からどんどん離れ、舗装されていない道を一時間ほど進んだところで、最初の訪問校であるNANI高に到着。この学校には、半年前から図書の寄贈を始め、既に1000冊に達しているそうだ。一日平均10人の生徒が本を借りていると言う。貸出帳もしっかりと備えられ、分類番号によって棚ごとに整理された本が並んでいる。図書室に案内された段階で、図書が有効に活用されていることが分かった。改めて本を入手することが困難なこの地域で、この活動の意義はとても大きなものであると感じた。

 次に、MBALENCANE小を訪問した。ここは児童数1000人の中庭がきれいに整美されている大きな小学校である。コンテナを再利用した図書室は、配布され始めたばかりであるために本の数は決して多くはないが、きちんと整理されていて図書への期待感が伝わってきた。



MGAMULE高校 図書委員会生徒たちと

 続いて、MGAMULE高を訪問した。こちらもコンテナを再利用した図書室であり、その中には図書室の利用の仕方や貸し出しの決まり、図書の目的等がちょうど掲示されるところであった。図書委員のメンバーが自主的・意欲的に活動している姿がとても印象的であった。

 インターネット等の普及により、いつでも必要とする情報は手に入る時代となった。それが一つの原因となって、日本でも、特に子どもたちの図書離れや読書時間の減少が危惧されている。しかし、世界に目を向ければ、情報ネットワークの整備がされていなかったり、ましてやそのための機器を購入したりするなどが困難な現状が多く見られる。それを補うことができるのが図書(館)である。ケニア政府もそうであるが、「教育には力を入れていく」という。だとするならば、住民が教育や文化、産業などの課題解決につながる資料や情報に接する機会を増やしていくことを優先的に考えていく必要があると思う。そして、いつの日か日本の図書文化と現地の図書への情熱が融合し、新たな図書文化が子どもたちの成長につながっていくことを期待したい。 (続く)


(原山浩司  編集:TAAA)


2020-2-1 南アフリカ

アンバサダーが活躍するMOATS

 小学校の敷地内に有機農業塾を設立し地域住民に有機菜園指導を行ってきたJICA草の根事業「有機農業塾を拠点とした農村作り」は2019年4月末で終了しましたが、有機農業塾MOATSと事業内容は、終了後、非営利会社(Non profit company)として地元に引き継がれました。JICA事業期間中にカウンターパートだった州環境省のザマ氏と地元スタッフ2人が中心となり、日本からの事業資金で運営されていた状態から、資金も車も給料もない完全地元ボランティア運営へと大転換を果たしたのでした。

 TAAAは、NPC(Non Profit Company)MOATSから四半期毎の事業報告をいただいています。報告からは、様々な困難はあるものの、地元にあるリソースをフルに活用しながら、地元に着実に根付いている様子が見えてきます。

 州環境省、地元NGO、地域グループなどとネットワーキングを構築していることにも頼もしいものを感じますが、私が特に目を見張るのは、農業塾の卒業生としっかり繋がり、彼らをリソースとして地域の有機農業促進へ活かしているやり方です。

 農業塾の卒業生のなかには、プロの農家として会社を立ち上げたチリザ氏を筆頭に専業農家や兼業農家になった人や、協同組合や地域菜園グループを立ち上げてグループで畑作りをする人達が出てきて、彼らは今でもMOATSと繋がり協力し合っています。MOATSは彼ら積極的な卒業生ファーマーのなかから、地元で有機農業を普及するリーダーとして7名を選び、リーダーシップ・トレーニングを提供しました。トレーニングを受けた7名は“アンバサダー”となり、「有機菜園を始めたい」という近隣住民を指導するようになりました。このやり方は、地元での有機菜園の普及に大変効果的で、アンバサダーの何人かは、各自で菜園グループを立ち上げ、その中から指導できるファーマーが育つなど、アンバサダーの周辺では、着実に家庭菜園や菜園プロジェクトが増えてきているそうです。

 私はこのアンバサダーという自尊心を向上させる名称に、脱帽しました。 産業が少なく多くの若者が失業している地域です。健全な自尊心を育む機会が少なかったがために、大きな潜在能力を持ちながらも自分に自信を持てずに発揮できていない地元の若者を大勢見てきました。逆に、ちょっとした自尊心の向上で、大きく成長した若者たちにも会ってきました。「アンバサダー」と呼ばれる彼らの誇らしげな顔が目に浮かんできます。

 JICA事業期間中は、地域に「ないもの」ではなく「あるもの」に目を向けて、地元のリソースを活用していくことを目標にしていました。なかでも一番大切なリソースはヒューマンパワーで、人に目を向けて働きかけることを、私たちは全ての活動においてとても大切にしています。MOATSはTAAAの考えを地元流にさらにパワーアップして引き継いでくれています。様々な課題はあるものの、地元の人々を精神的にも技術的にもエンパワーしながら、彼らと一緒に着実に成長していこうとするMOATをこれからも熱く応援していきたいと思っています。


(久我祐子)


2019-12-18 日本

今年最後の梱包作業・忘年会・現地図書活動報告会


 12月第3日曜の15日には、一時帰国中の現地プロジェクトマネージャーの平林薫さんに加わっていただき、年度末としては集まりがやや少なめの7人で、10時から12時まで、本の種分け・梱包とサッカーボールの空気抜きに取り組み、最終的に完成した梱包箱は20ほどになりました。お寄せ頂く本は、①就学前・小・中学校 ②高校 ③専門・大学 ④大人用(ペーパーバッグ中心) ⑤農業 ⑥スポーツ ⑦美術 ⑧宗教 ⑨辞書・百科事典 ⑩日本関係というような種類に分けて梱包しておりますが、②の高校生向けが圧倒的に多く、①の小学生用は、思わず「素敵!」と声を上げて読み始めてしまうものもたくさんあるのですが、絶対数が少ないという残念な実情を、今日も痛感させられました。

 12時からは、恒例の鍋忘年会で、1960年代のヨーロッパ・日本・中国、参加者の学生時代、会話を通して想像のつく相手の経済状況、南ア航空のような大企業の倒産寸前の意味するところなどが話題になりました。

 忘年会後は、平林さんからの現地プロジェクト報告を受けました。外務省のNGO連携無償資金協力事業で2013年から支援対象としてきたムタルメ/トゥートン学区から同じウムズンベ州のドゥエシューラ学区に移動して今年9月から始めた新規図書支援活動が3ヶ月余りを経て、対象12校(小7校、中・高5校)で順調に進んでいる様子が、映像を交えて報告されました。

 援助対象高校の図書委員会での高校生時代の活躍を契機に、TAAAの図書プロジェクト・ファシリテーター役を担ってきたモンドリさんが、先行プロジェクトでの経験を生かして、新規12校での2月からの貸し出し開始を実現すべく、平林さんの右腕となって図書室整備と図書委員会活動の立ち上げに尽力している様子やこれまで平林さんが築いてきた地域の教育関係者とのつながりがあちこちで生きて、協力も得られている様子が伝わってきました。
 その一方で図書司書の学位を持つのに実践の機会に恵まれて来なかった若者にも、モンドリさんのように司書学歴はなくても図書活動の実践を積んで実力のある若者にも、経済的に自立できる道を保障できないことに象徴される南アの現状は、日本の今の若者の置かれた厳しい状況にも繋がることを思わずにはいられませんでした。

 ヨーロッパ系やインド系に互してやっていくためにはアフリカ系が身につける必要があると平林さんが強調していた「マネージメント力」とはなんぞやということも合わせて考えさせられました。最後にOrigami for Africaの木村香子さん創作の美しくかつ実用的なしおりが、今後南アの学校図書室にも紹介される予定であることが報告されました。


(大友深雪)


2019-11-2 南アフリカ

ドゥエシューラ学区に移って2ヶ月経ちました


Cophela小本棚設置

Malusi高で書籍の登録作業

 これまで長く支援活動を行ってきたムタルメ地域を離れ、新しくドゥエシューラ学区での図書事業が始まってちょうど2カ月となる。同学区での活動は初めてであるが、実は地域自体にはかなり前から馴染みがあった。2010年に開始となったJICA学校菜園事業および図書事業の対象地域の一つであるプンガシェの学校を訪問する際に、いつもドゥエシューラ学区内を通過していたのだ。当時はスタッフのマイケルさんと主に移動図書館車を利用して学校訪問をしており、道路沿いの学校の生徒たちが興味深そうに図書館車を見つめたり、手を振ったりしていたことが印象に残っている。マイケルさんとも“これらの学校を通り過ぎちゃって何か悪いね。サポートしてあげられたらいいのだけど”なんて話をしていた。特に道路に面した学校で大きな看板が出ている“Imbalencane Primary”は、caの発音がチャになり、前を通るたびに“インバレンチャネ”と発音練習をしていたことを覚えている。また、途中にJAPANという名の酒屋さんがあり、“何で酒屋がJAPANってつけたんだろうね”なんて笑っていた。今度こそは理由を聞いてみたいと思っている。



Dweshula小にコンテナー図書室設置

 ムタルメ地域では最大42校への支援を行っていたが、今回は図書活動が全く初めて、もしくはある程度の設備はあるが活動が行われていない学校のため、対象校を12校とし、じっくりと時間をかけて活動を行っている。現在は図書室の設置もしくは改善に取り組んでいるところで、スペースのない4校へのコンテナー図書室設置も完了した(3校へは日本NGO連携無償資金協力より、1校へはひろしま祈りの石財団より寄贈)。対象地域ドゥエシューラ学区長のザミサさんは、以前ムタルメ学区長だった際に協力して活動を行った間柄であり、“ぜひドゥエシューラ学区への支援をお願いしたい”というリクエストを受けていた。今回ドゥエシューラ学区での図書活動が決まったことを大変喜んでおり、校長を対象とした会議ではTAAAのムタルメ学区での事業の話や、新規図書活動への積極的な参加とサポートを各校長に強く呼びかけてくれた。万一、何らかの問題が見えてきたときには“ザミサさんに言っちゃうぞ~”という切り札を持ったことになる。

 対象校の一つMehlomnyama Primaryも道路沿いに看板が出ていて印象に残っていた。最初の訪問日に門を通ると、青々としたホウレン草やニンジン・タマネギが育っている学校菜園が目に入った。スタッフのモンドリと“この地域でもすでに畑作りをしている学校があるんだね”と話をしていたところに“いらっしゃ~い”と出迎えてくれたのが、何とムタルメ地域のインプメレロ小で菜園担当をしてくれたムソミ先生だった。先生が“田舎の方”に転勤されたということは聞いていたが、まさか新規対象校の先生だったとはびっくり。新任地でも有機畑作りをしっかりと続けてくださっていて感激だった。ムソミ先生のお孫さんも同校に通っており、早速図書委員会メンバーに参加してくれた。そしてつい最近、対象校のMgamule高にコンテナー図書室を設置した際、学校のすぐ隣の家からムソミ先生が現れ、またまたびっくり。彼女の実家でお父さまが亡くなり、お葬式の準備をしているところだった。新規事業でムソミ先生と再会し、また一緒に活動ができることをとてもうれしく思っている。

 ムタルメ地域で有機学校菜園事業を行っていた際、他地域への広がりを目的とした活動として、今回の対象校であるUmalusi Primaryで有機農業研修を行ったことがあった。当時ファシリテーターであったシャリさんのお父さんが同校の教師で、ぜひ有機学校菜園を行いたいというリクエストを受けたのだった。その際に校長から“できたら図書活動の方も支援をお願いしたい”と言われていたのだが、なかなかリクエストに応えることができず、今回対象校として訪問したが、校長はすでに今年初めに退職されていた。シャリさんのお父さんは現役で教鞭をとっており(顔や姿が瓜二つ)、やはり畑作りや庭仕事が大好きで、シャリさんはきっとお父さんから影響を受けたのだと感じた。

 これまでに活動を通して知り合った先生方からは多くを学ばせてもらい、たくさんの経験や思い出ができた。新規事業もスタッフのモンドリと共に順調なスタートを切ったところで、今後、対象校の先生方や生徒たちとの活動や交流をとても楽しみにしている。


(プロジェクトマネージャー 平林薫)


2019-9-28 南アフリカ

新規対象学区で図書活動が始まりました


Nani高図書室設置予定教室と委員会メンバー

本の受け入れ登録をするDuduzile中生徒

 TAAAは、6年間支援してきたムタルメ・トゥートン学区(クワズールーナタール州ウグ郡ウムズンベ自治区内)を去り、9月から近隣のドゥエシューラ学区で新たに学校図書支援活動を始めました。
 外務省NGO連携無償資金協力事業「ドゥエシューラ学区の生徒の経済・社会参加に向けた学力向上と基礎技能習得」として、同学区の小学校から高校までの12校を対象に、英語力向上を目指した学校図書支援活動とパソコン基礎技能指導(2年目に予定)を行っていきます。
 ほとんどの学校に図書室がなく、本といえば教科書しかないという環境からのスタートとなりますが、ムタルメ・トゥートンでの経験を生かし、教師と生徒と一緒に楽しみながら活動していきたいと思っています。



研修会でグループワークをする司書教師

 スペースのある学校には空いている一室を使い、スペースのない学校にはコンテナを設置して図書室を作っていきますが、同時進行で、各校で8名の生徒と2名の司書教師からなる図書委員会を設立し、彼らが図書室の運営・管理、図書推進活動が出来るように指導していきます。図書委員会には図書室設置の段階から関わってもらい、生徒、教師、TAAAが力を合わせ、学び合いながら一から図書室を作り上げていきます。「自分たちが汗水たらして作った図書室!」という自負心が、その後の活動のエンジンやアクセルになっていく。ムタルメ・トゥートン学区での経験から学んだことです。

 すでに多くの学校で生徒と司書教師が選任されて図書委員会が出来上がり、司書教師対象の研修会も開催しました。司書教師といってもほとんどが英語教師で図書運営の経験はありません。この事業を通して司書教師になって行きます。研修会では、ELISTからのファシリテーターの説明の他に、TAAA図書指導員であるモンドリに“高校の図書委員会メンバーとしての経験とTAAAのプロジェクト担当としての経験”を伝えてもらいました。モンドリは、ムタルメ・トゥートン学区の元TAAA対象校で図書委員会生徒として大活躍し、卒業後はTAAAスタッフとして多くの学校の図書委員会生徒たちを指導してきました。教師たちは、モンドリの話に興味を示し、耳を傾けていました。

 図書委員会生徒たちも活動を開始しました。ドゥドゥディレ中学校では、図書室の設置はこれからですが、それに先立ち、委員会生徒たちを中心に図書の登録作業を始めました。一日で300冊も登録したそうです。

 TAAAのモットーは“プロジェクトリーダーは生徒たち”。主役である生徒たちを指導し、生徒を導く教師たちにアドバイスをし、一緒に考えながら彼らの頑張りを支えていくのがTAAAの仕事です。新規学区での図書支援活動は、いい感じでスタートしました。


(久我祐子)


2019-8-21 日本

本の梱包と「ぐりとぐら」民族語ラベル貼り(2019年8月18日)

 毎日の猛暑にもめげず、11人のボランティアがさいたま市の作業場に集まりました。毎月第3日曜日の10時から12時までがTAAAの作業の日です。
 前半と後半、二手に分かれて、絵本「ぐりとぐら」にズールー語訳のラベルを貼る仕事と英語の本やサッカーボールを梱包する仕事を交代で行ないました。梱包作業はエアコンのない作業場で行ないます。きょうは、SMBCグループから、ボランティアを希望された4人のかたが見えました。このうち、Aさんと小学生のお嬢さんとBさんは昨年の8月にも参加されたリピーターのかたでした。CさんはSMBCグループから来られて今では、毎月、参加してくださっています。20キロ以上にもなる梱包された段ボールの重さを測り、高く積み上げるなどの力仕事を引き受けてくださる頼もしい存在です。
 TAAAの中心のスタッフは20年~30年のベテランが多いのですが、最年少のスタッフDくんは小学生の時、お母さんと一緒に来られて、その後、中3で再度、スタッフとして作業に参加。高1の今夏、南アのスタディツアでケープタウンのタウンシップを訪ねて来られました。
 いま、作業場の半分は、うずたかく積まれた420個を超える段ボールでいっぱいです。これは9月には発送。10月位に南アフリカのTAAA事務所に到着の予定です。


(野田千香子)


2019-7-14 ウガンダ

ウガンダの子ども達に本を寄贈しました


 ウガンダ共和国にある「あしながウガンダ」の子ども達に、少しばかりですが英語の本を寄贈させていただきました。
 現地代表の今村さんから子ども達の写真とご報告が届きましたので、ご紹介いたします。


あしながウガンダレインボーハウス、TAAAからの英語図書寄贈について


 あしながウガンダレインボーハウスは、2003年に、ウガンダの首都カンパラ郊外にあるナンサナ地域に開設されました。当時、ウガンダは世界に広く拡大したHIV/AIDSの影響を最も大きく受け、それが原因の1つともなり、多くの遺児を発生させました。
 あしながウガンダレインボーハウスは、HIV/AIDSで親を亡くした子どもたちに対する心のケアを行う施設として開設され、その後、2008年には、経済的理由から小学校にも通えなくなった子どもたちに対する教育事業(Terakoya)を開始しました。現在は、理由を問わず、親を亡くした子ども達を対象としています。ウガンダでは、初等教育の授業料は無償ですが、学用品や給食代などの経費は各家庭負担です。したがって、親を亡くした子どもたちの中には経済的理由から就学できなくなる子が少なくありません。そうした子どもたちに公教育と同じ教育機会を提供し、修了後は、若干の奨学金とともに公教育に戻ってもらうことを目的として、Terakoya事業を実施、現在は、日本でいうところの年長クラスから3年生までの69名が勉強しています。
 ウガンダでは、英語が公用語の1つとして定められていますが、家庭での言語は現地語であることが通常で、子どもたちは学校で始めて体系的に英語を習うことになります。そのために英語の授業及び読書(Reading)クラスを設けていますが、教科書も1人1冊とはいかず、コピーで対応している他、副読本も圧倒的に不足しています。町中の本屋さんにも子ども向け図書はありますが、学習用に適した本となると種類も数も多くありません。
 そこで、今回、会議での帰国時に、旧知のTAAA元代表である野田さんに、ご寄付の可能性をお伺いしたところ、代表の久我さんにもお話いただき、ご快諾をいただきました。
 7月初めに持ち帰り、子どもたちに紹介、手渡したところ、大変な喜びようでした。授業での利用はもとより、読書という新しい習慣をつけてもらうべく、今後有効に活用していきたいと考えています。
 改めて、皆様にお礼申し上げます。

あしながウガンダ現地代表
今村嘉宏


(久我)


2019-5-22 南アフリカ

JICA事業終了と農業塾のこれから

 JICA草の根技術協力事業“有機農業塾を拠点とした農村作り”は4月15日に無事完了した。現地でMOATS(Mthwalume Organic Agricultural Training Schoolの頭文字)と呼ばれている農業塾は、事業終了までにNPC(Non Profit Company非営利会社)に登録され、カウンターパートとして多大なサポートを下さった州環境省のザマ氏、指導員として活躍した地元在住のグメデ氏とジュワラ氏をメンバーに再スタートを切った。

 コロコロ・トフェット地域の人たちへの有機農業研修、農業塾でのトレーニングコース、学校での有機菜園活動と生徒の家庭菜園作り促進を中心とした活動は、2年9ヶ月とそれほど長くはない期間の中で、地域の人たちに有機農業への関心を高めることができたのではないかと考える。地域の特に女性は農業に慣れ親しんでいる人もいることから、有機農業研修を受けるとすぐに活動に取り組むことができた。学校でも好き嫌いはあるものの、生徒はすんなりと活動に馴染んでいた。一番難しかったのはやはり若い人たちを対象としたトレーニングコースをいかに興味深いものにするか、卒業後に有機農業をしっかりと理解した上で畑作りを続けてもらえるか、という点だった。

 事業開始前に有機農業の師であるリチャード・ヘイグ氏から“若者は流動的だから、落ち着いて畑作りをさせるのはなかなか難しいよ”と彼の経験からのアドバイスをもらった。確かに、トレーニング修了後すぐに証書を手にダーバンや近くの町で就職活動を始めた卒業生も見られた。ただ、指導員の話では“トレーニングを修了したことが彼らにとって自信となり、次のステップに進む力になった”とのことだった。また、学んだ有機農業の知識と技術を彼らがいつか活用する日が来るかもしれない。

 全卒業生の代表と言えるのが第3回コースを受講したコロコロ地域在住のシヤボンガ・チリザ氏だ。トレーニングコースを受講した時、彼は自分の将来のキャリアを模索しているところで、仕事経験はあったようだが“自分でビジネスを立ち上げたい”という強い思いがあった。有機農業を学び、その有効性と可能性を十分に認識した上で農家としてスタートした。トフェット地域に関しては、出張トレーニングコースを修了した卒業生7名が協同組合を立ち上げ、有機作物栽培と養鶏を行っている。もちろん、農業で生計を立てることは容易ではないが、彼らは畑作りに情熱を持ち、“水を得た魚”のように生き生きとしている。

 事業終了前に卒業生へのアンケート調査を行い、卒業生全112名中、83名から回答があった。83名のうち畑作りを継続している卒業生が59名、学業や仕事で現在は離れているが再開する予定と答えたのが23名だった。また、“有機農業について家族・友人・知人に話したり指導したりしたか”の質問には82名が“はい”と答え、その対象数は640名に達した。上記2つの質問に“いいえ”と答えた女性卒業生は、農業が自分には向いていないと感じたようだ。

 また、“トレーニングコースの受講は前向きな影響をもたらしたか”という質問に82名が“はい”と答えた(上記卒業生も“はい”と答えていた)。何がよかったかを尋ねたところ、有機農業の知識や技術を得て畑作りができるようになった、という答えが最も多かったが、“質の良い”“栄養価の高い”“お金をかけず”“味がよい”などの言葉が見られたことは有機農業への理解を示すもので、“前向きな”成果と言える。また、“地域の人たちが励まされ、地域が開発された”“自分の育てた作物について自信を持って話ができるようになった”という回答があったことは喜ばしい。私自身が一番うれしかったのは“畑仕事が好きになった”というメッセージだった。1名“いいえ”と答えた卒業生は、“トレーニングコースだけでは十分に学べず、コース修了後、ファシリテーターのサポートなしで自分の力だけでは継続できない”と正直に答えていた。この卒業生に関しては、指導員でNPCメンバーとなったグメデ氏にフォローアップをお願いした。

 最後に“将来の計画は”と尋ねたところ、43名が“有機農家として自立・畑作りと収穫物の販売”と答えた。また、10名が“有機農業を教える・次の世代に伝える”と答えた。とても頼もしく、これからが楽しみである。

 小規模農業が定着しておらず、先例から学ぶことができない地域の若者にとって、トレーニングコースは将来に向けた様々な学び・経験となったと思う。また、州環境省と共に活動をしたことで環境保全にも意識が向けられたことや、伝統文化や作物への理解も深めたことは、この事業が技術指導だけでなく、地域の人たちの農業に対する意識の変革にも寄与したのではないかと考える。


(プロジェクトマネージャー 平林薫)


2019-3-9 ルワンダ

ルワンダでのキニヤルワンダ語訳「ぐりとぐらプロジェクト」


 ルワンダでJICAボランティアをされている園田さんから、「TAAAが絵本「ぐりとぐら」をズールー語に訳したラベルを余白に貼って、幼い子どもたちに読書の楽しさを知ってもらう活動を行なっていることを知り、ルワンダでもキニヤルワンダ語のラベルを貼って読書に親しんでほしい」という趣旨のメールをいただきました。TAAAではさっそく、小包で英語版を1冊と日本語の「ぐりとぐら」数冊をルワンダに送りました。
 園田さんからご報告を頂きましたのでご紹介いたします。


<報告>

 ルワンダ北西部ムサンゼ郡キモニセクターに、虐殺やDV、薬物依存やHIV等を含む暴力被害のトラウマ克服とコミュニティ再生に取り組むHealing and Rebuilding Our Communitiesという団体のオフィスがあります。今回「ぐりとぐら」の現地語訳に取り組んだのは、その一角にあるChildren’s Peace Library Musanze。週末は大学に通いながら、平日は図書館司書としてこの団体で働くルワンダ人青年クウィゼラ・ジェレミー君が一緒に翻訳をしてくれました。
 日本語と英語の絵本両方を使って内容の細かい説明をしながら、適切なキニヤルワンダ語に訳します。中にはルワンダでは馴染みのない食べ物や単語も登場するため、ルワンダの子ども達の身近なものに置き換えたりもしました。印刷したキニヤルワンダ語訳を、ご寄付いただいた「ぐりとぐら」の原本に貼り付け、完成。英以前まで蔵書は英語ばかりだったため、ほとんどの子ども達は絵本の挿絵を見て楽しむだけでしたが、現在は自分たちの母国語で絵本のストーリーを楽しめるようになりました。
 「ぐりとぐら」の翻訳を機に、もともと図書館にあった英語の「はらぺこあおむし」の絵本も2人でキニヤルワンダ語に翻訳しました。今後もこうして少しずつ現地語の蔵書を増やしていきたいねと話しています。


<背景と御礼>

 今回、貴会が「ぐりとぐらプロジェクト」を南アフリカにてズールー語で実施していることを知り、単一言語国家であるルワンダでも同様のプロジェクトを実施したいと申し出させていただきました。貴会のご厚意でご快諾いただき、上述のような活動を行なっています。
 ルワンダでは読書が習慣として根付いておらず、本を読む楽しみを知らない子どもがほとんどです。そんな中、数少ない図書館での蔵書はほとんどが寄付された英語の本。十分に内容を理解できない上に読書文化がない子ども達にとって、本を読みたくなる環境と言えるものではありませんでした。英語教育のために英語の本を読むことも大切ですが、まず本を読む楽しみを知ってもらうためには、キニヤルワンダ語の絵本は必要不可欠と思い、貴会に申し出た次第です。
 事務局長の野田千香子様をはじめ、代表の久我様、お取り次ぎいただきました浅見様並びに「アジア・アフリカと共に歩む会」ご関係者の皆さまに、心より感謝申し上げます。

2019年2月
JICAボランティア(2017年度2次隊・ルワンダ・青少年活動)
園田 理沙


(事務局 野田千香子)


2019-2-9 南アフリカ

学び合いの場になってきた農業塾MOATS


 2016年7月に始まったJICA草の根技術協力事業「有機農業塾を拠点とした農村作り」は、いよいよ4月15日に終了します。これまでに、山間部の出張トレーニングコース生を含めて112名の卒業生を出し、その他にも多くの地域住民を指導してきました。
 また、MOATSで育てている苗や鶏卵を購入する近隣住民が増えてきており、現在は月平均100名の地域住民がMOATSを訪問するようになりました。

 昨年9月からは、新たに生徒を募集せずに、上級コースを設けて今までの卒業生の再トレーニングに励んでいます。上級コースでは、採種方法の再指導など直接有機栽培に関する内容だけでなく、瓶詰めや食品乾燥などの食品加工技術、養鶏、フェンス作り講習など幅広く行っています。フェンス作りの達人といわれる地域住民を指導者として招き、伝統技術に詳しくない若い卒業生たちに、地域に自生している竹を使った地元の技を指導してもらいました。「身近なものを有効利用しコストをかけない野菜作り」という有機農業のコンセプトを地元のフェンス作りの技の中で再確認した講習会でもありました。
 達人の畑のフェンスは、それは素晴らしい模様を成していて、防御だけでなく装飾の機能も持たせているそうです。

 収穫物を利用した調理研修会も開催し、栄養を逃がさずに化学調味料使用を控える調理方を紹介しました。卒業生たちは伝統食のレシピ交換を行っていました。


 農業塾では、スタッフたちが、トレーニング生や地域住民に技術を指導し知識を教えてきましたが、指導が一方通行で終わるのではなく、ここにきて、卒業生や住民が伝統の技や経験を教え合う“学び合う場”に成長してきています。学び合いには、スタッフたちも参加し、彼らも住民や卒業生から、販売先や地域の伝統食や技など、自分たちが知らなかったことを学んでいます。

 事業終了後、MOATSが有機農業の中心地となり、卒業生を中心に地域住民が集って、経験、知識、情報の交換をしたり、地元の伝統や技を再確認したり、新しい知識や知恵と結びつけて応用したりと“学び合いの場”として発展していくととても面白いと思います。
 MOATSが、地域内でそのようなユニークな場として機能していってほしいと願っていますし、大きな可能性を感じています。


(久我)


2018-12-25 南アフリカ

2018年図書事業のご報告

 今年2月末に外務省日本NGO連携無償資金協力事業(N連事業)による図書事業が終了し、3月よりTAAA独自の図書事業として先行事業対象校を巡回訪問している。特に力を入れているのは図書委員会生徒の自立した活動へのサポートと活動継続へのアドバイスで、新メンバーが活動内容を理解して自主的に活動を推進できているかのモニタリングを行っている。
 図書活動は基本的に司書教師の力に頼るところが大きいが、司書教師が1人で頑張っても逆効果で、生徒の力を信じて任せることができる学校で活動が進んでいる。どの学校にも必ず時間さえあれば図書室に飛んで来て本を読む生徒がおり、読書を楽しみ、本から学び、他の生徒への読書促進を行う姿も見られる。

 N連事業では対象校の図書室にノートパソコンを設置してリソースセンターとし、生徒にパソコンの基礎的な知識と使い方を指導した。今年度は図書委員会生徒に指導し、学んだ生徒が他の生徒に教えるピア教育の方法を取り入れて活動の継続につなげており、生徒がリーダーシップを身に付けることにも役立っている。今年度TAAA図書事業としてパソコンの寄贈と指導を行っているヴェルメメゼ小では、学年末までに図書委員会生徒がパソコンの基礎技能を学び、新年度には図書委員会新メンバーへの活動の引き継ぎとピア教育でのパソコン指導を行う。

 ベキズィズウェ小は在南ア日本大使館の草の根支援をいただいて3教室を建設し、うち1教室に本棚と書籍を設置して図書室とし、現在では生徒が読書やリサーチ、パソコン学習等に利用している。フンデドゥーゼ小は以前スペース不足のため独立した図書室の設置ができず、図書活動がなかなか進まなかった。コンテナ図書室の設置後、図書委員会を立ち上げ、司書教師および委員会生徒への研修と活動のモニタリングを経て、図書室内で本の貸出しや生徒のリサーチなど様々な活動が行われるようになった。
 また州教育省図書部門(ELITS)から蔵書の補充も受けて活動が充実してきている。TAAAはELITSと共に学校図書活動推進を行っており、双方のイベントやプログラムへの参加、情報共有を通して協力体制が確立された。

 これまで図書活動の経験のなかった学校で図書室が有効に利用されるようになるまでには、1.活動のベースとなる図書室の設置と蔵書の配備、2.図書委員会の設立とメンバーの選出、3.司書教師および委員会生徒への研修、4.本の貸出し等活動のモニタリング・アドバイスと学校内での読書推進活動、5.学年末(12月)から新年度(1月)の引き継ぎ確認、という過程を経る。そして、学校全体で図書室と読書の重要性を理解し、活動が定着した時点で英語力や学力向上のための活動(音読イベント、英語スピーチ、スペリングコンテスト、リサーチ等)が行われるようになる。ムタルメ・トゥートン学区の対象校では、TAAA事業による活動とELITSのサポートの下、時間をかけてこのようなプロセスをたどり、図書委員会を中心に継続して図書活動を行うことができるようになった。

 地域の学校では設備や物資、指導者不足により、いまだにクラブ活動・課外活動が行われていないため、生徒の興味を満たし、能力を開発する場は多くない。TAAA事業の3つの柱(図書・有機菜園・サッカー)は、生徒が自分の興味のある分野の活動に携わることができ、できるだけ多くの生徒が充実した学校生活を送る機会の創出に寄与していると言える。


(プロジェクトマネージャー 平林薫)


2018-10-14 南アフリカ

大学生の現地訪問記② 自然とともに生きる人たち


 今回、初めて南アフリカに訪れ、また農業塾や学校、周辺コミュニティへの訪問をする機会をいただきました。

 小学校や、農業塾では野菜の栄養に関するセッションを行いました。農業塾ではそれに加えて料理教室を行いました。栄養セッションでは、難しいビタミンなどの話を極力省いたため、とても面白かったなどの感想をいただきました。また、料理教室ではほうれん草の卵炒めと、ミネストローネを作りました。炒めるという調理法があまりメジャーではないため、その布教と、普段手に入れやすいトマトサーディン缶に野菜を加えることで栄養を摂れるようにする、また化学調味料を使用しないという目的でありました。美味しい、レシピを知りたいなどの声が聴かれたため、これからはなるべく化学調味料を使わないで料理ができるようになれば良いと思っています。

 また、私は農業大学生として、何ができるのかという思いを抱いていましたが、実際は私の方が学ぶことが多くありました。
 私は農業をビジネスとして学んできましたが、農業塾スタッフや卒業生、学校菜園にかかわる生徒たちは農業をまさに生業としているのだと感じました。生きるために作物を育て、またこれから先も自然とともに生きるために土を育てている彼らを見て、非常に感動しました。農業はビジネスではなく、人と人が助け合い、生きるためのものだと思い出しました。
 小学校菜園を耕している子供はすでに農業者であり、土を悠々と耕しておりました。農具が十分ではないため、小さなスコップで畑を掘り起こし、新たな苗を植え…。



しかし、もちろんビジネスとしての農業も重要になってくるだろうと思います。農業塾では実践的な有機農業を教えていますが、ビジネスコースでの授業をそろそろ展開しても良い頃合いだと思います。きっとこれからも良い農業者が生まれてくるのだと思うと、非常に胸が高まる時間でした。


(東京農業大学 3年 今別府映理)


2018-10-13 南アフリカ

大学生の現地訪問記① 食育の重要さ


現行のJICA草の根技術支援事業のプログラムとして、8月下旬~9月上旬にかけて東京農業大学の学生さん2名が現地を滞在し、農業塾卒業生や地域住民に交流を楽しみながら栄養指導をしてくれました。その訪問記を2回に分けて掲載します。


 今回の南アフリカ滞在では現地の方と共に交流することを通して農業と食に対する興味や関心をお互いに高めたいと思い参加を希望いたしました。

 8月の南アフリカ滞在に向けてどのような企画をしたら現地の方にとって充実した時間になるのか春から同じ東京農業大学の今別府さんとTAAAの久我さん、大友さんと平林さんと話し合いを進め、滞在への準備をしました。そして、現地では栄養に関する知識と野菜の調理法に関する知識を持っている人が少ないということで、栄養に関するワークショップと料理のセッションを行うことが決まりました。

 滞在4日目に農業塾MOATSで栄養のワークショップと料理のセッションを行いました。料理のセッションではにんじん、じゃがいも、たまねぎ、にんにく、トマトと現地で人気のトマトベースの鯖缶を使った野菜スープとほうれん草の卵炒めを作りました。どれも今別府さん、平林さんと一緒に現地の人が簡単に作れて、煮たり炒めたりと様々な調理法を紹介できるということで、この2つのメニューを農業塾で紹介しました。参加してくれた生徒も積極的に質問をしてくれました。また、味も気に入って下さり、私たちが紹介した料理に興味を持ってくれました。後日、調理法をまとめたレシピを渡しました。

 今回の活動を振り返って、栄養など食に関する教育の重要さを感じました。自分の食生活を管理することは病気のリスクを減らすことに役立ちますし、訪問した地域のように大きな病院がない環境では必要なことであると感じました。また、彼らが野菜など食べ物の栄養を学ぶことは野菜や家畜を育てることに対してモチベーションにもなりますし、農業で生計を立てる際に、消費者に野菜の健康への効果を伝えることで多くの人が食生活や野菜など食べ物に対しての意識が変わると思います。自分だけでなく多くの人が改めて自分の食や健康について考えられるいい機会になると思いました。ですから、今回の滞在で行ったように、現地の人たちが食や栄養に関する知識を得られる機会が増えると、現地の人の生活はより良くなると感じました。


(東京農業大学 4年 丸山真由)


2018-9-17 南アフリカ

南アから学ぶこと「ほんもののrespect」


 図書プロジェクトの現地スタフのモンドリ・チリザさんは、「図書活動命」の22歳だが、近所の学校の生徒達にサッカー遊びを呼びかけ、友達が友達を誘い、とうとうチームを編成できるまでの人数があつまって、始めてから1年でサッカークラブの「オーナー兼監督」にもなってしまっていた。6月視察訪問滞在中の土曜日の午後、他の地元チームとの試合を見に来て欲しいと言われ、ガラスビンの破片やゴミが散らかっていたコミュニティーサッカーフィールドだったがほぼ全員が裸足で活躍する素敵なプレイと引き分け試合を楽しませてもらった。

 試合中・試合後のモンドリ監督とクラブメンバーの小中学生たちのやりとりを見聞きし、子ども達がモンドリさんをとても尊敬しているようだったので、久我さんが「子ども達はあなたのことを尊敬していますね」と声をかけると、モンドリさんは「はい、そうです。私も彼らを尊敬していますから」と即答。担当の図書プロジェクトでは、「図書司書の先生方の生徒に対する信頼が十分でないことが一番の問題だ」と訴えていたが、それに通ずる「相手に対する尊敬は双方向であるべき」との考えで、これは日本へ持ち帰るべき最大のおみやげだと思ったのだった。

 1955年の「自由憲章」、アパルトヘイト廃絶のための民衆闘争、新憲法制定、真実和解委員会などからも多くを学ばせてもらった南アの人々からは、これからも学び続けることになることを実感する現地訪問となった。
(大友)


2018-8-22 南アフリカ

アパルトヘイトで寸断された農業を「生きなおしている」人たち②


 一番印象に残ったのは、やはりMOATSの卒業生でダーバンの学校に通いながら、普段はお母さんに任せ、休みの時だけ畑をやっているという28歳の女性。訪問時には丁度お母さんと二人でお母さん自作の織機の前に座って、注文を受けたマット(ゴザ)の製作中だった。

 私たちの訪問に、その手を止めてやや重たそうな腰を上げ、家の前に広がる彼女の畑を案内してくれた。急坂を30分ぐらい下ったところに竹やゴザの材料になる葦のようなものも繁茂する川がありそこから水を汲んで来ているという。お父さんに手伝ってもらって作ったという動物よけの竹を支柱に枯れ木で編まれたフェンスに囲まれた8畝ぐらいの畑には、ほうれん草、にんじん、タマネギ、キャベツの他に唐辛子とレモンの木が植わっていた。3色のビニールが風に舞って魅惑的な雰囲気を醸し出していた彼女お手製の案山子に注目した直後、畑を荒らしかねない山羊の小屋を畑上方に隣接させて、その底部から山羊の糞が自動的に彼女の畑のあぜ道に落ちるよう傾斜を付けたしかけには、思わず感嘆の声を上げてしまった。

 さらに私たちをうならせたのは、お母さんと兄弟と同居し、2人の子持ちのシングルマザーであるやや無愛想な彼女が、なんと、ダーバンでの経営・財政学を勉強がおわったら、地元で有機農業ビジネスをやるつもりだと言ってにっこり笑ったときだった。これから18ヶ月の実習があり、学校を終了したらいずれ右側の空き地にも畑を広げたいとも。



 再びお母さんとのゴザ編みに戻った彼女に別れを告げしばらく下ると、日用雑貨と日持ちする若干の食糧を揃えている小さなお店をみつけた。野菜の品揃えを確認したところ、持ちの良いジャガイモやタマネギ以外は、腐らせてしまったことがあるので置いていないと言われた。将来この店と彼女がタイアップして、新鮮野菜は彼女の家の畑で直売する仕組みをつくれないだろうかと勝手ながら夢が膨らんだ。


(大友)


2018-8-11 南アフリカ

アパルトヘイトで寸断された農業を「生きなおしている」人たち①


 MOATSのトレーニングコースの卒業生や先行プロジェクトのモニタリング先で個人であるいはコミュニティーで有機農業を続けている方たち、MOATSで育てた有機苗の買い手としてファシリテーターの一人であるナチさんがリクルートした家族やグループなどを訪問する機会に恵まれた。画才があれば、思わず肖像画を書きたくなるような魅力を放っている人たちであったが、ここでは特に印象に残った何人かをそれぞれ簡単に紹介してみたい。

 JICA先々行事業の対象コミュニティー菜園グループのメンバーで一時中断していたが、自分たちが死ぬ前に、子どもや孫達に自分たちの農法を伝えておきたいという思いで2018年4月に再開させていた年配グループがいた。種は農業省からもらっていたが、届くのが遅いし、キャベツはうまく育たなかったので、Coastal Farmers から買うようになったとのことだった。訪問時MOATSに注文したほうれん草の苗3箱をうけとり、若い男性3人に苗を運ばせ、牛糞を取りに行かせ、畝を作らせていた。MOATSのものは良質なので、採種するつもりだと言っていた。若者達は失業したから親・祖父母の畑に戻ってきたのかもしれない。先々行プロジェクト以来つけているという帳簿・記録も、この若者達に引き継がれて行き、自給用に販売用も若干加えながら生産を持続させていけることを期待したい。



 思うところあって学校勤務から早期退職したという小学校の元校長は、MOATSの出張(オンサイト)トレーニングで有機農法を学んだ仲間といっしょに地域のシングルマザーを集め、計7人で、自宅の農地でのグループ菜園(エソムーサ=ズル語でgraceの意味)を始めていた。収穫を自家消費用としてグループ内で分けても販売用が残るだけの規模になっていた。冬期の水確保が課題、鶏糞確保のためにも養鶏を学びたいと女性達は張り切っていた。彼女らに賑やかに歓迎され、振る舞われたキュウリ・ブロッコリー・ほうれん草で青みがつけられたヨーグルトバナナジュースの美味しい味は忘れられず、日本に帰って再現して広めている。


(大友)


2018-7-7 南アフリカ

農業塾卒業生へのアンケートとインタビュー


 2016年8月に始まった有機農業塾MOATSは8コースを終え、若者を中心に112名の地元住民が卒業しました。今年4月に1コースから5コースまでの卒業生77名に対し一斉アンケート調査を実施し、6月の視察訪問では、その回答を基に卒業生訪問インタビューを行いました。 アンケートとインタビューの回答から、卒業生たちがMOATSから何を学び取り、大切にしているのかを聞くことができました。

 回答から真っ先に感じ取れたことは、彼らの環境意識の高さでした。「MOATSで学んだことで一番大切なことは」との問いに対し「有機農業が土壌にやさしいこと」「土壌の微生物を殺さない農法であること」という声があり、「化学肥料を使って菜園をやっている友人には有機に切り替えるように説得している」と答えた若い女性もいました。

 今後のMOATSへの要望に対しては「MOATSの野菜を孤児に配給してほしい」との声が多く挙がり、卒業生が弱い立場にいる地域住民を大切に思う気持ちが伝わると同時に、地域の厳しい現実を知らされました。ほとんどの住民が祖父母の僅かな年金に頼って生計を立てている地域です。しかし、命綱ともいえる社会保障にカバーされない層の子どもや大人は、食べていくことがきわめて厳しい。そのような層にこそ、MOATSは配給だけでなくトレーニングの場として手をさしのべていけたらと思いました。

「今後あなたは卒業生としてMOATSにどのような貢献ができますか?」との問いには、「初心者に技術を教えたい」「ボランティアワークをしてもいい」「有機農業の知識を地元住民に広めていきたい」「苗を買うことで貢献したい」などの声がありました。

 MOATS卒業後、卒業生たちは各自で家庭菜園をすることになっていますが、継続していない卒業生の中断理由は、水不足、種が確保できなかったこと、獣害、就職・入学など具体的なもので、非継続者の全員が、「有機野菜は体にいいから」「家計を助けるから」との理由で、再スタートしたいと回答していました。
 彼らが続けられなかった理由から地域の具体的な課題が明確になり、それらの課題対策として、今後は卒業生への再トレーニングに注力することになりました。

 回答から、全継続者も非継続者もオーガニックのコンセプトをバランスよく包括的に習得していたことが分かりましたが、収穫物の販売となると、継続している卒業生でも、販売意慾はあるものの躊躇している姿が見えてきました。特に、販売のネックとして移動手段を挙げる声も目立ちました。
 しかし、実際に販売している卒業生のほとんどが車はなく、地域住民に自分たちの菜園に来てもらったり、売り歩いて売っています。今回の訪問インタビューでは、車に頼らずに販売活動をしている卒業生の一覧表を見せながら、躊躇している卒業生たちに、歩ける距離での地元マーケットの可能性を考えてもらいました。
自分と同じ環境にいる卒業生たちの地元での成功事例は、大いに刺激になったようで、食い入るように一覧表を見ていました。

 また「収穫物を販売したいけれども、地域住民が野菜やオーガニックの知識がないので難しい」との声も多く聞かれ、今後は生産者だけでなく消費者を増やすためにも地域住民全体へのオーガニック教育や食育が普及への鍵になるのではと思いました。 そのためにも、MOATSで有機農業の基礎知識を得た卒業生たちが、再トレーニングで野菜の栄養やクッキングを学び、その知識を地域住民に分かりやすく積極的に伝えていってほしいと思います。

 彼ら卒業生は、生産者、消費者、またMOATSと有機野菜のプロモーターとして、今後地域の有機農業の普及を支えてくれる大切な資産だと、ぎっしり書き込んでくれたアンケート回答を読んで思いました。

(久我)


2018-7-18 日本

7月14日TAAA講演会レポート


 2018年7月14日(土)、幡ヶ谷の「JICA東京」でTAAA講演会が開催されました。かなりの猛暑でしたが、14名の方に参加いただきました。 2時間という限られた時間の中、内容は、野田さん(事務局長)による挨拶、平林さん(南アフリカ事務所代表)による菜園支援活動事業の報告、大友さん(理事)による現地視察報告、平林さんによる学校図書支援活動事業の報告という流れで行い、盛りだくさんで質疑応答の時間がとれないほどでした。

 菜園支援活動事業は「JICA草の根技術協力事業」として実施していますが、農業塾を中心にトレーニングや育苗にも注力しています。 地域の家庭菜園も支援していますが、距離の関係から指導員が出向いています。最近は、従来参加に積極的でなかった男性が少しずつ携わるようになり、喜ばしい傾向となっています。また、リソースセンターは教室の1つを改装してつくられましたが、本の多くはTAAAから寄贈し、農業に関する本は現地で購入しています。近隣の生徒も利用しており、放課後に本を借りにやってきます。

 昨年度の学校図書支援活動事業は「外務省 日本NGO連携無償資金協力」、「ひろしま・祈りの石国際協力交流財団」の支援を受けて実施しました。 菜園支援活動事業と同様、こちらも元々シャイな男子生徒が徐々に参加するようになってきました。 先生の熱意がキーの1つとなっており、先生の指導によって図書室が良く使われるようになると、成績が上がるという傾向も見られるようになってきました。 継続して算数セットが役立てられており、またパソコンを活用したIT指導も行われています。

 平林さんの講演の間に行われた大友さんの視察報告は、とても具体的なエピソードから大局的な視点まで、コンパクトかつ幅広いものでした。菜園支援活動事業では、有機農法の条件が良質な種の確保と採種・育苗技術の習得であること、収穫物は自家消費と近隣販売を優先して車に頼らないこと、事業終了後は本プロジェクトを州環境省の監督下で地域組織が行うこと、という見解が示されました。また、学校図書支援活動事業では、司書と生徒の関係を改善して近隣学校で図書情報共有・ブックボックス交換・イベント開催を行うこと、州教育省との連携を強化するとともに新規支援校を検討すること、IT教育の仕上げや算数セットを活用した授業を継続することがポイントとしてあげられました。

 講演会は今後も毎年定期的に開催していく予定です。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。 今回予定が合わなかった方も、次回お会いできることを楽しみにしております。今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。


(丸岡)


2018-7-7 南アフリカ

2018年6月(17日~25日)現地プロジェクト訪問報告


 今年の久我さんと大友での現地プロジェクト訪問は、JICA草の根技術支援事業「有機農業塾を拠点とした農村作り」の最終年度視察に重点を置いたものでしたが、学校図書プロジェクトの状況確認なども行ってきましたので、私はその部分の報告を行いたいと思います。

 昨年設置され、2人の司書担当教員に出迎えられたFundeduze Primaryコンテナ図書室は中も美しく、使いやすく整備され、州教育省図書部門(ELITS)から配布されたものも相当数入っていました。訪問時にはコンテナの左右の角2箇所に設けられた椅子と机にそれぞれ生徒が3人ずつ座って、ブックレビューを作成しているところでした。ElITS配布図書が充実しているように思えたので、確認してみると、地域の学校の図書担当教員が集まって選書したものが配られているという、うれしい話が聞けました。

 図書室・書棚・生徒の図書活動そしてそこそこの蔵書という基盤が整えば、それが呼び水となって州教育省の本来の仕事も進むのだということ、そして対象地域の学校へのTAAAからの配布が不要になる日が近いことを実感しました。今後TAAAからの本の配布は、農業塾のリソースセンターや、いままで対象としていなかった近隣地域の図書室のない学校への支援を中心に考えて行くことになるかと思います。


 今回の訪問では、今後そのような対象になりそうな小学校を訪問しました。そこでは、校長の熱意で各クラスにコーナーライブラリーなるものが設置されていたものの、中身は古い、あるいは余った教科書類だったので、この学校にもELITSの本が届くように、誘い水になる日本からの本をモンドリさんが数冊ずつでも各クラスに届けることもありではないかなと思いました。現地での検討を期待します。


(大友)


2018-5-19 南アフリカ

パソコン・プログラムのリーダーたち


 外務省日本NGO連携無償資金協力事業「ウムズンベ自治区の学生の経済・社会参加に向けた学力向上と基礎技能習得(第2年次)」(2017年3月~2018年2月)では、図書事業の一環として20校(プライマリー8校、セカンダリー12校)を対象にパソコン基礎技能習得プログラムを行いました。

 パソコン指導といってもパソコンルームにたくさんPCを並べて一度に大勢を指導するのではなく、各校にノートパソコンとプリンターを一台ずつ配置し、図書委員会生徒を中心に基礎操作を指導していきました。全対象校で940名が受講し、そのうち732名が技能テストに合格し修了証書を手に入れました。

 技術を習得した生徒たちは、本の貸し記録やポスター作りなど図書委員会活動に応用し腕を磨きながら、他の生徒たちに習得した技術を教えていきました。事業終了後も、このような生徒同士で教え合うピア教育を通じて活動が学校全体に普及し根付いてきています。


 一校にパソコン一台では限界はありますが、パソコンが大好きで他の生徒たちを熱心に指導する生徒たちが育ってきました。山岳地域の学校には、スティーブ・ジョブズを彷彿とさせる才能あふれるパソコン少年も現れ、指導者として大活躍しています。

「教わる側だった生徒たちが、限られた教育リソースを最大限に活用しながら、教える側になり、いつのまにかプロジェクトリーダーとして成長していった」プロジェクトで、パソコン技術だけではなく、生徒同士で教え合う習慣も育まれました。


事業終了後、対象校にアンケート調査を行いました。ご覧下さい。
>> 2017年度図書事業 パソコン基礎技能習得プログラム対象校のアンケート結果一覧表(PDF)


(久我)


2018-3-6 南アフリカ

2月22日図書研修会イベント


 2017年度の外務省日本NGO連携無償資金協力事業の「ウムズンベ自治区の学生の経済・社会参加に向けた学力向上と基礎技能習得(第2年次)」が2月28日に終了となることから、2月22日に地域内ホールで最終教師研修会および図書イベントを開催しました。当日は2校が学校の都合で欠席となったが、28校から89名の教師及び生徒が出席、ゲストやスタッフを含めて計100名が参加するというビッグイベントとなりました。


 プレトリアの在南ア日本大使館より経済開発担当の有馬一等書記官が出席くださり、教師や生徒に向けて心強いメッセージ、貴重なアドバイスを頂きました。クワズールーナタール州教育省からはELITS(学校図書部門)アドバイザーのンベレ氏と、トゥートン教育センターのンクマロマネージャーが出席して読書の大切さを力説し、継続して図書活動を進めていくようにとアドバイスがあり、また日本外務省とTAAAに対する謝辞がありました。前半のイベントでは、各対象校の生徒から本の朗読や紹介、感想文や詩の発表、事業に対する印象や感謝の言葉などがありました。


 余興として、ホール敷地内にあるエシバニニ小に依頼して、
男子生徒によるズールーの戦いの踊りを披露してもらいました。生徒たちのダイナミックな踊りは、会場を沸かせました。

 後半の研修会では、対象校の教師が校内でどのような図書活動を進めているかを発表し、事業終了後の活動継続に向けて、教師間での情報交換を行いました。プロジェクトマネージャーと図書スタッフはあらかじめ各部門の最優秀校を決定し、当日表彰を行いました。出席した教師全員に本の寄贈、生徒には本とペンを授与して最後にみんなでランチを取り閉会となりました。対象校の教師や生徒が一同に集まる機会はあまりないため、当日は出席者にとって他校の図書活動を見聞し、学び合い、刺激を与え合う貴重なイベントとなりました。



(TAAA南ア事務所 平林薫)


2018-1-28 南アフリカ

学校菜園のアンケート調査を行いました


 2013年8月~2016年1月の期間に実施したJICA草の根技術協力パートナー型事業「学校を拠点とした有機農業促進のモデル地域作り」では、地域の学校40校(小学校、中学校、高校)を対象に学校菜園を作り、生徒と教師に有機農業の指導をしてきました。

 それから2年が経ちましたが、学校がどのように菜園活動を継続し役立てているのか、地域への有機栽培の普及に、学校が拠点としての役割を果たし続けているのかを確認するために、一斉にアンケート調査を行いました。

 今回のアンケートから分かったことを一部紹介いたします。

  回答があった学校数: 38校(40校中)
  • 種は学校菜園から採種している
  7校
  • 収穫物を学校給食に利用している
16校
  • 収穫物を孤児・貧困家庭の生徒に配給
17校
  • 収穫物は教師や地元住民に売り、その収益で種や菜園活動に必要なものを購入している
12校
  • 学校菜園を授業に活用している
33校
  • 菜園委員会生徒は、後輩や委員会メンバーでない生徒に技術指導をしている
33校
  • 菜園委員会生徒たちのほとんどが、家庭菜園も行っている
35校
  • 菜園委員会は活動記録を付けている
33校
  • 学校側は、菜園委員会以外の生徒たちにも家庭菜園を始めることを奨励している
37校

 活動を続ける上での問題として多かったのは、水不足、近所の家畜や野生動物の侵入でしたが、採種ができていないこと、思うように時間がとれないことを懸念する声もありました。菜園は、理科や生活科などの日常の授業に精力的に活用しているようで、その質問項目の箇所には、ぎっしり具体的に書かれた回答が多かったのが印象的でした。

 また、菜園委員会教師たちは、技術指導だけでなく、栄養や健康などの有機農業や野菜のコンセプトをしっかりと伝えている様で、その箇所も情熱的に書かれた回答が多かったです。委員会生徒以外でも学校で習った菜園技術を家庭菜園に活かして家族に技術指導をする生徒たちが増えていることや、地元自治体から種を配布されている学校もあり、地域全体で菜園活動が普及している様子が、アンケートからは読み取れました。

 一方で、採種を続けていない学校が多かったことが気になりました。今後は、現行事業の農業塾からも学校側に働きかけて、採種指導をする機会を作っていきたいと思います。 また、家庭菜園ではしっかりと採種をしている生徒たちが、自家採種した種を学校に寄附するなど、家庭菜園から学校菜園への還元の可能性も探れないだろうかと、アンケートを読んで思いました。

(久我)


2017-11-30 南アフリカ

農業塾でニワトリを飼い始めました


 農業塾でニワトリを飼い始めました。エナレニ農場で育てられたKoekoek(クークック)は南アで交配された鶏で、お肉がおいしく、卵の質もよく、きれいな羽も利用できます(飼い始めるとしめるのはつらいですが)。Koekoekはおとなしく賢い鶏で、夜は鶏舎の中で寝ますが、昼間は敷地内を自由に走り回っています。


 鶏舎の建設やマニュアル作成等の準備が整ったところで、11月7~9日と13~15日に養鶏トレーニングコースを開催し、有機農業コースの卒業生19名が参加しました。3日間のコースでは自然養鶏(半放し飼い)の例としてKoekoekの飼育方法を指導し、またブロイラー鶏の飼育方法の講義も行い、違いを理解してもらいました。
 ブロイラー鶏舎も建設しましたが、少し前に鳥インフルエンザが蔓延したことからいまだに飼育が制限されています。ただ、ブロイラー鶏の飼育にはコスト(餌や予防接種等)と労力(常時鶏舎の管理が必要)がかかり、小規模では収益を出すことは難しそうです。菜園と同様、Koekoekはオーガニック、ブロイラー鶏は大規模商業用という感じです。

 農業塾には現在雄鶏2羽、雌鶏4羽がいて、年明け位には卵を産み始めるとのことで楽しみです。クリスマス休暇中は農業塾が閉まるので、地元のスタッフの家で預かってもらうことにしました。

(TAAA南ア事務所 平林)


2017-10-3 南アフリカ

2017年8月(12日~20日)現地プロジェクト訪問報告
その4 最後に南ア訪問こぼれ話


 学校図書室で話し込んだ司書教員だけでなく、当会支援プロジェクトに興味を示した現地のアフリカ系の方々何人かに、日本の教員との交換・交流計画などはないのかとか、日本で研修できたらきっといろいろ学べるのにといった日本、特に教育分野への期待を聞かされ、今日本社会、教育政策、学校現場からは反面教師的にしか学ぶことはないことを分かってもらうのに苦労しました。 一方宿泊先だったロッジのオーナーの白人女性とは、3日目朝ベッドサイドテーブルに 「連泊客の私に石鹸など洗面具の機械的追加は結構です。資源節約のために!」 と私が残したメモをきっかけに話をするようになり、プロジェクトについても聞かれて図書室と菜園作りだと話すと、 「食べ物と本は何よりも大事ね。私も食べ物と本さえあれば生きていけると思うわ」 と話がはずみ、アパルトヘイトによって奪われ続けてきた人たちの飢餓感をあらためて実感させられました。

 しかしこのアパルトヘイトとの闘いの中で、そしてさらに絶対的貧困との闘いの中でこそ培われてきたと思える区レベルの常設のWar Room (戦略室)なるものの存在を知り、やはり南アからの学びは欠かせないと思いました。それは、ベキシズウェ小学校の校長さんとの話の中で出てきたものです。 「省をまたがるような問題、当該省の役所がちっとも取り組んでくれない問題を地域が抱えたような場合は、War Roomへ持っていって、そこ(構成メンバーがどのように選ばれるのか訊きそびれてしまいましたが、政府関係者、民間団体、酋長、校長、宗教関係者、一般住民からなっているようでした)で話し合って解決策を練り、タスク・チームが関係者と連絡をとりすぐ解決に動き、モニタリングも行う。私もそのWar Roomのメンバーなのよ。今度シポンギーレ(プロジェクトマネージャー平林さんのズル名)にもオブザーバー参加して欲しいわ」と。例えば、ある子どもがAIDSを病む父親のDVに苦しむ母親を抱えて学校に来れないでいるという事態を察知したら、そのことを、本人でも、近所の住民でも学校でもこのWar Room に持ち込んで、議論の俎上にのせて、いろんなところを巻き込んで解決にむかって協力するというしくみだというのです。 私的な問題から公的な問題まで、持ち込めるようなのです。市役所、福祉事務所、保健所、教育委員会をたらい回しされたり、加害当事者による隠蔽や関係者の事なかれ主義、~いじめ問題特別調査委員会の設置・審議待ちで解決が遠のきがちな日本の現状では考えられない仕組みですが、常設のWar Roomは、地方分権、直接民主主義、住民自治の貴重な仕組みの一環として検討の余地があるのではないでしょうか。

以上南アの人たちの苦しみの深刻さと豊かな知恵にも出会えたという追加報告でした。

(大友)


2017-9-29 南アフリカ

2017年8月(12日~20日)現地プロジェクト訪問報告
その3 過疎地域の誇りあるリトルファーマーたち




 2016年7月より実施中のJICA草の根技術協力事業「有機農村塾を拠点とした農村作り」は、クワズールーナタール州ウグ郡ウムズンベ自治区内の2地域で行っています。ウムズンベ自治区を地形的に分けると、沿岸部、山間部、山岳部からなりますが、さとうきび畑が広がる山間部のコロコロ地域と山岳部で過疎化が進んでいるトフェット地域が事業の対象地域です。

 トフェット地域に足を運ぶと、一種独特のゆったりとしたやさしい空気に包まれます。 この地域も他地域と同じく仕事がなく、多くの住民は家族の老齢者の年金に頼って暮らしていますが、小動物やイノシシの狩りが行われ、また細々とですが豆類、芋類、トウモロコシなどを栽培している家庭も多く、比較的自給自足度の高い地域といえましょう。 

 最初の訪問先はトゥルベケ小学校。 先行JICA草の根事業の「学校を拠点として有機農業のモデル地域作り」では、優秀校の一つに選ばれるほど、菜園活動が盛んです。学校で菜園技術を学んだ生徒たちは、家庭菜園を始めるなど、文字通り学校を拠点に生徒たちがリーダーとなって、地域に有機農業技術を普及してくれました。 現行事業では、生徒たちの保護者に本格的な有機栽培技術を教え、親子による家庭菜園をさらに普及しています。親子といっても多くの生徒は親が不在で祖母に育てられているので、「おばあちゃんと孫による家庭菜園」の方が正確です。

 学校菜園を訪れると、休み時間の生徒たち何人かが水やりなどの世話をしていました。 生徒全員が参加しているという立派な菜園です。「協同組合を作りました」と数人の生徒が近づいてきて、苗床を披露してくれました。自分たちで苗を育てて、地域住民や教師に売り、収入は設備充実のためにと学校に寄付するのだそうです。しっかり書かれた帳簿まで見せてくれました。 彼らが大人になったとき、この地域の有機菜園はどのように広がっているのだろう。とても楽しみになりました。 

 山々が連なるのどかな風景の地域ですが、ここ数年、多少余裕がある住民は、少し開発が進んできた沿岸部へと移住するようになったため、過疎化が進んでいます。少しでも就職のチャンスがある地域へ、少しでも豊かな地域へ、と移ろうとする流れを止めるのは難しく、トゥルベケ小学校でも、すぐ隣になるシボングジュケ高校でも、生徒と教師が激減し、校長は頭を抱えている状態です。

 移住する余裕のない住民たち、生徒たちの間には、ある種の「取り残された感」があるかもしれません。このような地域だからこそ、有機栽培技術は、人々の生活を支えていく大きな力になり、また精神的な支えにもなると思います。トゥルベケ小の生徒たちは、誇りあるリトルファーマーとして、学校と地域で有機農業を普及し根付かせています。彼らは、地域の大人たちに、菜園技術を伝えるだけでなく、菜園活動を通して、地域のよさや可能性も伝えているのではないでしょうか。

(久我)


2017-9-18 南アフリカ

2017年8月(12日~20日)現地プロジェクト訪問報告
その2 居心地も良く芸術性溢れる図書室


 少なくとも今回訪問できた18校(30校中)の図書室の3年前とは見違えるような変化は、蔵書の増冊に加えて、重宝されていることが分かる空気感でした。
 増冊は、日本から届いたものだけでなく、TAAAのオフィスから車で40分近く南に下ったところにある現地唯一のショッピングモール内にある本屋で平林さんがスタフと一緒にみつくろって購入してきたもの、そして、州教育省図書部門のELITSから配布されたものによりました。 訪問した複数の高校では、図書委員と図書司書から、もう少し易しめの読み物(小説)と辞書(英・英とズル・英の両方)が欲しいと、小学校では、薄くて小型で字の大きい本がもっと欲しいと言われました。 日本でももう少し頑張りたいですが、このショッピングモール内の本屋(学校で必要とされているような読み物類がバーゲンにもなっていた)の第1位のお得意さんの座をTAAAからELITSに譲れる日ができるだけ早く来くるように、教育省にさらに働きかけていく必要を感じました。


 図書室では、TAAAスタフによるPC基礎講座がおこなわれていたり、理科の担当で図書司書でもある教員が、参考書を紹介でき、本に囲まれた環境に慣れてもらいたいとの思いで、自分の授業を図書室で行っていたり、生徒が共同発表の作品を作っていたり、一角で百科事典を使って黙々と宿題をやっていたり、脇目もふらずに読書に耽っていた男子が、司書の教員に「あんたは本をたくさん読んでるけど、ブックレビュウが一つも出ていない」と文句を言われていたり、近所に住む本好きな保護者がボランティアで蔵書登録・書棚整理を手伝いに来ているなど、有意義な使われ方を目の当たりにし、学校内の文化的拠点のような役割を果たしている図書室が少なくないことが確認でき、これこそ図書支援が各校の持続的努力で地についたものになりつつある証として評価できるのではないかと思いました。

 まだ整備の余地がある学校もありましたが、幾つかの学校では、図書司書や図書委員会のメンバーが、その個性的な芸術性を発揮して、壁、棚、窓、カーテン、ドアなどに図書室らしい創作物をあしらって、思わず見とれてしまうような観賞し甲斐もあり、居心地も良い素敵な空間に仕立て上げていました。司書免許を持つTAAA図書スタフのントコゾさんは、各校の図書司書や図書委員会には、「子ども達が入ってきたくなるような、入ってきたらいつまでもいたくなるような空間にしよう」と声をかけていると熱く語ってくれました。



 菜園プロジェクトの一環として元学校を使って設置されていたリソースセンターで、高校生が調べものをしていたり、TAAAスタフからPC作業の手ほどきを受けていたり、コピーサービスを受けるために列を作っているのを見て、図書プロジェクトの経験が生きている事を実感しました。各学校でのPC基礎授業の上級クラス編をここで開設できたらいいし、学校図書室にはないような専門書も借りに来れる地域図書館の役割を果たせる場所として充実・発展していってくれると良いなあと思いました。日本で寄付協力者の皆さんが届けて下さる専門書的なものは、今後はこのリソースセンター用として分類することも検討したいと思います。

(大友)


2017-9-3 南アフリカ

2017年8月(12日~20日)現地プロジェクト訪問報告
その1 算数セット授業


 8月12日から20日まで、久我さんと大友で現地プロジェクト視察訪問を行ってきました。

 久我さんは、JICA草の根技術支援事業「有機農業塾を拠点とした農村作り」の視察を担当し、私は日本NGO連携無償資金協力事業の「ウムズンベ自治区の学生の経済・社会参加に向けた学力向上と基礎技能習得(第2年次)」の方を担当いたしました。

 2014年3月以来、3年半ぶりの現地訪問で、とにかくうれしかったのは、3年前ルテューリ高校の図書委員会活動を引っ張っていた3年生、2015年からTAAA図書プロジェクト現地スタフとして大活躍のモンドリ・チリザさんと学校回りができたことでした。 彼の図書委員会指導の場面に立ち会えなかったのは残念でしたが、回った小学校での低学年対象の彼の算数セット授業には魅了されました。



 該当校に到着し、職員に挨拶を済ませた彼が算数セットの収納倉庫に向かうと、上級学年の生徒3~4人がほぼ自発的にかけ出てきて、その倉庫から授業対象の下級生の1クラス分のセットを教室へ運んでくれたのです。算数セットがクラスに行き渡ると、モンドリ指導員は時間を惜しむように、すぐにその日使うプレート(数の勘定に使う磁気付「すうずブロック」が張り付く薄い金属板)とブロックの入った箱を高く掲げるように指示しました。全員が用意できたことを確認すると、“Two + two”と3度ぐらい大声で繰り返し、教室中を回り、2個ずつ2箇所に並べてある事が確認できると“two +two is ?”とクラスに投げかけ、生徒各自が自分のプレートのブロックを触りながら、“one, two, three, four”と声を出して数えるのを見届け、ついてこれていない子には、みんなに数えて聞かせるように促し、全員ができるようになるまで、“two + two is?”(モンドリ指導員)、“one, two, three, four”(生徒全員)が繰り返されるのでした。一つの足し算作業なりが終わる度に、次の作業のためにプレートが空になっていることを確認するために全員にプレートを挙げさせ、それがつぎの作業へ進むぞという合図になっていました。全員の動きを視野に入れ、子ども達が数かぞえに集中できるように、余計なことは言わずに淡々と進めながら、遅れがちな子への配慮が実に自然、しかも丁寧なのに好感が持てました。



 授業の一部を割愛して彼に算数セット指導をさせてくれている本来の担任の対応は、それぞれ個性的で面白かったです。 間違っている子のプレートに手を出して直してしまったり、作業指示に従うのが遅れがちな生徒をしかるような口調でせかす教員もいれば、チーム・ティーチング的な感じで彼の指示出しを繰り返したりする教員がいるかと思えば、全く手出しせず、教室の後ろで自分の仕事を黙々とやっているかと思っていたら見学中の私と目があって「彼やってくれるでしょう!」と言わんばかりにウインクしたりと多様でした。そんな年上の担任たちとのいかなる場面にも上手に対応していたモンドリー指導員の柔軟性が心地よく、生徒としても同僚としても彼のような指導者はいいなあと思える有意義な体験となりました。

 算数セット一クラス分は支援対象校すべてには行き渡っていないので、一クラス分のセットを渡せていない学校での授業の場合は、モンドリさんが、TAAAのオフィスから一クラス分を車に乗せて持参していました。授業で有効活用され始めているこの算数セットは、英語図書とちがっていずれ現地調達へと引き継いでいってもらえるものではないので、日本で眠っているものをこの1年ぐらいでできるだけ集めて、支援対象各校の倉庫に一クラス分が収納され、いつでも授業で活用できるようにできたらと思います。

(大友)


2017-7-29 日本

7月15日TAAA講演会レポート


 2017年7月15日(土)、市ヶ谷の「JICA地球ひろば」でTAAA講演会が開催されました。 日差しが厳しい中、初めての方も含め、17名の方に参加いただきました。2時間という限られた時間の中、 内容は、久我さん(代表)による挨拶、平林さん(南アフリカ事務所代表)による菜園支援活動事業の報告、津山カヤさんによる現地ボランティア報告、 平林さんによる学校図書支援活動事業の報告、質疑応答と自己紹介という流れで行い、盛りだくさんでしたがアットホームな雰囲気の会となりました。

 菜園支援活動事業は「JICA草の根技術協力事業」として実施していますが、 現在のプロジェクトははからずもこの日でちょうど1年の節目を迎えました。 2月には農業塾の開校式典を行い、講義室・図書室などからなるリソースセンターも立ち上がりました。 また、トレーニングコースが開催され、今までに過去4回実施し、64名の卒業者を輩出しています。 学校の生徒たちがこのコースを選択することで、自信をつけたり、就職など次のステップにつながっているようです。 活動全般については、自主的に継続するところが出てくるとともに、保育園での活動など新たな取り組みという広がりも出てきています。



 学校図書支援活動事業は「外務省 日本NGO連携無償資金協力」、「ひろしま・祈りの石国際協力交流財団」の支援を受けて30校にて実施しています。 同じ本がたくさんある場合はまとめておき、学校訪問の際に持っていくことで、1人1冊ずつ貸し出し、一緒に授業を行うことが可能となっています。 また、本に加えて算数セットも好評で、メーカー別にして配付しています。先生と使い方について検討するとともに、 州教育省にもアドバイスをもらっています。さらに、ICTの支援も順調で、1校あたり約2台(1台は生徒用、もう1台は指導者用)のPCを設置して進めています。



 平林さんの講演の間に行われた津山カヤさんの報告は大変コンパクトにまとまっており、平林さんとはまた異なる視点での感想・報告になっていました。図書については かなりの本が届けられている一方、整理整頓など運営には学校によって課題があること、サッカーを通じて言葉の壁を越えたつながりを持つことができ、運動する大切さ も理解できることなど、示唆に富むものでした。

 講演会は今後も毎年定期的に開催していく予定です。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。今回予定が合わなかった方も、次回お会いできることを楽しみ にしております。今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。

(丸岡)


2017-7-20 南アフリカ

南アフリカでTAAAのボランティア活動に参加して得たこと


 私は、2017年2月に「トビタテ!留学JAPAN高校生」の国際ボランティアで、南アフリカに行き、3週間TAAAの活動に参加しました。それはこれまで自分が知らなかった南アフリカの農村地域の現実を知り、TAAAのスタッフや学校の先生・生徒とかけがえのない時間を持つことができた経験でした。そして、日本と南アフリカのつながりを知り、その両方にルーツを持つ私には、本当にうれしいことでした。長年にわたり、たくさんの人の努力で築いてきた信頼関係の深さを感じました。

 TAAAでは、日本から届いたたくさんの本、サッカーボール、ユニフォームを整理し、学校に届けることをしました。TAAAスタッフのモンドレさんと毎日3~5校の学校を回り、「ブックボックス」を届け、図書室の様子を調べました。それらの学校は、自分が知っている日本やジョハネスバーグの学校のように設備が整っているわけではありませんが、先生と話したり、図書室をみて、子どもたちのために学校をよくしようとどれほどみんなががんばっているかがわかりました。その一方で本の数が足りないという問題もまだ大きいようでした。



 東京で浅見さんと一緒に受け取りに行ったアメリカンスクールの本も、無事に学校に届けられ、本だけでなく、本を大事にする両方の気持ちがつながっていることを感じました。本を読み自分を高めていこうとする子どもたちもたくさんいて、自分が学ぶことも多くありました。

 私は南アフリカで生まれ、10歳までジョハネスバーグに住んでいました。その後、日本に来て、東京の公立学校に通い、今年3月に高校を卒業しました。ジョハネスバーグと東京も大きな違いがありますが、ジョハネスバーグとTAAAの活動する地域は同じ国でも全く違っていて、アパルトヘイトがあったことの影響が残っていることや、勉強やスポーツをする環境の格差の深刻さを目の当たりにしたことのショックは大きかったです。

 サッカープログラムでは、まず全部のボールに空気を入れ、ユニフォームを整理し、トレーニングの内容を考えました。サッカーは私も大好きで、ずっとプレーしてきたので、とても楽しみにしていたのですが、思っていた以上に楽しく充実した時間でした。子どもたちの話すのはズールー語なのでわからないこともありましたが、サッカーをやっている時は言葉の壁も感じず、あっという間に時間が過ぎていきました。サッカーをするような平らな場所がなく、でこぼこの斜面でサッカーを している学校もありました。そして、そのように劣悪のコンディションでも、みんなが一生懸命練習し、うまいです。何より本当にサッカーが好きで、みんな生き生きとプレーしていました。他にスポーツ施設や道具もない地域で、サッカーの果たす役割は、日本で考えるよりずっと大きいです。ボールやユニフォームがまだまだ足りないので、これからも日本で集めて、支援していければと思います。練習メニューを教えたり、一緒にプレーしたことは自分にとってとても貴重な経験でした。



 また、ダーバンで、サンディレさんが活動しているNGOで、「ストレートチルドレンではなくサーファーだ!」の活動にも参加し、サーフィンの大会の準備をしたり、子どもたちの練習を手伝ったりしました。そこでは、また全く違った子どもたちがおかれている現実に気づかされ、その子どもたちのための活動の大切さを知りました。

 今回のボランティアを通して、平林さんやモンドレさん、他のTAAAのスタッフの方たち、サンディレさんや仲間の人たちが活動する姿をみて、一緒に行動し、いろいろなことを話せたことは、南アフリカのことを理解したり、これから自分がどう生きていくかを考える上でも、本当にたくさんのことを得ることができました。この機会を与えてもらえたことに感謝し、南アフリカと日本の両方にルーツを持つ自分として、これからも自分のできることを考え、行動していきたいと思います。日本では、AJFのアフリカンキッズクラブでも活動し、アフリカにルーツを持ち日本に住む子どもたちのためにイベントを行ったり、自分たちの気持ちを発信したりしています。その活動の中でも、今回のボランティアの経験について話し、他の子たちにも自分がルーツを持つ国に行くことを勧めたいと思います。その国の人々と過ごし、社会や生活を知ることで、自分のもう一つのルーツを理解し、好きになり、自分にもっと自信が持てると思います。

(津山家野)


2017-5-31 南アフリカ

地元文化を醸し出す生徒たちの図書活動


2016年度の学校図書支援活動を振り返ると、教師の異動や図書室のスペース不足によって活動が停滞した学校もありましたが、「全体的に生徒主導の図書委員活動がしっかり根付き、それぞれの学校のやり方で発展してきた年度だったな」という実感があります。 ほとんどの学校に図書室や図書コーナーができ図書環境が整ったことや、校長、先生、生徒と学校全体で学校図書の大切さを認識してきたことが、委員会生徒たちのイキイキとした活動を後押ししたのだと思います。

ジュニアプライマリ以外の多くの学校では、図書委員会生徒たちが、朝会や休み時間に全校生徒へ本の紹介や本の読み聞かせを行うようになりました。 特に高校での図書委員会生徒たちのリーダーシップは頼もしく、たとえ司書教師が不在や多忙でも、またはやる気が足りなくても、図書委員会生徒たちだけで活動が継続できるようになりました。なかには、ディベートやプレゼンテーションなどのアクティビティを生徒たちが自主的に企画した高校や、「今後は生徒対象の司書研修をしてください」と司書教師から依頼があった高校もありました。

昨年度末に対象校30校(プライマリ16校、セカンダリ・高校14校)の司書教師にアンケート調査を行いました。アンケート項目の一つが「図書委員会生徒の役割と活動内容」でしたが、回答をみると、本の貸し出しや図書室の整理整頓などの管理・運営活動だけでなく、他の生徒に積極的に読書を推奨したり、積極的に音読やリーディングコンテストなどのアクティビティをしている学校が多いことが分かりました。

特にアクティビティのなかに、ドラマ、ストーリーテリング、クイズなど、地元の伝統文化や娯楽文化を取り入れた活動があったのが印象的でした。日常生活のなかに歌や踊りがある地域です。私自身、生徒たちの図書活動の成果発表を何回も披露してもらったことがありますが、小学校低学年の音読も棒読みではなく、引きつけられるジェスチャーをまじえたリズム感あふれるものだったり、歌やドラマ仕立てで一冊の本を皆で暗誦したりと、学校視察ではなく、「ここは劇場かしら」と錯覚に陥ることがしばしばありました。

生徒たちの活動が浸透するにつれて、自然と地元の豊かな文化が学校図書活動に反映されてきているような気がします。もしかしたら、この地域独自の学校図書文化が育まれる過程にいるのかもしれません。このプロセスはとても興味深く、大切にしていきたいと思います。

(久我)


2017-4-29 南アフリカ

先行プロジェクト卒業生菜園グループと繋がって


2016年1月に終了した先行プロジェクト(JICA草の根技術協力事業「学校を拠点とした有機農業促進モデル地域作り」)では40校の学校菜園の他に4つの卒業生菜園グループを支援してきました。3月の視察訪問で私が一番嬉しかったことは、4つの卒業生グループを訪問し、すべてのグループが活動を継続していることを確認できたことです。彼らが自立して有機農業を続けていることは、対象地域における有機農業の可能性を物語っているといえるでしょう。

仲良しの若い女性たちが率いるトゥルベケ小卒業生グループは、各自家庭菜園をしながら、小学校敷地内のグループ菜園も地道に継続し、地元住民や青空マーケットで余剰作物を販売しています。

インプレメロ・グループはそれぞれの家庭で畑作りをし、リーダーのロンディは地域内で販売も行っています。沿岸地域で土壌があまりよくないため、換金用の作物は、タマネギとホウレン草に特化していました。 インプレメロ小学校の卒業生であるロンディは3人の子のシングルマザーで、畑仕事の他はほとんど仕事をしていません。「野菜の売り上げは生活にとても役に立っている」といいますが、比較的都心に近いこの地域の問題は、牛糞不足です。彼女の菜園を訪れるやいなや、TAAA菜園スタッフのボングムーサは早速畑の状態を確認しアドバイスを行いました。 ロンディからは、美味しいサツマイモをお土産に頂きました。

ロゼッタンヴィル・グループは、様々な理由で一度活動が途絶えましたが、今年の1月に再開していました。「子ども達にいいものを残したい」を強調するリーダーのワイズマンは、地元の給食配給業者に健康によい安心な有機野菜を卸すことを目指しています。

活動、販売量ともにダントツなのは、なんといってもムタルメ・グループです。ムタルメ小学校敷地内で、一人畑を守ってきたリーダーのンギディ氏は、今は農業塾内で自分自身の畑作りの他に、コース参加生徒への指導も行い、現行プロジェクトでも大活躍をしています。また、青空市場やクリニックなどで精力的な販売活動も行い、地元では野菜作りの有名人になっていました。 年金支給日にできる青空マーケットでは、少し前までは、缶詰など保存食がほとんどだったのですが、ンギディ氏の影響もあり、今でも新鮮な野菜や果物も並ぶようになりました。

地元でイキイキと自活生活をしている大人が圧倒的に少ない対象地域では、ンギディ氏をはじめ卒業生グループたちは、失業中の若者たちに希望を与える大きな存在になりつつあります。 4つのグループすべては、今年度に有機農業塾で始まる上級コースへの参加を希望していますが、これからも彼らとしっかりと繋がっていくことが、人を育てながら農村作りを目指す現行プロジェクトの根付きに繋がるのだと、改めて思いました。

(久我)


2017-3-29 南アフリカ

バンギビーゾ小学校訪問


3月10日~18日まで、現地のプロジェクト・サイトを訪問しました。今回の訪問の主目的は、JICA草の根技術協力事業「有機農業塾を拠点とした農村作り」の進捗状況のモニタリングでしたが、図書事業対象校のバンギビーゾ小学校にも訪問する機会がありました。

有能な司書教師であるザマ先生のがんばりで、活発な図書活動をしていたバンギビーゾ小学校ですが、新入生が増え続けた結果、深刻なスペース不足となり図書室として使っていた部屋を教室として使うことになり、図書室がなくなってしました。 このため、昨年の春、(一財)ひろしま・祈りの石国際教育交流財団様から助成金をいただき、コンテナ図書室を寄贈しました。

小学校の敷地に入ると、すぐ目についたのは、そのコンテナ図書室でした。休み時間に生徒達が時間に自由に出入りできるように、ドアが開いていました。「学校の中心は図書室」といった存在感です。

中に入ると、小学生が魅了されるようなステキなデザインが施されていました。
本棚の上には日本からの算数セットが置かれていました。 子供たちが座って本が読めるように、椅子とテーブルのコーナーもあります。

現地図書スタッフのモンドリと一緒に、改めて算数セットの使い方を先生たちに詳しく説明しました。 南アの学校では、小学校4年からすべての教科が英語で行われます。それまでに英語と算数がついていけてないと、ここで大きくつまずいてしまいます。実際にそういう生徒がとても多く、小学校の先生たちは頭をかかえています。
日本で多くの方々から中古の算数セットを寄付していただいているお陰で、この小学校には3年生の算数の授業で、一人一人に算数セットを配ることできるようになりました。基礎的な計算力を身につける上で画期的なツールとなるでしょう。

先生たちとのミーティングが終わると、数人の生徒たちが部屋に入ってきて、音読を披露してくれました。大勢の聴衆の前に立つ舞台俳優のように、大きな響く声で正々堂々とした発表ぶりです。「バンギビーゾ小出身の生徒は、上級生より英語力がある」と、進学先の高校の先生がいっていましたが、それを裏付けるかのような音読発表でした。
私達は、大勢の聴衆になったつもりで、先生たちにも生徒たちにも惜しみない拍手を贈りました。

(久我)


2017-2-27 南アフリカ

有機農業塾の開校式典


2016年7月にJICA草の根技術協力事業として開設した有機農業塾は、2回の基礎コースが終わり、41名の卒業生を輩出し、現在3回目のコースが行われて18名が受講中です。

この度、JICA東京国際センターの佐々木所長と服部氏が事業モニタリング調査としてプロジェクトサイトを訪問していただき、ご訪問中の2月14日に、有機農業塾の開校式典を行いました。
当日はコロコロ地域のインコシ(チーフ)であるンザマ氏、各地区のリーダーであるインドゥナ各氏が参加くださり、また、カウンターパート団体である州経済開発・観光・環境省、州教育省、州農業省の代表者、および地域NGOウルドのメンバーの出席があり、それぞれ事業への感謝と協力を表明しました。
また、ゲストスピーカーとして、有機農業指導者であり、エナレニ農場経営のリチャード・ヘイグ氏が激励の言葉をくれました。



日本側からはJICA東京国際センターの佐々木所長と服部氏、JICA南アフリカ事務所の木野本所長と水野氏、在南ア日本大使館から菱沼書記官が出席くださり、参加者へのあたたかいメッセージをいただきました。 菱沼書記官のズールー語でのスピーチには、出席者はみな感動していました。

最後にTAAAからプロジェクトマネージャーの平林が出席してくださった方々への感謝の辞を述べました。式典の途中、ムタルメ小学校およびムタルメ高校の生徒が歌や踊りを披露。また、州教育省ムタルメ学区マネージャーのクル氏からTAAAおよびJICAへの感謝状が授与されました。式典終了後、校舎の壁に設置したプレートの除幕式を行いました。
現地のカウンターパートとスタッフが短期間で力を合わせて準備をし、また、ゲストの皆さまからたくさんのあたたかいメッセージをいただいたお陰で、式典は盛会に終わりました。

皆さまが大変お忙しい中、遠くから開校式に出席くださったことは、カウンターパート団体関係者、地域住民、農業塾卒業生や受講生、TAAAスタッフにとって大きなモチベーションとなりました。ありがとうございました。

(TAAA南ア事務所 平林薫)


2017-01-15 南アフリカ

保育園で菜園活動が始まりました


昨年の7月から始まったJICA草の根技術協力事業「有機農村塾を拠点とした農村作り」では、地元の5カ所の保育園も指導対象にしています。
昨年秋に、基本的な農具、種、苗を配布し、それぞれの園内に小さな菜園ができました。

園児たちは、土壌作りから関わりました。小さな手で農具を持ち、一生懸命やりました。やさしいTAAAの指導員のお兄さんと保育園の先生たちに支えられて、種まきや水やりが上手になってきています。
「僕にも種ちょうだい」「どんな野菜ができるのかな」毎日ワクワクしながら楽しく学んでいます。

先行の学校菜園プロジェクトでは、小学校で菜園活動にかかわってきた生徒が、中学校や高校で継続して菜園活動を行い、実力を発揮する姿が見られました。
彼ら「菜園男子」「菜園女子」たちは、学校の菜園委員会を盛り上げるだけでなく、家に帰れば家庭菜園も始めて、お母さんやおばあさん、近所のおじさんやおばさんに有機農業を紹介するなど、プロジェクトリーダー的存在になっていきました。
このような菜園生徒の一部は、卒業後、有機農業を将来の仕事として真剣に考え、現在、有機農業塾“MATS”で菜園技術と知識を高めています。

その一方で、今まで土いじりをしたことがなく高校生になって初めて菜園活動を始めた生徒のなかには、最後まで農業になじめず積極的に取り組まなかった生徒もいました。

「畑仕事は男がやるものではない」「家庭菜園はおばあちゃんの仕事」と、小規模な農業に関して偏見やネガティブなイメージが残っているこの地域では、固定観念のない年少児の頃から、男の子と女の子が一緒に土地いじりに馴染ませて楽しみながら菜園活動を行うことが大切です。また、幼児の栄養改善の面からも保育園での野菜作りはとても有意義です。

自由時間の多い保育園は、楽しく菜園活動をする時間がたっぷりあります。菜園で遊びながら、たくさん学んでたくさん栄養も採っていってほしいです。かれら小さな菜園男子・女子たちが卒園して小学生になったら、地元の学校菜園をどんどん盛り上げていってくれることでしょう。そう願っています。

(平林、久我)


2016-12-21 日本

今年最後の作業と忘年会&ミニ報告会


12月作業報告 (横山晃祐) 年内最後の作業日となった17日は天気にも恵まれ本の仕分け作業と事務所の掃除、その後はささやかな忘年会と平林さんによる現地報告会と盛りだくさんの内容でした。

津山さんの息子さんのカヤ君(来年の1月から南アフリカに出発)と現地から到着された平林さん。更には浦和学院から初のリピーターである川上君に加えて久我さん、野田さん、大友さん、浅見さん、丸岡さん、横山で作業を開始。直後にアフリカ日本協議会(AJF)の横田事務局長にもお越しいただき総勢10人の大所帯となりました。

年内の出荷作業は完了しているため仕分け作業は簡単に。裏で報告会用にPCとプロジェクターの準備をするも肝心の接続用コードがないという一幕も。。。

作業後には忘年会の買い出しでロジャースへ。巨大なスーパーでカヤ君ややハイテンション。お寿司を見つけて平林さんもご満悦。接続用コードも無事に丸岡さんが調達してくれました。

午後から鍋を囲んで忘年会を開始。晴れとはいえ肌寒い日が続いているだけにとても温まりました。横田さんからAJFの今後について今までよりも団体同士の繋がりを強化していきたいとの言葉もありました。 浦和学院は1学年2800人いることに衝撃を受けるカヤ君。駐輪場はどうなっているのだろう?との疑問も。確かに。ストリートビューで調べてみよう。
野田さんからはTAAAの歴史のさわりをご教授いただきました。
来年はワインオープナーを持参したいと思います!

満腹になった後は平林さんによる現地の報告会。農業塾の方々、本を受け取った子供達。皆生き生きとしていて何よりも笑顔がとても素敵でした!シャッターチャンスを逃さない平林さんの腕前にも感服です。

かなり盛りだくさんになった17日。とても楽しく、時間が経つのもあっという間でした。カヤ君来年の南ア渡航楽しんで!
皆様も今年の作業大変お疲れさまでした。寒い日が続きますので風邪にはお気をつけ下さい。また来年もよろしくお願いいたします!

横山 晃祐


2016-11-29 南アフリカ

生徒たちが教え合うパソコン教育


 2016年3月に始まった外務省NGO連携無償資金協力事業「ウムズンベ自治区の学生の経済・社会参加に向けた学力向上と基礎技能習得」では、英語教育だけでなく、高校生対象に基礎的なIT教育を行っています。 高校10校の図書室にノートパソコンとプリンターを1セットを設置し、現地パソコン指導員が巡回指導をしています。

 南アフリカの社会では、仕事だけでなく生活の様々な場で簡単なパソコン操作技術が必要とされています。 求職や進学の申請書にも、手書きではなくタイピングされた履歴書が求められます。対象地域のような遠隔地の若者たちは、家にも学校でもパソコンに触れる機会がないため、就職や進学において、申請時点で不利な立場に立たされます。ここをなんとかクリアして進学や就職ができた優秀な若者も、パソコン基礎技術の不足によって、職場や学校で、都心部の若者と比べて、大きな遅れをとってしまっています。
 また、対象地域は、テレビや新聞の普及率が低いため、都心部の若者との著しい情報格差があります。学校に1台パソコンを導入するだけで、高校生の情報量は飛躍的に増えます。

 パソコン指導員のクラニさんは地元出身の若者で、ここの生徒達が社会に出たときのハンディを熟知しているため、日々精力的に指導をしています。 1校につきパソコン1台では限界はありますが、紙にキーボードを描いてタイピングの練習をさせたり、先に指導を受けた生徒たちが他の生徒を指導するなど工夫しながら進めています。

 事業終了後は、パソコン指導員がいなくても、自分たちの力でパソコン教育を続けていけるようにしなければなりません。資金、人材、管理体制、スペースなどあらゆる面でキャパシティが乏しい対象校では、パソコン教育を図書活動の一環として組み込み、図書室で図書委員会生徒たちが中心に行っていくことが、無理なく続けていける形ではないかと考えています。 このために、今クラニさんは、司書教師と図書委員会生徒たちが他の生徒に指導できるレベルになるまで、彼らの操作技術と指導力を磨くことに注力してくれています。

(久我)


2016-10-24 南アフリカ

地域住民のための有機農業塾“MOATS”


7月15日にJICA草の根技術協力事業「有機農業塾を拠点とする農村作り」が始まり、TAAAの支援対象校であるムタルメ小学校の敷地内に有機農業塾ができました。塾の英語名は“MTHWALUME(ムタルメ)ORGANIC AGRICULTURAL TRAINING SCHOOL”で、“MOATS(モアッツ)”の愛称で地域に知れ渡るようになってきました。 農業指導員は、知識と経験のあるシニアファシリテーターのムファナ、先行事業で農業指導員だったボングムーサ、農業塾のすぐ近くに住む地元の若者ムコリシに決まり、3人が協力してコースの内容や期間の決定、マニュアル作成等の準備をしました。

農業塾の生徒募集用にフライヤーを作成し、指導員たちが地域の病院や学校を回って張り出したり、手渡しをした結果、第1回コースには、27名の若者が登録しました。
最近、地域の若者の間で「自分たちの手で何かを始めなければならない」という意識が高まってきていることに加えて、先行事業で地域内の学校ベースに有機農業を指導した結果、生徒家庭に野菜作りが普及したことが、積極的な参加につながったのだと考えています。

27名中男性は9名と圧倒的に女性の参加が多いのですが、「菜園はおばあちゃんの仕事。男がやるものではない」といった偏見がいまだに残っているこの地域で、若い男性が有機農業を将来の仕事としてとらえて真剣に勉強し、活動している姿はとても頼もしい! 男性メンバーの1人は、先行の学校菜園事業で菜園委員会メンバーとして活動していた卒業生でした。卒業後に進学も就職もできず、有機農業を仕事にしたいと考えていたところに“MOATS”の話を聞いたとのこと。

コースが進むうちに、授業で学んだことを家庭で実践し始め、家庭菜園を始めた生徒も出てきました。 また、ある女性メンバーは「畑作りをしながら収穫物を利用したケータリングがしたい」という将来の夢を語り始めました。協同組合設立の計画を始めるグループも出てきました。

9月は春で植樹の時期だったので、実践授業としてバナナの木を10本植えました。木が育ってバナナがたわわに実る頃、MOATSの第一回コース生たちは、MOATSで学んだことを生かして、彼ら自身の畑から、日々の生活から、どのような収穫を得ているのでしょうか。今からとても楽しみです。

(平林、久我編集)


2016-09-21 南アフリカ

「ブックボックス」大活躍!


現地で8年間も活動し学校図書活動の基盤を作ってくれた移動図書館車「イテンバ号(希望号)」が、とうとうリタイヤする時期にさしかかっています。 今まで、故障につぐ故障にも負けずに、なんとか修理を重ねてがんばってもらいました。リタイア後は、適切な場所で、固定図書館として活躍してもらうことを計画しています。

代わりに登場したの「ブックボックス」です。学校のレベルや需要に合わせた本をクリアボックスに容れて、一定期間各校に貸し出して、対象校間を巡回していきます。 ただ貸し出すだけではなく、返却時には、本を借りた生徒からブックレビューを提出してもらうことを義務づけています。 読解力だけではなく、書く力も養っていくのが狙いです。 ブックレビューは、低学年は文字よりも絵が中心のカードですが、高学年となると、レポート用紙数枚にしっかりとしたあらすじや感想文を書いてもらいます。 今年度から本格的に始めましたが、驚くことに、レビューの提出率はほぼ100%です。 これは、移動図書館車による長年の巡回貸し出しにより、いかに彼らが図書に慣れ親しみ読書習慣が身についたかを物語っていると思います。 この基盤があったからこそ、すんなりと移動図書館からブックボックスへと貸し出し方法を移行できたのです。

ブックボックスは、学校図書室の一角に置かれ、各校の蔵書不足を補っています。学校図書室の貸し出し記録とは別に、ブックボックス専用の貸し出しノートがあり、TAAAの図書スタッフは返却時にチェックします。 「今度はどんな本が来るのかな」 定期的に入れ替わるブックボックスは、大人気になりました。

支援方法としてのブックボックスの魅力は何でしょうか。それは低コストで簡素なので、現地の人たちが「これなら自分たちでもできる」と思ってもらえること。 教育省図書部門担当者に紹介したところ、「これは、お金がかからないいいアイデアだ」と感心してくれました。

移動図書館車からブックボックスへの移行は、対象地域におけるTAAAの現地の関わり方の移行ともいえるでしょう。 現地の人たちが自分たちの力でコストをかけずに創意工夫でできるやり方を、彼らと一緒に考えていく。そういう協力が、これからの私たちの役割になっていくのだと思いました。 ここを焦らずにしっかりやっていきたいと思います。

(久我)


2016-09-07 南アフリカ

読書文化が育ってきた


猛暑の日本から逃げるように、8月20日から28日まで、南アフリカへ視察訪問に行ってきました。
今回の訪問で実感したことは、学校の図書活動が根付き、それに伴って、確実に読書習慣が根付いてきていることです。対象学区全般において「学校図書室を拠点に読書文化が着実に育ってきた」といっても言い過ぎではないでしょう。

対象校間で、図書活動に対する理解とサポート、司書教師の熱意や力量に差があり、図書活動が遅れ気味の学校もありますが、すくなくともどの学校も「学校に図書室や図書コーナーがあって、本はいつでも手に取ることができる」状態になりました。まだまだ蔵書も図書環境も不十分ですが、TAAAが対象地域に入る数年前の「本といえば教科書だけで、読書のための本が一冊もない状態」からは大きな進展といえるでしょう。

2013年から支援を始めたカンヤ高校をアポなしで訪問しました。 昨年、高校卒業試験の合格率を前年から21%も引き上げた高校です。
コンテナ図書室を訪問すると、3名の生徒が黙々と読書をしていました。図書委員会の生徒たちです。「彼らは休み時間になるといつも図書室にきて、本を読んでいるの」と図書担当の先生は「いつも」を強調しました。 私の突然の訪問にも気づかないほど集中ぶりです。こういう本の虫の生徒たちや勉強に参考書が必要な生徒たちのために、この学校は土日にも校長先生がきて、図書室を利用したい生徒たちに鍵を渡しているそうです。

ゲームもテレビもない地域です。あれこれと楽しいことがありすぎて、読書だけに集中していられない都市部の生徒たちよりも、ここの読書好きな生徒たちの方が読書量が多いかもしれません。

私がそう思っていると「やさしい英語の本が少ないことが悩みの種です。優秀な生徒たちはどんどん自分で難しい本を読んでいける。でも、読解力に遅れのある生徒たちは、図書室に来ません。彼らが読書好きになるように、小学生用の易しい英語の本がほしいです」と先生にいわれました。
こういう生徒思いのすばらしい図書担当教師がいるからこそ、この地域で着実に読書文化が育っているのだな、と改めて思いました。 あとで、TAAA図書スタッフから、この図書担当教師も「いつも」コンテナ図書室にいることを知りました。

(久我)


2016-07-31南アフリカ

有機農業塾を拠点とする農村作り

  7月18日に、JICA草の根技術協力事業「有機農業塾を拠点とする農村作り」が実質的に始まりました。この日は故マンデラ氏の誕生日で、南アでは彼が67年かけて自由を勝ち取ったことから「67分何らかのボランティアをしよう」という呼びかけがありました。 私たちはちょうど事業地であるムタルメ小学校を訪問したので、敷地内のゴミ拾いを行いました。 こうして新規事業は、「名誉ある67分ボランティア」でキックオフとなりました。

 2016年1月に終了した先行事業「学校を拠点とした有機農業促進のモデル地域作り」では、地域の環境に合った有機農業を学校菜園を中心に促進してきました。その結果、学校菜園活動は定着し、生徒のなかには家庭菜園を始める子供や、卒業後に就農を目指す若者が育ち、彼らが牽引役となって、学校から地域へと有機農業を普及してくれました。 
 しかし、基礎技術をしっかり学んだ生徒たちを将来の有機農業リーダーとして育成していくためは、学校を拠点とした指導には限界がでてきました。長い休暇期間には学校が閉鎖されるため、彼らを指導することができませんし、学校のある日も指導をする時間はどうしても制約されます。
 また菜園をより広く地域社会に普及して地域の食糧自給率を上げるためには、活動拠点を学校から、地域に開かれた「学びの場」に移し、様々な年齢層の住民への指導が必要になってきました。 

 2年9ヶ月間の現行事業「有機農業塾を拠点とする農村作り」では、対象校の一つであるムタルメ小学校の敷地内に有機農業塾を設立(使われなくなった教室を改装)し、そこを拠点に生徒や保護者を含めた幅広い年齢層の住民を育てながら農村作りを目指していきます。 学校の休暇中は、いくつかの学校から学ぶ意欲の高い生徒たちが集まって、本格的な技術指導を受けられるようにします。また、家庭菜園を始めたい住民のグループには、農業塾から指導者を派遣して指導を行っていきます。 皆様からの暖かいご支援、ご協力をどうぞよろしくお願い致します。

(平林、編集:久我)


2016-06-22 日本

浦和学院高校の生徒さんと作業

TAAA事務局の野田千香子です。
昨日は、浦和学院高校から大勢の生徒さんがボランティアで 手伝いに来てくださると、安達先生からご連絡御受けていました。

TAAAは成立してから24年、かつて若かった私たちも1年1年、 当たり前のことですが、歳を重ねていきます。きょう、見える生徒さんは 高校3年生。TAAAが南アに英語の本を送り始めた時から数年経って 生まれた方ばかりです。

TAAAの中でも大きい人と思っていた丸岡さんも小柄に見えるくらい、背も 体格も立派な男女9人の方々が正確に10時に入って来られ、作業場はいっぱいにりました。
丸岡さんから作業の手順を説明してもらい、さっそく仕事に掛かっていただく。 数人の生徒さんには交代で隣の部屋で、「ぐりとぐら」の絵本に現地語(ズールー)の ラベル貼を西村さんの指導で行なっていただきました。 

柔道部から見えた 体力のある生徒さんには、隣の倉庫から、山のような段ボールを作業場へ 運び込む仕事をお願いしました。 「柔道部の練習よりきついなあ」・・。

皆さんがせっせと働いてくださり、昼近くには、新段ボールが底をついてしまった。 作業場の半分くらいを天井近くまで高々と積まれた輸送用ラベルを貼り終えた段ボールの山を 背景に記念撮影。

南アに住んで現地の活動のコーディネーターをしている平林薫さんが一時帰国していて 作業に参加。最後の10分間、平林さんを囲んで南アの特徴や現地の学校の図書活動について お話を聞きました。

午前の作業に参加したTAAAスタッフは、丸岡、大友、野田、浅見、西村。 午後はTAAAの総会。参加者は、久我、浅見、丸岡、大友、平林、野田、高野、茂住。

浦和学院高校の皆さん、ありがとうございました。

(野田)


2016-06-16 日本

6月4日TAAA講演会レポート②


休憩の後は、JICA青年海外協力隊として南アフリカに渡り、ムプマランガ州の保育園にTAAAの絵本を寄贈してくださった三浦さんにご挨拶をいただきました。スライドも数枚用意していただき、ご自身の南アでの活動と、絵本を手にして喜ぶ子どもたちの写真をみせてくださいました。

第二部は図書支援についてです。現在は43校を対象としており、3月まではボランティア貯金に支援いただいて活動を展開し、それ以降は外務省の日本NGO連携無償資金協力で現在も実施中です。

従来、移動図書館車をフル活用してきましたが、だいぶ古くなってきたため故障がちであり、修理しながらの運営は限界に近付いています。また、学校側も移動図書館車だけだとそれに依存がちとなってしまいます。したがって、移動図書館車による活動は3月末でいったん終了し、4月からは学校への本の寄贈と図書指導に力を入れています。

日本で集められた英語の本は、商船三井さんの支援で毎年1回南アフリカへおくられます。前回は昨年10月に届き、おかげさまで特に高校生向けの本はだいぶ充実してきました。しかしながら、小学生向けの本が不足しており、今後も比較的易しい英語の本を増やしていきたいと考えています。現地では、小学校4年生までズールー語で授業をしていますが、シニアプライマリーの5~7年生は英語になるため、ちょうどこの学年の本が求められています。

また、今年の新しい取り組みとして、10校のセカンダリースクールを対象に、ラップトップPCを1台ずつ配付し、IT支援を行っています。先生による生徒への授業の内容としては、PCの基本的な使い方、マイクロソフトのWord、Excelの使用方法、インターネットなどになります。生徒1人1人にPCを配付する余裕はありませんが、私たちの支援としては、物をあげれば良いということではなく、1つのモデルや仕組を提供することで、あとは現地で実行・横展開できることをねらっています。

なお、スポーツ支援につては、できる範囲でサッカーボールの提供を行っています。体育の授業がないので、生徒たちは休み時間や放課後に活き活きとサッカーを楽しんでいます。これは、菜園支援による給食の提供と同様、生徒たちが学校へ通うモチベ―ションにもなっているため、今後も継続していきたいと考えています。

質疑応答も含めて3時間すべて南アフリカづくしの時間となりました。ご来場くださった皆様、ありがとうございました。今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。

(丸岡晶)


2016-06-10 日本

6月4日TAAA講演会レポート①


6月4日(土)13:30~16:30、さいたま市の武蔵浦和コミュニティセンターにて、TAAA講演会が開催されました。今回は平林薫・南アフリカ事務所代表が「南アフリカの現状と学校・コミュニティー支援の状況について」というタイトルで、多数のスライドや写真を用いて講演いたしました。

最初に浅見会長から、TAAAの事業が近年でもっとも充実している旨の挨拶があった後、第一部は平林さんから菜園支援に関して話が進められました。
TAAAの事業は、クワズールーナタール州ウグ郡ムタルメ・トゥートン学区の小学校~高校の40校で展開されています。この地域は失業率が50%以上と高く、学校・地域で技術習得の機会が少ない状況です。また、困窮家庭が多いことから十分な食事をとれていない生徒が多く、歴史的背景から農業が活発ではありません。

このような状況の中、TAAAは「ウグ郡内に有機農業が定着・発展することで地域が活性化され、住民が地域内で自活できるようにする」という上位目標をかかげ、プロジェクト目標、各種指標に落とし込み、菜園支援活動を展開してまいりました。

その結果、アウトプットとしては以下6つを出すことができています。
1.対象校における菜園委員会の設立
2.対象校から保護者家庭への有機菜園活動普及の基盤作り
3.有機菜園活動普及へ向けた人材育成
4.卒業生グループと学校・地域との協力体制 確立とメンバーの経験・スキルの向上
5.学校間のネットワーク構築
6.事業対象者とカウンターパートの協力体制確立

これらの事業を通じて、持続性の観点から対象地域には有機農業が最適であることがわかりました。有機農業は食糧保障となり、自分の手で育てた作物を食べる喜びにもつながっています。また、菜園委員会という仕組み・システムづくりをすること、学校教育の一環として農業を指導すること、できるだけ早い時期に身につけて継続 することがポイントであると整理できました。

(丸岡晶)


2016-05-20 南アフリカ

小4の壁を乗り越えよう!


南アフリカでは、小学校4年から全ての教科の授業が英語で行われます。このため低学年のうちに英語の基礎力が身についてないと、その後の学力の積み重ねができなくなってしまいます。「小4の壁」問題です。

母語が英語でなく日常において英語を使うことのない地方の子供たちへは、この小4の壁を乗り越えるために、本来ならば特別なバイリンガル教育が施されてしかるべきです。
しかし、私たちの対象学区のように、予算不足のなか、特別支援はおろか、教材も英語教師も不足している環境下では、多くの生徒たちが、英語の基礎力がないまま小4に進み、その後の授業についていけない状況におちいっています。
日常会話が英語の都市部の生徒たちとの低学年での英語力格差は、その後の著しい学力格差につながります。そして、学力格差は、将来の希望格差、収入格差につながっていきます。

この状況を少しでも改善していくため、今年は、株式会社三井住友銀行様よりボランティア基金をいただき、低学年を対象とした「南アの子供たちの読書力を育むための学校図書支援活動」を5つの小学校で行っています。
基金により、学校にスペースがないため図書室を作れずに長年困り果てていたエシバニニ・ジュニアプライマリ(写真右)に、コンテナ図書室を寄贈することができました。また、絵本や低学年用の小説を5校に配布することができました。

図書環境改善だけでなく、小さいうちから読書習慣と英語力を育むために、TAAA図書スタッフや教師が本の読み聞かせをしたり、音読会をするなど、彼らが本とお友だちになる様々な活動を行っています。
各校で図書クラブも設立しました。今後は、高学年が低学年に本の読み聞かせをするなど、TAAAスタッフや教師の監督の下で、生徒どうしが教え合ったり励まし合える活動も始めていきます。
みんなで小4の壁を乗り越えていってほしい、そのためには先ずは本とお友だちになってほしいと願っています。

(久我)


2016-04-18 南アフリカ

ムプマランガ州保育園に絵本を届けました


この度、青年海外協力隊として南アフリカ共和国ムプマランガ州に派遣されていた三浦良祐さんから依頼があり、ムプマランガ州の小さな保育園に英語の絵本を 郵送しました。三浦さんからご報告をいただきましたので、ご紹介いたします。

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この度は突然のお願いであったにも関わらず、快く多くの本をご寄贈いただき誠にありがとうございました。お送りいただいた英語の絵本37冊を本日Hungani crecheという保育施設の子供たちに無事届けることができました。絵本に馴染みがない子供たちでしたが、皆興味深々に絵本を広げていました。

英語を習いたてのため、読解力がおぼつかないところもありますが、絵本を使って読み聞かせをできるようになったと、職員の方々も大変喜んでいます。本当はこの本がどれだけ活用されるか追って報告をしたいと考えていましたが、任期の都合で間もなく日本に帰国するため十分なモニタリングができないことをお許しください。

帰国した際には皆さまの活動について詳しいお話しをお聞かせいただけたらと存じます。また、南アフリカ共和国の地方の実情を知っている身として何かお力になれればと考えています。
簡単ではございますが、これを報告とさせていただきます。

寄付依頼者:三浦 良祐(青年海外協力隊 平成25年度4次隊 南アフリカ共和国派遣)
2014年4月より南アフリカ共和国に派遣され、現地NGOのThe WDB (Womens Development Businesses) Trustに配属。Mpumalanga(ムプマランガ)州のAcornhoek(アーコンフック)にあるオフィスを活動の拠点として、ITエンジニアとして現地業務をサポート。配属先のNGOでは貧困地域のコミュニティー支援を行うZenzeleプログラムを実施しており、住居、生活インフラ、家庭問題、教育支援など多岐にわたる課題を現地関係者と連携しながら解決している。(WDB website: http://wdbinvestments.co.za/)

寄贈先:Hungani Creche (フンガー二クレッチ)
Mpumalanga(ムプマランガ)州のCottondale(コテンデール)という村にある保育園で、3歳から6歳の子供が預けられています。Cottaondaleをはじめこの地域一帯には本屋がなく、周囲の学校にももちろん図書室はありません。WDBスタッフの一人がこの施設がある村で活動を行っており、昨年に園長先生と共に子供たち向けの図書室を作りたいと相談があり、南アフリカ協力隊員のOBより紹介いただいたTAAA野田様に本の寄贈をお願いした次第です。

寄贈日:2016年3月10日
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2016-03-13 南アフリカ

図書イベントを開催


 3月末に終了する国際ボランティア貯金寄附金配分事業「基礎教育支援のための学校図書室の配備と巡回指導」の一年間の集大成として、公共ホールで大きな図書イベントを開催しました。約100名の出席があり、各対象校生徒の発表は、詩や朗読、読書感想など様々で本当に素晴らしかったです。ドラマ仕立てで日頃の図書活動の成果を発表する学校もありました。

 ゲストスピーカーである州教育省図書情報部門(ELITS)のシズウェ・ンベレ氏はスピーチの中で、「日本の学校には必ず図書室があり、読書習慣をきっちりとつけることで教育の基礎ができ、それが国作りにつながっている。南ア政府も予算の問題があるとはいえ、何とかしてすべての学校に図書室を設置しなければならない」という話がありました。

 また、TAAAがこの地域の学校への支援を継続して行っていることに対して、「アフリカでは泥で家を建てるが、人々が力を合わせて少しずつ泥を塗って築き上げる。TAAAの活動は、私たちの家作りのために一緒に泥を塗ってくれているようなものだ」という印象的なスピーチ、「TAAAのサポーターの皆さんに、いただいた本は学校で有効に利用されており、皆感謝の気持ちでいっぱいです、と伝えてください」というメッセージをいただきました。

 対象校の図書委員会の活動や移動図書館の利用状況など総合的に判断して小学校トップ5校、中高校トップ3校を選び、イベントの最後に表彰式を行いました。
中高校の部1位はコンテナ図書室を寄贈したカンヤ高校です。活動開始当初は、図書室の存在意義を理解しておらず、寄贈したコンテナ図書室の本棚にいらなくなった古い教科書を積み重ねて倉庫状態にするなど、「どうなることやら」という場面も多々あったカンヤ高校でしたが、今では笑い話になっています。
 指導や研修を通して、司書教師も図書委員会生徒たちも大きく成長し他校の見本になるほど、しっかりした図書運営を行うまでになっています。コンテナ図書室は、放課後や休日も開放され、卒業試験を控えた12年生や地域住民にも利用されるようになりました。

 イベント会場の準備から開催まで図書スタッフ2名と菜園スタッフのボングムーサにヘルプを頼んで4人で行い、当日の司会はボングムーサにお願いしました。 彼は「やったことないけど・・・がんばってみます」と言い、結果的には完璧な司会をこなしました。
 本当に、地元の若い人たちの能力の高さに改めて感嘆しています。

(プロジェクトマネージャー 平林)


2016-02-17 南アフリカ

JICA菜園事業が終了しました


 2013年8月に開始したJICA草の根技術協力事業(草の根パートナー型)「学校を拠点とした有機農業促進のモデル地域作り」は2016年1月末に終了いたしました。 対象地域を2つの学区(ムタルメ学区とトゥートン学区)に限定し、2学区内の62校のうち、小学校から高校までの40校を対象校とし、学校以外にも学区内の4つのコミュニティー菜園グループも指導してきました。
 対象地域を限定したことから、訪問指導の頻度が高くなり、密度の濃い指導を行うことができ、教師、生徒、コミュニティーメンバーとの強い信頼関係を築くことができました。

 対象校40校には、菜園委員会を作り、引き継ぎを含めた活動システムを確立し、学校菜園活動が継続し根付いていくための運営基盤を整えました。全対象校生徒18,100人のうち2,060 人の生徒が菜園活動に参加しました。そのうち448人の生徒が家庭菜園を始め、 212人の保護者が学校菜園を手伝いなかで有機農業を学んでいきました。

 食糧自給率が低く子供たちが必要な栄養が取れていない地域で、微力ながら学校を拠点に生徒や保護者を通じて有機農業を普及できたことを嬉しく思っています。 生徒たちは、菜園委員会活動を通して、有機栽培の技術や知識だけでなく、帳簿付け、管理、協調性、リーダーシップなど、本当に多くのことを学び取っていきました。

 事業終了前に、対象校の校長や教師にアンケートやインタビューを行ったところ、以下のような多様なコメントがあり、改めて学校菜園事業が、学校や生徒達、そして地域に様々なインパクトを与えていたことが分かりました。

・菜園活動により家庭で食糧確保ができるようになったため、町に引っ越した家族が戻って きて生徒数が増加した。(山岳部、過疎地域の小学校)
・菜園プロジェクトは学校全体を蘇らせてくれた。(事業当初、学校運営に問題があり、 荒廃がみられた高校)
・普段教室内では勉強が遅れがちな生徒が、熱心に菜園活動を行う姿が見られた。
・中学生で素行が良くなかった生徒が、菜園活動に取り組むようになってから生活態度が 変わり、家庭菜園も始めた。
・生徒が畑作りに“愛情”を持つようになった。
・困窮家庭の生徒に新鮮な野菜を持たせられるようになったのは大きな成果である。
・給食材料が不足した時に畑の収穫物を使えて本当に助かった。
・収穫を販売して学校のファンドレイジングとなった。
・生徒が責任感や自主性を身につけた。
・菜園委員会の生徒は自分たちで時間や役割を決め自立して活動を行い、乾期には率先  して川へ水汲みに行き菜園を支えた。
・菜園事業で学んだ生徒たちが将来農業を専攻し、地域住民に教えるリーダーになってほ  しい。
・家庭菜園を始めた生徒のなかには、すでに地域住民に作物を販売している生徒もいる。
・自分の手で食糧を作り出すことの喜びや意義を学んだ。
・菜園委員会メンバーは、地域住民に収穫物を販売し、会計作業をすることで、農業がビジ  ネスになることを学んだ。
・安全で栄養価の高い収穫物は地域住民に喜ばれている。
・農業科学専攻の生徒の成績が良くなった。


 JICA事業は終了しましたが、TAAAは、菜園事業対象校へは引き続き図書活動支援を継続して行っていきますので、今後とも菜園活動の進捗を確認しフォローしてまいります。

(平林、編集:久我)


2016-01-18 南アフリカ

生徒が育つ図書室作り


 TAAAが支援している学校の図書室は、どこもアレンジが個性的で手作りのぬくもりが感じられます。それは、先生と生徒達が「ああでもない。こうでもない」と試行錯誤して作り上げていくものだからです。 長いこと図書室がなかったハラバ小学校も、先生の指導のもと、生徒たちが、初期の段階から図書室作りに参加しました。分類した本をせっせと本棚に並べ、カラフルな啓蒙ポスターも壁にかけて、自慢の図書室ができました。
 図書室完成後には、保護者も招待しての図書室のオフィシャルオープニング式典が開催されたそうです。

 こうして、図書室を作り上げる段階から、生徒達が積極的に関わると、図書に関する興味、本を大切にする気持ち、そして皆で学校をよくしていこうという心が育まれます。

 今年もTAAAは「生徒が主役」をモットーに、彼らが積極的に関わることで成長していくプロジェクトを目指していきます。引き続き、皆さまの暖かいご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

(久我)


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